ジュラシック・パークから30年
先日、Podcastの収録で「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」をお題に喋った。2022年に公開された、「ジュラシック」シリーズの最新作だ。僕にとっては恐竜祭り以上でなかった本作の話はそこそこに、話題は第1作の話になった。
今回の「夜ラジ」のフレンドは、80年代後半生まれのめぐと、2000年生まれのMatt。PCのカメラの前に「ジュラシック・パーク」のパンフレットを出すと、ふたりから「おおー!」という声が上がる。そんなに驚きなの?と意外に思ったのだけど、本作の公開は1993年。31年前に買ったいわゆるアンティークを見せているわけなのである。
30年という時間ってどれくらいなのか。「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)」で主人公マーティーが1985年からタイムトラベルをしたのが、30年前の1955年。「レトロ」が強調された町並みやカルチャーが印象的で、「へえー、これが昔なんやなぁ」と驚いたものだ。僕はBTTFとほぼ同じ尺の「昔」を語っていたのだ。いったいどういうこっちゃ。ちなみに、僕が生まれる30年前は朝鮮戦争が始まった年だそうだ。
収録をしながら、すごく奇妙な感じがした。僕は昔から飛び出してきた人間で、Mattは未来人で…30年前にスクリーンでT-REXを観て「スゲー!」と驚いた中学1年生はしっかりミドルになった。それと同じ時間が経てば、僕はシニア中のシニアだ。恐ろしい(何が)。村上春樹的に表現すると、しっかり時間は時間の取り分を取っているのである。
だから何なんだよという感じなんだけど、僕が目をきらきらさせながら観た映画作品のよさを未来人と語っているのって、なんだかステキじゃないですか?そんな僕らは、VHSではなくて配信で鑑賞し、厚みのほぼ無いパーソナルコンピュータの画面越しにインターネットとやらを駆使して収録を行う。そしてデータというわけのわからないものをクラウドという仮想雲の上に昇らせる(アップする)。これがSFでなくて何なんだろう。