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のべるちゃん感想『バトルキングダム』

読者のみなさま、すっかりご無沙汰しております。
別のプロジェクトが大変忙しくなってしまっており、ふがいないことだが、最近はのべるちゃん事業部(?)にあまり取りかかることができなかった。

だいぶ広報氏にお任せしてしまっており申し訳ない限りだが、幸いにしてこうして記事を書く時間を作ることができた。

今回も弊社サービスScript少女のべるちゃんより、お勧めの作品を紹介してゆこう。

なお、現在「のべるちゃんチャレンジSP」と題した、金券の出るコンテストが開催中である。「我こそは!」という方は、こちらのリンク先で詳細をご確認頂ければ幸いだ。

作品について

今回は、立て込んだプロジェクトの合間に遊んで楽しかったゲームをご紹介したい。のべるちゃんエンジニアの某氏にお勧め頂いた作品だ。

本日紹介するのは、『バトルキングダム』。
作者は銀貨さん。(なんと初投稿らしい!!!)ご投稿ありがとうございました。

本編の冒頭であらすじが語られる。あらすじはこんな風だ。

遥か昔、一つの大陸に3つの国家がありました。

それらのイエリス国、ガイア国、フレント国は互いに仲が悪く、お互いの国を滅ぼそうと隙を窺っています。

まだ若いあなたは、戦死した先王に代わり小さなイエリス国の王位を継承しました。

あなたは戦火で荒れ果てた城下町や田畑を再建し、兵力を集めて近隣のガイア国やフレント国との戦いに備えなければいけません。

イエリス国、ガイア国、フレント国は先の大戦でそれぞれ疲弊し、事態を重く見た教皇の命により、三国間国家再建停戦条約を渋々締結しました。

ガイア国もフレント国も、条約期間終了と同時に他国に攻め込む狙いで軍事力の増強に躍起です。

あなたは2大国に負けずに強い国家を築き上げて、2大国を討伐して下さい。


既にリンクを踏まれた方はすぐにわかるだろうが、そう、これは物語を読むコンテンツではない。

のべるちゃんチャレンジSPにもゲーム部門ができたし、なんと言っても素晴らしい作品なので、本記事で紹介させていただくことにする。

戦闘王国!

本作はキングダムがバトルするゲームである。
みんな大好き、戦記物だ。

イエリス国、ガイア国、フレント国の三王国が三つ巴の戦いを繰り広げる世界で、プレイヤーは三王国の中でも最弱のイエリス国の国王となり、残り二王国を打倒せねばならない。
一般的なRPGというよりは、SLG、戦略シミュレーションゲームである本作は、コマンド選択で政を執り、兵力や経済力を蓄えてゆくことになる。

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休戦期間から始まる、けれど…?

このゲームのニクいところとして、プレイ開始直後からいきなり戦いに放り込まれるのではなく、開始直後は100ターンの休戦期間となっている点がある。
この間は敵国との衝突は起こらず、国を豊かにし、精強な兵士を揃えて戦いに備えるための期間というわけだ。

国政に怠慢は許されない

最初は開戦までにゲーム開始直後はできることを制限しておいて、徐々にできることを解放してプレイヤーの理解を確実なものにするゲームデザインは、昨今のゲームでもよく見かけるものだ。
しかし、今時の軟派なゲームのノリで「これはチュートリアル期間で操作を覚えつつ楽しく遊んでいいんだな」なんて思ってプレイしていたが、これはまったくの間違いだった。

スタートダッシュが戦勝への鍵

作品説明欄で作者さんがおっしゃっている通り、この100ターンはとても重要で、ここでのちの成長の基盤を作っておかなければ休戦期間が明けた時には兵力でも経済力でも他の二王国に追いつくことは大変難しくなる。高校三年生の夏休みまで遊んで過ごして大学受験に挑んだはいいものの、真面目に積み上げてきた級友との差は埋めがたく敢えなく全落ち……とでも言おうか、「後から頑張ればいいや」は通用しない。

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ぼくにSLG経験があまりなく、この手のゲームを苦手としていることもあって、最初の100ターンを無為に、あるいは不合理に過ごした結果、休戦が明けると共に他国に押し潰され一瞬で国を盗られる光景を何度となく見る羽目になった。外交の手を尽くして休戦協定(そう、そんなこともできるのだ。すごい)を結び、コウモリのように立ち回ったとしても最終的には地力が足らず、競争に敗れてしまう。
国を立て直すというのはそんなに簡単な事業じゃないんだなと実感させられた。

圧倒的統治で友達(隣国)に差を付けろ!

