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私と最低な夫の物語
まず、はじめにお伝えしたいのは、この物語はまだ終わっていないということです。
なぜなら、私自身、彼とのこれからをどうすべきか、まだ決められずにいるからです。
まずは、私たちの凸凹で最低な関係について少しお話ししましょう。
付き合って7年、結婚して8年、一緒になって15年になります。付き合っていた頃、彼は定職に就かず、夢を追いかけてフリーターをしていましたが、結局鳴かず飛ばずのバンドマン。その夢は実らず、ようやく就職を決めたタイミングでプロポーズを受けました。しかし、結婚の挨拶には場違いな赤いネクタイを選んだり、結婚指輪を買う貯金すら全くなかったりと、何かと常識外れな一面がありました。
結婚してからも共働きで、結婚後も私は望んでいましたが意見が合わず子どもには恵まれませんでした。
彼はどこまでも自分勝手で、本当にダメな人だと感じることも多かったです。それでも、彼はただただ私を信頼して大切にしてくれていると、私は信じていました。
そんな彼の不倫を知ったのは数ヶ月前のこと。
私は衝撃を受けたと同時に、今までどんなに大変な事があっても彼となら笑って乗り越えてきたのに、離婚に向けての熱意がメラメラと湧き上がってきたことを覚えています。
どんなにお金がなくても、常識外れでも、酒癖が悪くても、私だけは大切にしてくれるのが彼の良さだったはずなのに…。それを失った彼に一体どんな魅力が残っているのか、全てを投げ出したくなりました。
でも、怒りをキープし続けるにはスタミナが要るんですよね。
話し合うたび、相手との関係を切り離そうとする度に、次第に疲れてしまい、高低差で心がキーンと痛むたびに、答えを急いでしまったり、気持ちが追いつかなくて涙したり、執着心が湧き上がったりして、気持ちが忙しく揺れ動いています。
不倫を乗り越えたり、離婚という決断に至ったことのある皆さんは、一体どうしているのでしょう。
私は彼の不倫を知った瞬間、今まで大好きだった彼が目の前で殺されたような気持ちになりました。でも、彼と同じ顔・声の人が目の前にいて、憎らしいような、愛おしいような、複雑な気持ちが混じり合いました。
私は彼を責め、傷つけるような言葉もたくさんぶつけて、追い詰めました。それでも彼は不倫相手を責めず、むしろ守ろうとしたんです。それが、私には許せませんでした。彼に大切にされ、守られるのは私のはず。
奪われたその「席」を実感してしまったんです。
それでも不思議なことに彼は「これからも一緒にいたい」と言うんです。
私の大好きな彼を裏切った憎らしい彼そっくりの人が。
今、本当の気持ちが分からない人と会話している気がして、目の前にいるのは、もう私の知っている彼ではないのかもしれません。
この先、私がどんな答えを出すのか。
心の中の整理を兼ねて、ここで書出しながら、自分の人生について考えていこうと思っています。
読んでくださってありがとうございます。