いのちのエンジニア|臨床工学技士はどこにいる?血液浄化編
いのちのエンジニア ー 臨床工学技士は医療機器を通じて「いのち」を支える存在です。医師や看護師といった医療の国家資格のひとつで、今の医療には欠かせません。そんな大切な役割を担う臨床工学技士。あまり見かける機会は少ないかもしれません。臨床工学技士が病院内のどこにいるか知っていますか?
👇以前、こちらで例を挙げましたが、もう少し具体的にご紹介したいと思います👇今回は血液浄化に携わる臨床工学技士が働く場所です。
1.血液浄化とは
臨床工学技士は血液浄化を行う病院や部門に必須な存在です。血液浄化には大きく2種類の治療法があります。ひとつは腎臓の機能を代替する血液透析(人工透析)、もうひとつは病気の原因物質を血液中から取り除くアフェレシスです。
血液透析は24時間働き続ける腎臓の代わりをする治療です。そのため、血液透析も継続的に行う必要があります。日本では1回4時間、週に3回の治療が一般的で、生きている限りこれを一生涯続ける必要があります。血液透析を中断してしまうと、体の中の毒素や水分が排泄されないことで、いのちにかかわります。
日本国内で血液透析などの血液浄化治療を必要とする人は、2022年末時点でおよそ34.7万人、東京都だけでもおよそ3.3万人います。👇患者数はこれまで増加の一途をたどっていましたが、近年ではそのペースが鈍化してきています👇
2.血液透析が行われる場所
30万人を超える人たちが定期的に血液透析を受けるため、大きな病院ばかりではなく、身近なところにも血液透析を行う病院はたくさんあります。
大きな病院の中では、「血液浄化センター」や「透析室」といった部門で血液透析をはじめとした血液浄化が行われています。
また、病院の名前が「○○腎クリニック」、標榜診療科に「腎臓内科」、病院の看板に「人工透析」という文字などがあれば、血液透析を行っている病院であると考えられます。東京都だけでも450以上の病院で血液透析が行われています。
血液透析を正しく安全に実施していくには臨床工学技士が必須です。血液を体の外に出し入れするため、臨床工学技士は患者さんに針を刺すこともあります。準備から患者さんの対応、治療が終わってからは装置の保守管理など、血液透析の一連に携わっています。
血液透析を受ける方たちは、血液透析の度に臨床工学技士と接することになります。最も臨床工学技士を身近に感じてくれるのが、血液透析を受ける方たちなのかもしれません。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
医療機器を通じて「いのち」を支える臨床工学技士。病院の中で様々なところでとても大事なシゴトをしていますが、医療を受ける人がその存在に気付くことは少ないのかもしれません。
今回はその臨床工学技士が働く場所として、血液透析・血液浄化の場をご紹介しました。臨床工学技士は血液浄化を通じ、血液透析を必要とする方たちの「いのち」を支える必須の存在なのです。