時に流されないように
孤独・変化
『それは本当に想像を絶するくらい
孤独な旅であるはずだ
本当の暗闇の中をただひたむきに
ひとつの水素原子にさえ滅多に出会うことなく
只々深遠にあるはずと信じる世界の秘密に
近づきたい一心で
僕たちはそうやって
どこまで行くのだろう
どこまで行けるのだろう』
宇宙探査機が打ち上がる時、誰かは誰もが孤独だと深く悟るのかもしれない
隣を歩いてもその人はただ遠くだけを見ていて、自分を見ていない。
その人はまるでそこに居ないかのように儚く遠い……
全ての人が闇の中、明日の事すら何も分からずに迷い、手探りで生きている。
生きるのが上手そうなあの人だってきっとそうで、取捨選択の繰り返し、余裕などなくて
今やれる事を繋いで描く未来に向かう……
毎日が忙しなく輝いていたあの頃
怒涛のような変化の中で
大切にしていたもの、大事にしていた気持ち、
この景色は何も変わらない、と無意識に信じて疑うこともなかった。
けれど今見てみれば、そんな数多の煌めきを忘れてしまって、気付けば手元には何も無い。
輪郭のぼやけた記憶と僅かな後悔と、抗えなかった針路への虚しさ、そんな屑だけが揺蕩っている。
自分が変わる環境が変わる、それと同時にあの人もあの人を取り巻く環境も、この世界の全てもが物凄いスピードで変化しているのに、その事に気づけない。
すごくすごく親しかった誰かも時の変化の中で気付けば疎遠になって、今では偶にも思い出さなくなって、人との関係はまるで流動的なのだと言うかのように、今はどこでどうしてるのか知る術もない。
大切なものは全力で掴んでいないと
急速な時に流されていってしまうから
きっと一時も手放してはいけない
『ただ生活をしているだけで
悲しみは其処此処に積もる』
僕も。