見出し画像

デジタル✕ソーシャルメディアで描く未来

前回は、第一線で活躍するデジタルマーケターが予測するデジタルマーケティングの2022年トレンドをご紹介してきたが、今回は、デジタルマーケティングにおけるソーシャルメディアの活用について深堀りしていく。

2022年のトレンドは、デジタルマーケティングにいかにソーシャルメディアを取り込んで、それぞれを融合させるかについて話したが、具体的にどのように取り組んでいったら良いのか詳しく説明していこう。

デジタルマーケティングは万能なのか、穴やデメリットは?

ソーシャルメディアやデジタルメディアを使い、コミュニケーションをするのは容易だ。それが売りでもある。

情報収集という観点でも手軽だが、逆に情報を発信するという点でも同じくハードルが低い。そのため、情報の信憑性には注意が必要だ。間違った情報やフェイクニュースも数多く出回ることになる。

そのため、高額品の購入や重要な意思決定をする上で、デジタルメディアの情報だけに頼るのはリスキーな部分がある。

情報発信者側の立場で考えると、デジタルメディアを使って最適にアプローチできるのは、低額な商品やサービスを情報弱者に売りつけること、という結論になる。例えば、Facebook広告にも流れてくる「○○サロン」などが代表的なものだ。

高額な商品をリテラシーの高い人に売るには、ソーシャルメディアを含めたデジタルメディアは向いてはいない。

デジタルマーケティングは万能か否かというよりは、デジタルメディアがアプローチできるところや取れるところが限られているという、いわゆる特性があるという話になる。

また、デジタルメディアでは、情報を正しく伝播させるのが非常に難しい。情報を受け取る側に必ず一定数以上の情報弱者が含まれるからだ。逆も同じで情報を発信している側も平気で裏取りのない情報を発信したり拡散したりもする。時には悪質な嘘を意図的に発信する場合もある。何をもって本物の情報かを見抜きづらくなっている。

逆に、リテラシーの高い人は、すでにデジタルメディアというのは、そのような特性があることを理解しており、リアルな関係もないオンライン上だけから、すべての情報を得ようとはしていないからだ。

デジタルメディアでは、「業界最安値」や「高品質」という言葉が舞い、情報弱者を翻弄している。何の制約もなく、自由に発信できるために、情報を得ようとする人のリテラシーによって、情報が響く層が変わっていることに理解したい。

Facebookなどでは、様々な情報が流れ、サロンなどの勧誘もある。それを鵜呑みにして入会してしまう人が多いのだろうか?次から次へとサロンの情報が流てくる。怪しい広告が流れるというのは、怪しいものしか売れないかと考えることも出来る。

大企業がブランディング広告を流すときに、ブランドセーフティ(ブランド価値を守ること)のために、デジタル広告に対して敏感になっている背景にはこのような点がある。

ソーシャルメディアマーケティングの本質

そもそも、ソーシャルメディアマーケティングという言葉に違和感を感じる。テレビや雑誌などのマスメディアを使ったマーケティングをテレビマーケティングや雑誌マーケティングとは言わないことと同じで(マスマーケティングという言葉も使われるが、これもよくわからない)、特定のメディアの種類にマーケティングを付ける呼称はどうもぴんと来ない。だが実際には、FacebookマーケティングやTwitterマーケティングという言葉で語られることがよくある。

ソーシャルメディアマーケティングという言葉をあえて使うと、ソーシャルメディアマーケティングというのはFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを使った広告、宣伝、営業活動のことを指しているのではないだろうか。ソーシャルメディアの特徴は、自分でコンテンツを作って、そこへ簡単に掲載できるというものだ。一人の人格がひとつのアカウントを持てるため、必ずダイレクトメール機能でつながることができる。繋がったひとに対して、DMを通してより気軽にメッセージを伝えることが出来るのが、ソーシャルメディアマーケティングの分脈だ。

自分の情報をより簡単に確実に出せるというメリットを活かす広告、宣伝、営業活動ができるというものだ。

ソーシャルメディア以外の手段で、個人での広告、宣伝、営業活動やろうと思うと実はなかなか難しい。影響力のあるメディア、テレビや雑誌、ウェブだとヤフーニュースなどに興味を持ってもらい取り上げてもらえることができればよいが簡単ではない。その点、ソーシャルメディアの場合は、自分でコンテンツを作って、自分で発信し、世の中に仕掛けることができるというのが最大のメリットだ。

ソーシャルメデイアのビジネス利用用途は?

