性欲の起源 第3章② FANZAを巡る
モザイク不要論をぶちまけるホリエモンが、芥川賞作家の鈴木涼美と対談してて、「モザイクなんていらね〜」「先進国で規制してんのは、日本だけだよ」と主張するホリエモンに、優しく「モロだと、生々しすぎませんか?」と言ってたのが、今の日本のAVシーンを的確に表現してる。
この日本独特のモザイク処理AVが、石川県の雄、北都グループ、アウトビジョンを成長させて、日本のAVシーンをリードしてきたし、今はムーディーズ、エスワン、マドンナを筆頭に、多くのレーベルを系列化して最大手になってる。ソフトオンデマンドSODや、プレステージ、老舗「宇宙企画」の流れをくむミリオン系KMP グループなどとともに、このDMM が2000年代の一大DVDの時代を築いたわけだけど、初期のレンタルビデオの一大ブーム(村西ダイヤモンド映像他)から1995年SODを中心にしたセルDVDブーム(店舗型、最盛期には2万店舗)
2000年代に入ってのDMMの通販開拓、さらにオンラインレンタル、配信へと進化していく。
2018年にはついにFANZA(会社名はデジタルコマース社)という、配信プラットフォームにAVメーカー数百社を結集させてFANZAは生まれる。
U-NEXTが展開するH-NEXTとともに日本のAVシーンをリードしてるのがFANZAであり、その動画データは40万タイトルを越えてるし、ネトフリ(日本)の2万タイトルはもちろん、U-NEXTの30万タイトルもはるかに越える、巨大アーカイブ・プラットフォームに成長してる。
日本が世界に誇る、巨大配信サイトだ。
また、そのサブスク配信サイトにおいても、「FANZA TV」は定額見放題が11万タイトル月額1180円、H-NEXTの定額見放題6万タイトル、月額440円(U-NEXTの月額2189円に含む)を圧倒しており、そのユーザー数は激増している。
また、タイプ、シュチュエーション、プレイ、コスチュームなどに分類した、マーケティングはメーカー別を入れると、ジャンル分けで500ジャンルを超えるし、女優別、シリーズ別に分類されてる、仕分けの深さは、群を抜いてる。
あるプラットフォームの統計ではユーザーの半分は女性だと言われており、日本の「性欲の起源」の巨大なインフラになってる。
最初に触れた、この日本のモザイクポルノが、ホリエモンの思惑とは逆に、女性ユーザーも含めた広範なユーザーに支持されたのであり、様々な動画の質の向上につながっていった。シュチュエーション、ストーリー、役者の演技力、編集とカット割、この緻密な努力が、世界のポルノファンにとっても圧倒的で、他国を寄せ付けない、コンテンツの力となって、開花したのは間違いがない。
結果、40万タイトルを超える巨大なアーカイブ群を形成できたと言える。
現在、SODソフトオンデマンドを例にとっても、セクシー女優を目指す応募は毎月300人を越えると言われており、その中から、容姿・演技力・タレント性を厳選して、3名ほどがデビューしてる。ムーディーズを筆頭に、各社逸材を求めて競いあってるし、専属契約をした女優が続々と誕生してる。ちなみに、この専属になれない女優さんは、「キカタン」企画単体という名称で分類されて、多くの出演者でつくる、学園や病院や集団のドラマに出演することになる。このキカタン物が、販売を伸ばしてるのが現状だと言える。Hunter、switch、ROCKETなどのキカタン系のメーカーが伸びてる。
デジタルアーク社(FANZA)の推定売上1500億円、SODソフトオンデマンドの推定売上年間120億円、2千億円程度の産業だが、DX化、配信化によって、画質はブルーレイ以上に向上しており、また在庫のリスクを抱える必要がないので、ビジネスモデルとしても、ますます成熟していくと思われる。
セクシー女優については、次回に詳しく述べるが、長い歴史の中で、多くの逸材と呼ばれてる女優さんが生まれては消えていっており、通常は10作品程度で飽きられるし、限界が来てしまう。単体専属から、キカタンへ、さらにマニアック女優や、人妻、熟女系へと、様々に変化しながら、業界を長く生き延びる女優さんが多い。