
[ホロライブ同人小説]:『ホロゲート』第1章
ホロライブを題材とした小説を書いてみました。
こういうの見ても大丈夫な人は感想いただけたら嬉しいです^^
初投稿なのでフォントとか書き方の調整中です。こちらも何かありました教えてください!
第1章 狂乱の地響き
人気動画配信サイトにて突如として現れ人気を博している『ホロライブ』。彼女たちは地球とは違う《もう一つの世界》(ホロワールド)から来た事は地球に住む住人達は知らない。そんな彼女たちはある日、我々が住む地球と彼女たちの住むホロワールドを繋ぐゲートが出現したことによって、地球へ来ることとなった。そのゲートは地球とホロワールドを繋ぐ唯一の道であった。これは彼女たちのホロワールドでの物語である。
地球とホロワールドを繋ぐ役割となっているホロゲートは突如として出現した。出現理由については現在も分かっていない。また、ホロゲートは不安定な要素があり、出現当初はホロワールドに多くの凶悪モンスターが現れ、一時騒然となった。地球側のゲートは地球の住人には気づかれていなかった。地球側のゲートは視認することができず、発見しづらい事と、ゲートを潜り抜けられるのは限られた者だけであったため地球の住人で気づいている者はいなかった。ホロワールドから地球へ来ている者の大半は『ホロライブ』として活動している。地球の事を知るためと、その世界の通貨を手に入れられるため好都合であった。
ホロワールドではホロゲートの存在は周知されており、ゲートは数名のエンジニアによってメンテナンスされている。ホロライブ1期生『ロボ子』もその一人であった。彼女がメンテナンスの1人に抜擢されたのは彼女が高性能ロボットであることに加え、彼女の体を構成する未知の物質がホロゲートにも検出されたことにあった。ロボ子は自分と同じ物質を持つゲートに興味を持ちメンテナンスエンジニアとして立候補したのだ。未だにホロゲートの出現理由の解明には至っていないが、同じく不明であるロボ子の開発者を知るヒントになるかも知れないためロボ子はメンテナンスエンジニアとなった。
今日は久しぶりにホロワールドに帰ってきていたロボ子によってメンテナンスを行われていた。
ロボ子「出力が安定しないなぁ」
ロボ子はメンテナンス用のタブレット端末を操作しながら、独り言を言っていた。最近、ゲートから検出されるエネルギー量は安定していないのだった。
マリン「ご苦労様です!ロボ子先輩!」
ホロライブ3期生であり、自称宝鐘海賊団船長である『宝鐘マリン』がオイル入りのアルミ缶ジュースを差し出した。
ロボ子「ありがとう、マリン。どうしてマリンがここにいるの?」
マリン「ロボ子先輩がここにいるって聞いたのでちょっと挨拶に。ところでゲートの調子は、また悪いんですか?」
ロボ子「うん。エネルギー出力が安定しないんだよ。」
ロボ子「また、何か起きなきゃいいんだけど。」
ロボ子はもらったオイルに自前のストローを差して飲んだ。
マリン「そうですか…。このゲートは分からないことも多いですからね。ゲートが最初に現れた時はモンスターが大量に発生したとか…。」
ロボ子「そうだね。今日はとりあえず、エネルギー制御装置を稼働させて少し出力を落としてみるよ。」
ロボ子は思い出したかのように続けた。
ロボ子「そういえば、マリンは帰省でもしてたの?」
マリン「いやぁー。実は海賊船を譲ってくれるって人が居て。」
マリンは頭の後ろを搔きながら得意気に話した。
マリン「まぁ、これから見に行くんですけど。海賊団と言ったら海賊船ですからね!」
ロボ子「あぁ、宝鐘海賊団には船無かったもんね。自称海賊団なんて呼ばれてたりしてるもんね。」
マリン「そ、そうですね…」
悪気の無い毒舌にツッコミは入れず、バツが悪そうに肯定するしかできなかった。その後もマリンとロボ子は一通り雑談をしたが、午後の約束のためマリンは港へ向かうのであった。
正午過ぎ、港街では帰省のため帰ってきたホロメン達がショッピングを楽しんでいた。ホロライブ3期生で白銀聖騎士団団長の『白銀ノエル』と同じく3期生でエルフの『不知火フレア』が今年の夏の水着を選んでいる最中であった。
ノエル「フレア見て!これフレアに似合うんじゃない!?」
明るいオレンジ色のビキニをフレアに見せるノエル。ノエルは少し興奮気味であった。
フレア「ちょっと派手過ぎない?それと布地が少ないような。」
ノエル「そんなこと無いよ!フレアの髪色と同じオレンジだよ?きっと似合うよ!」
ノエルは自分の選んだ水着をフレアが着るという状況を想像して沸き立っていた。
フレア「うーん…。」
少し考えた後、フレアは答える。
フレア「じゃあ、今年の夏はこれにしようかなぁ。」
ノエル「オシッ!(小声)」
ノエルは喜びのあまり小さくガッツポーズした。フレアはソレを見逃さなかった。
