3歳三冠競走についてのお話
こんにちはきくらげです。今回は牡牝の三冠馬と二冠馬、その難易度や傾向についてお話しします。
⚠️菊花賞の結果次第で加筆や編集します
我が国の三冠体系の概要と歴史
現在の三冠の競走体系ですが…
牡馬
皐月賞、日本ダービー(東京優駿)、菊花賞
牝馬
桜花賞、オークス(優駿牝馬)、秋華賞
となっています
牡馬は開催地や名称変更こそあれど、1939年の創設以来距離は変わっていません。
一方牝馬は…
1970年まで三冠が確立されていませんでした。
1939年からはクリフジが制したいわゆる変則三冠がありました。
(桜花賞・ダービー・優駿牝馬の三つ)
1952年には、桜花賞・オークス・菊花賞のイギリスクラシック牝馬三冠に倣っての物に挑戦する馬も現れました(スウヰース号、菊花賞は2着)
その後1953年以降オークスも秋開催から今の春開催になり三冠に挑戦しやすくなります。(スウヰース号も時期が今と同じなら三冠もありえたかも…)
しかし、牝馬に菊花賞は厳しいので牝馬版菊花賞を創設しよう!と言う事で…
1970年に現在のエリザベス女王杯となるヴィクトリアカップが創設されます。
そうして1970年以降は、
桜花賞・オークス・エリ女(旧VC)となりました
また初期のエリ女(VC)は3歳牝馬限定で2400mでした。
その後の1996年に2200メートルに短縮され、古馬開放されました。
そして1996年に秋華賞が設立され現在の牝馬三冠となります。
ここまで三冠の歴史の概要をかいつまんで説明しました。続いては二冠・三冠達成の話です。
二冠と三冠について
牝馬三冠について
実は牝馬クラシックは初期の無理ゲーに近いレベルから若干優しくなっています(それでも偉業である)
その証拠に、二冠以上の馬は2000年以降のデータでも
2000年代は二冠四頭、三冠一頭で計五頭
2010年代は二冠二頭、三冠三頭で計五頭
となっています
そして
2020年代はすでに、二冠二頭、三冠二頭
このまま行くと今世紀最多の年代になりそうです。
優しくなった理由はなんなのでしょうか?
一つはローテの確立でしょう。
前哨戦や直行ローテもノウハウが増えました。
二つ目は距離です。
1600m、2400m、2000mとなっており
1600-2400まで走れる馬は多いでしょう
また、2400はオークスの一回となっており、短距離マイル傾向が強くてもオークスは早熟性で乗り切って、秋華賞は2000をロス無くこなすと言うセオリーが出来る馬であればチャンスは大いにあるのです。
三つ目は調教技術でしょう
先ほど言ったように、早熟性があれば多少スタミナが無くても乗り切れてしまいます。
その為早くからの早熟性をより引き出す育成法の確立は三冠をグッと身近にしました。
以上により三冠は偉業ではあるが、頑張ればいけそうな夢となったと言う事です。
牡馬クラシックについて
まず、牡馬(牡馬クラシックを勝った牝馬も含む)では二冠馬と三冠馬の数は…
データ不足の1930年代を除いた10年ごとデータだと
1940年代 二冠二頭、三冠一頭 計三頭
(この年代の三冠馬は、セントライト号一頭)
1950年代 二冠四頭、三冠なし 計四頭
(三冠馬はなし)
1960年代 二冠二頭、三冠一頭 計三頭
(この年代の三冠馬は、シンザン号一頭)
1970年代 二冠五頭、三冠なし 計五頭
(三冠馬はなし)
1980年代 二冠三頭、三冠二頭 計五頭
(この時代の三冠馬は、ミスターシービー号とシンボリルドルフ号の二頭)
1990年代 二冠三頭、三冠一頭 計四頭
(この時代の三冠馬は、ナリタブラリアン号一頭)
2000年代 二冠三頭、三冠一頭 計四頭
(この時代の三冠馬は、ディープインパクト号一頭)
2010年代 二冠二頭、三冠一頭 計三頭
(この時代の三冠馬は、オルフェーヴル号一頭)
2020年代(まだ終わってないので参考記録)
二冠なし 三冠一頭 計一頭
(この時代の三冠馬は、コントレイル号一頭)
これを見るに、二冠馬や三冠馬の数のピークは1980年代で、それ以降は三冠馬も各年代一頭づつで二冠馬の数も全体的に減少傾向にある。
これは馬産のレベルが底上げされ全体レベルが高くなり、二冠の難易度が格段に高くなった為だと思われます。
理由ですが、先述の牝馬三冠と比べての違いが菊花賞とダービーは明確にスタミナとパワーもスピードと早熟性に加えて問われると言うことです。
これは特に菊花賞に於いては顕著でダービーか菊を取りこぼした二冠馬は沢山います。
逆にダービーと菊花賞を取り切った二冠馬はタケホープ以来いません。
もしかしたら皐月賞未出走の逸材がダービーと菊花賞を取り切る可能性は今後もあります。
その為育成や調教が満足に行えるような今の環境だと3歳の時期から全てを手に入れたような逸材で無いと難しいのです。
しかし、育成や調教が難しく全体的に不安定な事態になればどうでしょうか…
それは馬の底力が問われる舞台へと三冠ロードは変貌していきます。
2020年は特に、北海道での地震やコロナの影響で育成や調教が難しい世代で、本当の馬としての底力が問われる舞台となりコントレイル号が才能で苦しみながらも掴んだ三冠だった。
そしてコントレイル以降、二冠以上が生まれていない。
つまりは今後は、このように特異な条件かつ才能の有り余る天才馬が二冠以上をとるようになるのでしょう。
またこれを裏付けるように、コントレイル以前の馬であるオルフェーヴルやゴールドシップももちろん怪物級の馬であったが、やはり東日本大地震と言う未曾有の災害を前に異例の事態の中で自分の力を出し切った二冠だった。
ドゥラメンテはそう言う意味では昔からの三冠馬に最も近かったのかもしれないが、やはり周りのレベルが拮抗している現代競馬においては故障する限界値まで馬が頑張らなければ二冠も厳しいのかもしれない。
また菊花賞回避の流れもこれらを加速させています。
しかし、いつの日かこれらを克服する三冠馬は出てくると思います。
競馬と言うスポーツはいつもそうやって怪物が歴史を変えてきたんです。
だから競馬は楽しいし面白い!
やっぱり三冠は難しい方が面白いよね!
まとめ
牝馬は世代トップなら三冠も夢では無い素敵な時代になりました。
確かに牡馬の三冠は難しくなったと思われます。
しかしその壁を跳ね除けるスターホースがいつの日か現れて僕らを圧倒してくれるのを楽しみに待とうと思います。
まずは典弘!5年ぶりの二冠へ頑張れ!
ご精読ありがとうございました!