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「最後の決断〜Escape from the Philippines」 執筆ノート(第2回)

時々、本編をお休みして、取材メモのようなものをお送りします。

 このところ、体調不良などでお休みがちになっております連載小説「最後の決断〜Escape from the Philippines」ですが、お読みいただいております皆様に、心から御礼を申し上げます。おかげさまで体調は戻ったのですが、いかんせん年末ということもあり、執筆だの他の仕事だのと忙しくさせていただいております。そのため、時々配信が遅れることがございますが、何卒ご容赦の程お願い申し上げます。

小説の舞台となっている「KTV」って、なに?

 本作でしばしば出て参りますKTV。主人公の花澤がオーナーの「カーニバル」もKTVという設定で出て参ります。ところで、KTVって一体どんな場所でしょうか?今回はそんなお話をしようと思います。
 KTVの成り立ちのようなものは省かせていただくとして、フィリピンにおけるKTVとは、カラオケができる、女性が接客してくれるお店を指します。日本で例えるなら、カラオケが歌えるキャバクラのようなものです。
 当初は日本人客相手の商売でしたが、最近では韓国系KTVだの、中国系KTVのようなものも出て参りまして、あえて日本系KTVをJTVと言ってみたり、Japanese-KTV、JKTVなどと称したりしているお店もあるようです。それでも一般的にKTVといえば、カラオケが歌えるキャバクラ、と覚えていただければほぼ間違いありません。ただし、ファミリーKTVもあり、こちらはその名の通り、家族でも楽しめる、日本でいうところのカラオケボックスです。安いからと言ってファミリーKTVに行っても、素敵なお姉さんは出てきませんのでご注意ください(笑)。

KTVがある場所(メトロマニラの場合)

 メトロマニラ(マニラ首都圏)でKTVがある場所といえば、本作の舞台となっているマラテ、そして日本人駐在員が多く住むエリアの一つ、マカティです。その他の場所にもあるようですが、地元フィリピン人向けのお店だったりします。日本人向けのお店という意味では、マラテ、あるいはマカティと覚えていただければ間違いありません。

KTVがある場所(その他の場合)

 実はメトロマニラ以外にもKTVはあります。もともと米軍基地があったクラーク(またはアンヘレス)には、日本人向けのKTVがありました。最近では日本人観光客に代わり、韓国人観光客が多くなったせいか、韓国系KTVが圧倒的に増えた、という話を聞いたことがあります。それでもKTVがある場所ということでご紹介させていただきます。アンヘレス+ウォーキングストリートと検索していただければ出て参ります。
 また、観光地としても有名なセブ島にもKTVがあるようです。セブ島で有名な繁華街、セブシティにあるマンゴーストリートあたりには日本人向けのお店のあるようですが、すみません。この辺になりますと未確認のため、気になる方は検索してみてください。

気になるお値段(あくまでも一例)

 価格面ですが、メトロマニラに限定してお話ししますと、マカティの方がやや高く、マラテはやや安めのようです。遊び方やお店の価格によって大きく異なるため、あくまでもよくある料金設定をもとにざっくりと計算しますと、マラテの場合であれば、90分1セットでおおむね3000ペソくらい、日本円で8000円程度のようです。内訳は、基本料金+KTV嬢にご馳走してあげるドリンク+サービス料+税金です。ただし、KTV嬢にテキーラのボトルをねだられ、うっかりOKしてしまいますと、金額は大きく跳ね上がります(お店によっても異なりますが、大きなボトルだと8000ペソ以上)。また、お店によっても価格体系が異なりますので、もし現地で遊ぶ際は、あらかじめ料金を確認しましょう。お店に入る前、きちんと料金の説明があります。

個人的なKTVに対する「謎」など

 執筆にあたり、さまざまな情報を収集した際に、ふと思った謎などについてまとめてみます。今後、取材や情報収集を続ける中で解消したいと思っておりますが、謎といえば、ボトルを入れること自体は日本のキャバクラでもある話なのですが、なぜかフィリピンのそれは、十中八九テキーラしかないという点。フィリピンにだってビール以外にも有名なお酒があるんですよ。エンペラドールというメーカーのブランデーは非常にポピュラー。なのに、KTVでボトルというとテキーラ。ちなみにテキーラをオーダーしますと、セクシーなテキーラダンスを踊ってくれるお店もあります。BGMはもちろん、ザ・チャンプスが1958年にリリースした「テキーラ(TEQUILA)」。でも、最近では「テキーラ、ブンブン!」という歌詞でお馴染みの、SPANKERS / Sex On The Beachがかかったりするかもしれません。KTV嬢はやたらと「テキーラ、ブンブン!」なんて言ってるみたいですし(笑)。
 これは謎とは異なりますが、KTVによっては、ショータイムがありまして、お店の女の子がみんなで踊るんですけど、まあ、ダンサーではありませんので、その辺はご愛嬌ということで。そしてBGMによく使われるのはなぜか、KINKI KIDSの情熱(2001年リリース)が多いという…。あっ、この選曲は謎かもしれません(笑)。

オッサンのワンダーランド!ぜひお試しを。

 まあ、フィリピン中毒、通称ピン中オヤジといえば、おおむねこのKTVにハマっているケースが多いようです。言い換えれば、オッサンのワンダーランド、というところかもしれませんが、若い男性も、あるいは女性だって入れないわけではありませんので、フィリピンをご旅行の際は、お試しいただくのよろしいかと存じます。ただ、繁華街ゆえに、ひったくりやスリ、ホールドアップと言われる強盗にはご注意を(ストリートチルドレンにもご注意を)。最近ではマカティで日本人観光客が強盗の被害を受けて以降、マカティ・マラテの両地区ではパトロールが強化されているそうですが、遊ぶ際はくれぐれもご注意ください。

 次回は本編をお送りします。引き続き、「最後の決断〜Escape from the Philippines」でお楽しみください。

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