しかしながら、システムを理解して色々と慣れてくると、国政もうまく回るようになり、他国とも張り合えるようになる。そしてプレイしながらこんなことをつぶやき始める。

「経済成長無くして兵力は強化できない。が、兵糧が少し心許ない…… なに!?他国が攻めてきて畑が焼かれた? だが兵の損害は向こうの方が多い? ははっ、やったぞ! 弱小時代から無い金をはたいてきた甲斐はあった! 兵力こそ国力よ!!!」

こうなると気分はすっかり名君だ。この辺りから楽しくてしょうがなくなっている。

というか鬼気迫る進行のプロジェクトからの現実逃避に……すごくいいのだ……「こいつはどえらいシミュレーション! のめり込める! のめり込める!」とはこのことである(母ちゃん達には内緒だぞ!)。

慣れてきたとしても油断していると畑が焼かれ、経済は損害を受け、多めに雇った兵士に食料が与えられずアッと言うまに内政崩壊を起こしてゲームオーバーになるので油断はできない。

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広報氏は「ちょうどいい難易度じゃないですかね」と言っていたが、ぼくには少し難しかった。けれど、時間をかけてカンをつけていけば、おそらく多くの人はクリアできるだろう。そういう意味では丁度いい難易度だと感じた。

納得感のある難易度と上達を楽しめる調整の数々

難易度の高さを楽しめるゲームはよいゲームだと思う。
だからこのゲームは、いいゲームだ。
作者さんは、「暇つぶしにどうぞ」とおっしゃっているけれど、少なくともそれ以上に楽しめることをぼくが保証しよう。

操作をする時間が比較的長い上に把握しておくべき情報も多いので、スキマ時間に、というよりはしっかり腰を据えてプレイする方がいいと思う。

余計なストーリーのなさはむしろ大正解?

さて、いつもであればこの作品のストーリーについて触れるところだが、今作には最低限のフレーバー程度のものを除いてストーリーがない
それどころか立ち絵が出てきて喋ったりすらしない。しかし、その淡々とした雰囲気が鼻につかないのは、ゲームの部分が面白いからだろう
先程も軽く述べたが、たくさん画面をタップして色々なことをやるので、経済に投資する度に会話が挟まったり、戦いの合間に敵国の姫とロマンスなどをしていたらテンポが悪くなりプレイ時間が指数的に増え、そうなったらぼくはきっとプレイを投げ出していたと思う。だからこのバランスはとても正しい選択だと感じた

そして何より、いわゆる「あらすじ」はそこになくても、プレイヤーが治めるイエリス国の戦いの物語はプレイヤーの数だけ存在し、思い出として胸に残る。

のべるちゃんの作品で有名なものは、やはり「胸に残る素敵なお話でした」という物語ベースのものが基本だが、こういう「胸に残る」も多分にアリだ。バトルキングダムをプレイして、改めてそう思わされた。

のべるちゃんと「ゲーム」

さて、今回は完全にゲームな作品のレビューとなったが、実を言うと我らがのべるちゃんというアプリは意外にも懐が広い。
ノベルゲームのUIを利用したRPGや育成ゲーム、探索ゲームなどの層が非常に分厚い(貿易ゲームまである!)

いかにもノベルゲーム制作ツールな名前や見た目をしているのに、どうしてこういったことになるのだろうか?とずっと疑問に思っていたのだが、広報氏から聞いた話によると、iPhoneのAppStoreでは「ゲーム制作」で調べると上から二番目にのべるちゃんが出てくるのだとか。

そういった導線があるのだとしたらそれは大事にしたいと考えているし、広報氏の猛プッシュでのべるちゃんチャレンジSPに「ゲーム部門大賞」が設けられたのも納得というものである。ぼくもゲーム系の投稿作品へのアンテナをきちんと立てていくことにしよう。

ということで、本日はここまでにしたいと思う。年内も残り少ないので今月中はちょっと厳しいかも知れないが、このコーナー(?)自体は続けていきたい。

今は、とりあえずのべチャレSPの作品が楽しみです。


P.S.

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ここの集中線が大臣たちが血相変えてる感あって好き!

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