社内SEのお仕事
こんばんは。Novskiです。
むぎさんに触発されて、僕も「社内SEのお仕事」という記事を書いて見たいと思います。
社内SE関係のTweetがよく「いいね」を頂くので、意外と社内SE事情はどこでも共通なのかなーと思います。
というわけで僕の働く会社の社内SEのお仕事をご紹介できる範囲で書いていこうと思います。
記事の構成はむぎさんと同じにしています。(むぎさん、快諾ありがとうございます!)
1.社内SEの割合
弊社の全社員数は900人です。その中で社内SEの所属しているシステム部門の人数は次の通りです。なお、社内の基幹システムは外注していますが、サブシステムはシステム部門で雇っている派遣さんか、外注しています。10人の内訳は、社員7人、派遣さん2人、パートさん1人です。
2.社内SEのチームと人数
システム部門はインフラチームと、それ以外(何でも屋)でざっくり分かれています。インフラチームはもともと別の部署に所属していて、2年ほど前にシステム部門に統合されたので、歴史的には「システム部門=何でも屋」という扱いでした。
3.社内SEのチームと役割
①基幹システム関係
基幹システムの設計、保守、運用をしています。開発はベンダーが行うので、そことの調整だったり、ユーザーである現場部門へのヒアリングなども行います。既存の基幹システムがまだ稼働しているので、そちらも対応しつつ、次の基幹システムの構築も並行して行なっているので、かなりデス○ーチと言える状況です。
②コールセンター
とは名ばかりですが、電話応対をパートさんにお願いしています。現場部門からの問い合わせがほとんど全てを占めています。パートさんで解決しない案件は社員へエスカレーションするフローになっています。実質1人なので、コールセンターという程でもないですが、彼女がいないと回らないです。
③インフラ管理・OA管理・運用管理
ここは専門部隊が担当してくれています。PCキッティングは勿論、ネットワークやサーバの管理、遠隔でのリモートサポートなどハード面でもサポートをしてくれています。
④ガバナンス統制・監査
ここは管理部門としての取り組みになるのですが、基幹システムの担当が兼任して担当しています。
4.社内SEの一日
社内SEの一日は次の通りです。と言ってもとある一日を切り取っただけなので、毎日目まぐるしく変化します。一日として同じスケジュールになる事はありません。超絶忙しいです。
5.社内SEの評価基準
システム部門は間接部門なので、いかに多くの時間を生み出したか、生産性を上げたか、後進の育成に寄与したか、で評価されます。また、案件の消化率や、達成スピードなども評価の対象となります。
①自部門や他部門の業務効率を上げる事ができたか
②案件の達成精度や、そのスピード、依頼者の期待値を超えたか
③今まで出来ていなかった事が出来る様になったか(ストレッチ)
④予算を達成出来たか(抑えられたか)
定量的な評価も定性的な評価も個人によって異なりますが、「以前の自分と比べてどれだけ成長出来たか」に重きが置かれている様です。あとはその根拠となる具体的な事例をどれだけアピール出来るか。上司任せにしていると満足出来る評価にはならないので、しっかりとアピールするための準備も欠かせません。
6.社内SEの抱える問題点
弊社の社内SEが感じている問題点には、次のようなものがあると思います。
①仕事が減らない
次から次へと新しいシステムが導入されるが、肝心の業務設計がザルなので、リリース後に炎上して火消しに追われる。鎮火してもなぜかそのまま多くの運用がシステム部門管轄となり、月日だけが流れる。
②ユーザーが成長しない
会社をあげての一大プロジェクトが走っているにも関わらず、「システム部門が何とかする」の意識が強く、非協力的。手元の業務手順が変わる事に対する拒否反応が凄いため、そもそもの足並みや意識を揃える事が非常に困難。
③改善活動をする暇がない
生産性を上げるための業務改善にはまとまった時間が必要だが、既存業務や、不安定なシステムの「運用でカバー」で時間を奪われ、前向きな仕事に割く時間が取れずに月日だけが流れる。
④保守がザル
リリースがゴールになってしまっているため、安定稼働やバックアップ体制が十分に確立されておらず、またそこに割く時間もないため、非常に危険。
⑤スキルが身につかない
開発の実装やパッケージソフトの運用を外注や社内で抱える派遣さんに任せているので、社員だけになった時に詰む。僕はここに最もフラストレーションを感じている。RPAのソフトとか使いこなしたい。
⑥キャリアプラン
情報処理試験の日程と社内イベントが丸かぶりするなど、エンジニアを育てる土壌が皆無。システム部門の人材をどう育てたいかのビジョンが不明瞭なので、個人のモチベーションに委ねるしかない状況。
7.社内SEの良い点
問題点や不満だけでなく、社内SEの良い点にも触れておきます。
①会社の基盤を支えているという自負
管理部門がしっかりしないと、経営が危うくなってしまうため、管理部門の結束は固い。(全員ではないけど)
②声が通りやすい
改善提案が簡単に採用される。これは前職では決して味わえなかった点。言った者勝ちであり、とりわけエンジニアの知見は重宝されやすい。
③エクセルの先生と呼ばれる
VLOOKUP関数が使えたら上級者扱いを受けます。マクロが組めると神様と崇めたてられます。僕は一部の社員から天才天才と呼ばれるので、悪い気持ちではないです。(それゆえに驕らないよう注意も必要)
④守備範囲が広くなる
「なんでも屋」なので、日々勉強をすることが必要。広く浅く、色々な知識が身に付く。(ただし本人のやる気次第)
8.社内SEとSIerの違い
僕が転職をして感じた違いは大きく以下の2つです。※あくまで僕の経験です。
・エンジニアとしての尖ったスキルは身につかないが、ユーザーが近いので良くも悪くもコミュニケーション能力が培われる。というかそれがないと仕事が進まない。(社内SE)
・バリバリ開発して「稼いでいる!」という感覚を味わえるが、(客先常駐だったので)会社への帰属意識が生まれない。(SIer)
9.まとめ
ちょっとtwitterで流行っているので、無謀にも有料で書いてみました。正直僕は自分が「社内SE」だという意識は薄くなってきています。社内SEの皆さんのtweetを眺めていて、「社内SE」って一体なんだ?と思う様になってきました。
これから社内SEを目指そうとしている方の参考になれば幸いです。
以上