フレア「ノエちゃん…そのガッツポーズは何?」
ノエル「ち、違うよ!ただ、似合うと思ったから!」
フレア「…お会計してくる。」
フレアはノエルの何かしらの思惑があったことは察し、少しの疑念と恐怖を覚えた。しただ、選んでもらった水着は確かに自分に似合いそうだと思ったため、特にガッツポーズについては問い質さなかった。ノエルはフレアが会計している後姿をニヤニヤしながら見つめていた。
同時刻。違うお店でも、別のホロメン達がお見上げショップを周っていた。
アクア「実家のお見上げ買えてよかったね。」
スバル「アクア、シオン。付き合ってくれてありがとッスな!」
シオン「まぁ、せっかく帰省の時期が被ったからね。お見上げも一緒に見れたから楽しかったよ。」
アクア、シオン、スバルは帰省のタイミングが被り一緒にお見上げを買っていた。今日は宿へ泊り、明日の汽車でそれぞれ帰省することにしていた。
シオン「あー!見てこのお面!」
シオンはそう言うと木目調に多様な色を施した奇妙なお面屋さんを指差し駆けていく。そして、いつもの悪ノリを始める。
シオン「スバルちゃん。これもお土産にしなよ。」
スバル「いらねーよ。何に使うんだよ。」
語尾の「ス」が無くなる鋭いツッコミで返す。
シオン「えー?魔除けだよ、魔除け。買っとかないと災いが降りかかるんだよ。」
スバル「いらねーよ――。」
スバルがもう一度強く否定すると一連の話を聞いていた店主のおばちゃんが奥から出てきて3人をギロッと睨んだ。ギョッとした3人は小さな声で謝罪し、逃げるようにその場を去った。
アクア「もう、2人がふざけるからぁ。」
シオン「だってぇ!スバルちゃんがあんな大きな声で言うから!」
スバル「ご、ごめんっス」
3人はその後もお見上げを見て周り、夕方には宿へ帰るのであった。
日が暮れ、港街では帰省前のホロメン達が朝イチの汽車に乗るため早めに宿で休息を取っていた。海賊船を譲り受ける話をするため、港を訪れていたマリンは宿への帰路を歩いていた。その肩は少し落ちていた。
マリン「はぁ、小さい船とは聞いてたけど。あれは船というよりボートだよ…。」
譲ってくれると聞いていた船は到底マリンの思い描く海賊船ではなく、電動ボートであった。
マリン「確かに現代の海賊は小型ボートかもしれないけど…。船長が欲しい海賊船は映画とかであるでっかいやつなんだよ!」
マリンは人通りの少ない路地で愚痴をこぼしながら歩いていた。その時、目の前を歩く見覚えのある姿があるの事に気が付いた。
マリン「あれ?ココ会長?」
マリンが見たのはホロライブ4期生『桐生ココ』であった。マリンが口に出すも少し前を歩くその人影は路地の角を曲がってしまった。姿が見えなくなってしまった人影を追いかけ、同じ路地を曲がった。路地を曲がっても人影はなかった。マリンが人影を探すように辺りを見渡した時だった。
「グギャーーーオオォ!!」
上空から大きな鳴き声が聞こえ、その大きな音で地響きが起きた。
マリン「コ、ココ会長?!」
マリンは空を見上げ、飛んでいるドラゴンに対して言った。上空には本来のドラゴンの姿となり、飛び回っている『桐生ココ』がいた。地響きが起きるような大きな音はドラゴンの咆哮であった。街中にドラゴンの咆哮は轟き、その咆哮に港街はざわめきだした。
マリン「ココ会長!マリンです!分かりますか?」
マリンが地上から大きな声でココに問うが、声が聞こえないのか気付く気配は無かった。また、どこか興奮した様子で上空を飛び回るココにマリンは様子がおかしいことを悟った。
「マリン!」
誰かがマリンを背後から呼んだ。振り返るとそこには2人の姿があった。
ノエル「マリン!何があったの?」
この異常事態で様子を見に来たノエルとフレアだった。マリンは今起きた顛末を2人に話した。
ノエル「じゃあ、あれはココ会長なんだね。」
マリン「そうだと思うんだけど、様子が変なの!」
フレア「確かにすごく興奮してるみたい。このままだと港街に被害が出るんじゃ…」
マリン「ココ会長は街とか人のいるところでドラゴンになったりしないはずなんだけど…」
そうこうしているとココが突然、上空のある一点で止まった。そして、再び地響きが起きるほどの咆哮を放った。
「グギャーーーオオォ!!」
その咆哮を終えると人気のない山の方へ飛んでいってしまった。
マリン「ココ会長…。何があったんだろう…。」
緊張が解けたマリンは地面にお尻をつけ、へたり込んでしまう。
ノエル「明らかに様子が変だった。あのままじゃほっとけないよ!」
フレア「今日は一旦、宿に戻ろう。確か他にも帰省してるホロメンがいたはずだから事情を知ってる人がいないか聞いてみよう。」
そうして、別の宿で宿泊予定だったマリンも2人の泊まっている宿で作戦会議をした。マリンは一度宿へ帰り、明日、また対応について考えることとした。