根本的な概念として、ソーシャルメディアは、個人の場だということを理解しておく必要がある。

ソーシャルメディアプラットホームの思想は、企業がソーシャルメディアを使って広告、宣伝、営業活動をおこなうなら、広告費を払って使えというものなのだ。個人の場に商業目的で現れ、ビジネス活動をするというのは、リアルの場に置き換えてみると、どれだけ寒い行為か想像することが容易にできるだろう。ソーシャルメディアプラットホームは商用利用に効果が出にくいよう、常にアップデートを実施している。

個人アカウントとしてビジネスが運用することもできるが、それなりのマナーと礼儀を持って使うべきである。一方的にあれ買えこれ買えという宣伝広告はNGである。押し売りと同じでコミュニティ内では好まれるものではない。

では、ソーシャルメディアどのように活用して、ビジネスに繋げていくべきなのだろうか。入り口として、この点もリアルのコミュニティと同じで、参加者であるあなた自身がどのようにコミュニティに貢献できているかが重要な指標になる。具体的には他のユーザーにとって面白い、興味のあるコンテンツ、役立つ情報をシェア出来ているかということだ。

その上で初めて、自分のアカウントに対しての信頼を獲得することが出来る。広告、宣伝、営業活動はその次のステップにあるべきなのだ。

多くの人がソーシャルメディアを使っている利用目的

○以前から知り合いである人たちとのリアルなコミュニケーションの補完
○同じ趣味や考え方を持つ人と新しい交流
○自分が知りたい情報を探す
○自分ブランディングするための情報発信

たくさんの人とリアルで繋がり、関係を保つのは大変だ、定期的に会ったり、電話したりと、会う理由や話のネタを探すだけでも大変だ。その点、ソーシャルメディアを使うとたくさんの人とオンラインで繋がりを保持しやすい。

新しいコミュニケーションを産むためには、Twitterのリプライで絡んだり、Facebook上で「興味があるのでお話しをしませんか」などDM
DMを送信することも出来る。場合によっては、ソーシャルメディアを使って、ビジネスオファーを掛けることができるのだ。

ここで大切なのは、自分が何者であるのかということを常に発信しているかどうかだ。いわゆる、自分ブランディングができているかどうかという点だ。

特にFacebookは、実名利用なので、オンライン上のプロファイルであり、名刺の代わりになる。簡単なことのようだが、実は、しっかりと運用できている人は少ない。名刺代わりに使うということであればあるほど、日頃からの情報発信や自分ブランディングが重要ということになる。魅力ある人間力が備わっていれば、オファーは向こうからやってくるはずだ。

繋がっている人が発信している魅力的な情報に出会うこともできる。そこからコラボして新たなビジネスチャンスを得ることができるのも事実である。この手の情報というのは、ニュースサイトなどでは入手できないものであったりすることが多い。

また、リアルだとコストと手間が莫大にかかる、新年の挨拶、年賀状であったり、暑中見舞いなどが、ソーシャルメディアで補完することができる。

Facebookでは個人アカウントとFacebookページ(ビジネスアカウント)は、その役目が明確に分かれている。それを知った上で、マナーを守って、正しく使うことでソーシャルメディアを上手に活かすことができる。

ソーシャルメディアを活用した成功事例

ソーシャルメディアをビジネスで活用するポテンシャルが最も高いのは、BtoB営業マンではないだろうか。企業に勤めている1個人である営業マンが、Facebookを通じて人脈を形成し、企業から仕事を受注するなどの成功事例は多い。

ただし、これは地道な営業活動の1ツールとしてソーシャルメディアを運用するというものなので、それなりの時間的工数とコミットは必要になる。手っ取り早く効果を得たい、ということにならやはり、広告を買ってしまったほうが早いだろう。例えば、最近では、フォロワーなどソーシャルメディア上で影響力の強い人、インフルエンサーと呼ばれる人にお金を払って営業してもらうインフルエンサー・マーケティングという手法も主流で、これは手っ取り早く効果が得られる。

トリプルメディアとソーシャルメディア

ソーシャルメディアが注目を浴びるようになってから、トリプルメディアという考え方がフォーカスされるようになってきた。オウンドメディア(自社で作るメディア)やアーンドメディア(ユーザーによって作られるメディア)、ペイドメディア(企業が費用を払って広告を掲載するメディア)がある。

ソーシャルメディア=アーンドメディアという見解もあるが、私はちょっとズレいてるように感じる。実際ソーシャルメディアはトリプルメディアすべての要素を含んでいる。オンライン上で簡単に発信を出来る、他人の情報に触れて、それを拡散できる、広告枠を買って特定のユーザーにアプローチできる。

企業がソーシャルメディアを使って、企業アカウントを展開するのには、やはりペイドメディアと捉えて広告枠として考えるのが費用対効果の面から最も優れていると考える。

逆にビジネス目的であっても、個人をしっかりと表に出して、マナーを守りコミュニティの一員として情報発信、繋がりの構築にコツコツと取り組むならば、オウンドメディアやアーンドメディアの特性を活用できる余地が十分にあるだろう。

