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#架空小説書き出し まとめ5

お久しぶりの投稿になっちゃいました。
ゆっくりでしたが、架空小説書き出しは更新していましたので、5作まとめていきたいと思います。
あと、今回から投稿日も記載したいと思います。

#架空小説書き出し とは、その名の通り架空の小説の書き出しを投稿するXのハッシュタグです。


「何年先も一緒にいよう」なんて
歯の浮くような言葉を口にし合っていた。
どんな変化も2人なら乗り越えられると、思っていた。
建物から出ると春のとぼけた風が吹き抜けた。2人はそれまでの日々を感じさせない、どこかすっきりとした顔をしていた。

『春とやくそく』より(2023/08/02)

春の別れのシーンを書きました。言ってしまうと、それまで諍いが絶えなかった2人が離婚届を提出して新たな人生を歩んでいく。というシーンです。甘やかな日々からの展開をうまく書けたような気がします。


ジジジとけたたましい羽音がきこえる。セミがどこからか迷い込んだようだ。セミはどうにかここから出ようとガラスの方へ何度も飛び立とうとしている。だがもちろんそれは失敗に終わる。
僕はその姿をとても哀れに思った。アイツみたいだ。

『虫かご』より(2023/08/03)

これは実際に建物に迷い込んでしまったセミを見つけた時に浮かんできた書き出しです。ガラスにぶつかってもぶつかっても羽ばたく姿を見て書きました。セミって急に動くのでびっくりしますよね。


突き抜けるような青空。砂埃。白い玉。大嫌いなあいつの横顔。
あぁ、夏が来た。
置いていかれそうだ。

『汗、そして青春』より(2023/09/07)

これは真夏に照らされた野球少年たちを想像した書き出しです。スポーツに造詣が深くないので、このレベルでしか書けなくて悔しいですが、また青春小説も書きたいですね。


いっそのことお酒で記憶が飛ぶタイプなら良かった。
隣ですやすやと眠る男の睫毛なんかを見つめながら、我ながら面食いだなと苦笑した。

『大人ってこんなもん』より(2023/09/08)

衝動的に行動した後、冷静になって振り返った時に「自分ってやつは…」と呆れるほど好みとか趣向とかが現れていたら、ショックを超えて笑ってしまいますよね。


満点の星空、というものを人生で初めて見た。星がこぼれそうとはよく言ったもので、沢山の粒がそのまま落っこちてきて、深い闇に吸い込まれそうである。
なんだか無性に寂しい気持ちになって、繋いでいた手をぎゅっと握り直した。

『美しい闇』より(2023/09/15)

満点の夜空って美しいけど、そのまま吸い込まれて独りぼっちになってしまいそうな錯覚におちいりませんか。それでも、側にいる人の温もりが引き止めていてくれる、そんな気がしています。



いかがでしたでしょうか。
今回は夏らしいものが多かった気がします。私のお気に入りはセミのやつです。

まだまだストックがあるのでまた投稿しますね。それでは。

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