KOBUSHI MARKETINGのソーシャルメディア活用


KOBUSHI MARKETINGはデジタルマーケティングの中心にソーシャルメディアを置いている。中でもFacebookを注力メディアとして捉え、CRMツール的な役割で活用している。メンバー個人が何者であるかということの名刺代わりとしてビジネスだけでなく、有用な情報、趣味、エンタメ、プライベート、そして、KOBUSHI BEERで開催されるイベントの告知やイベントの様子を紹介している。

Instagramは、主にKOBUSHI BEERのブランドプロモーションとキャンペーン的な利用、ユーザーとの繋がりを増やすために活用している。
https://www.instagram.com/kobushi.beer/

最近は #kobushi美女図鑑 という素敵な女性にKOBUSHI BEERとの写真を掲載している。お店に来店した方はもちろん、素敵な投稿をアップしているアカウントにDMを通じて直接オファーをかけている。

KOBUSHI BEER LOUNGE & BARでは、他のバーではあまりやっていない要素であるビジネスの勉強会を開催したり、カルチャーの出会い、一日店長などのようなイベントを開催しているので、KOBUSHI BEERのプロモーションでは、値引きで人を呼ぶということよりも、ここでしかできない体験や出会いという価値を提供している、ただ単に、クラフトビールを売っているわけではないというメッセージをソーシャルメディアで発信しているのだ。

KOBUSHI BEERでの動画配信サービスYouTubeの活用方法

KOBUSHI BEERの宣伝のためではなく、あくまで、KOBUSHI BEER LOUNGE & BARにはどんな人がきて、どんな思いのある人間なのかに焦点を当てる、というコンセプトで対談動画をYouTubeで発信している。

https://www.youtube.com/channel/UCAdHRYbXjuu4OvjRUZVqmWQ

人にはそれぞれに人生の物語があり、お互いをインタビューすることで、その人の人柄にも触れてもらうそんなコンテンツだ。そういう魅力ある人が集まる場所が、KOBUSHI BEER LOUNGE & BARというところだ。

YouTube動画を通して世界観を伝え、興味を持ってもらえるユーザーに出会おうとしている。

各ソーシャルメディアの具体的な活用方法

ソーシャルメディアの代表的なものには、TwitterやInstagram、Facebookなどがあるが各メディア毎に特性があり、それによって適した用途も変わってくる。

Facebookは、まさにFor ビジネスであり、ビジネスツールのひとつと考えるべきである。ビジネスに感度がある人が使い、ビジネスに興味のある人で繋がるもの。

Twitterは、便所の落書きと同じようなものだ。それが悪いということでも良いと言うことでもなく、民度の低い独り言と意識して利用することだ。

Instagramは、クリエイティビティという使い方で抽象的な使い方のできるツールだ。ただ単に、絵や写真を載せて共感を産むという作りなので、文章力が無くても感覚的に運用できる。若い人は、Instagramをお互いフォローしあって、コミュニケーションツールとして使っている。店舗の口コミなどをInstagramで、タグ機能を使って調べたりもしている。まさに言葉を使わずにしてコミュニケーションを取れるツールという点も魅力だ。

最近、注目のTik tokについては、もっともエンタメ色が強く、情報発信には難易度が高いソーシャルメディアツールでもある。短い動画の中で、いかに人を惹きつけることができるかが勝負だ。それなりにセンスと編集技術が必要なため、気軽なツールとはなりにくい面もあり、どちらかというと、YouTubeと近い一部のクリエーターの作品を楽しむといった使い方となるだろう。ビジネスとして取り組むためには、クリエイティブな思考というものが大切になる。

デジタルマーケティング✕ソーシャルメディアの具体的な施策

ビジネスに活用しようと思う人ほど上手くいかないがソーシャルメディアというものだ。

ソーシャルメディアというのは、個人ブランディングをして、言わば名刺代わりに、自分の人柄やどんな考え方の人間なのかという情報をコンテンツとして届けることが出来るツールである。

つまり大切な一面は、最終的には1to1になるということだ。どのメディアにもDM機能がついているのが象徴的だ。

上記をしっかりと踏まえた使い方ができている人はまだまだ少ない。この点を理解した上で、デジタルマーケティング✕ソーシャルメディアというのは、自分のリアルな活動が合った上で、うまく活用できるツールということであり、リアルとオンラインを融合できる人だけが、上手に活用できるものだ。

あなたの活用次第で、デジタル✕ソーシャルメディアで未来を描くことができるだろう。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?