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ナルシスト構文(858字)
あまり見ないでほしいエッセイで、自戒も込めたものです。
読者視聴者観劇者もろもろのうち一定数は、その作品に、少しでも共通点がある別の事柄を頭の引き出しから出して、それが的を得たことでなくても、結びつけて自論を展開することで、あたかも自分が鋭い洞察力と推察力、思考力がある高尚な人間だと思ってほしい傾向がある、そういう人が、わりかし多いと思いました。
「Aという映画のこのシーンでは、BというアーティストのCという歌の歌詞に共通する点があり、観念的でありながら、デストピアがうんぬんかんぬん」
あと、三文字熟語と、かっこよさげなカタカナ使う人もたまにいます。
考察。という言葉で片付けられて仕舞えばそれまでですが、私も劇作をやっているので感想をいただくこともありますー全ての感想に対して、バチクソ感謝してるのは前提ですーが、明らかに、「ここまで考えられる私すごいでしょ」、というナルシスト構文というのを時々感じる時がありまして、
それは、劇の感想よりも、やはりTwitterとかでよく見かけるかもしれないなとか思ったり、
でも、私も結構ナルシスト構文なのですが、そして、演劇って感想書くのが難しいからこそ、たくさん引き出しを開けて感想を書いてくれてるだけありがたいのですが、私の性格の悪さからか、
この人、ただ自分の知識を、感想に乗じてひけらかしたいだけなんだな
って思うこともしばしばあり、
いや、いいんですよ、全然いいんですよ。乗じなさってくれていいんですよ。
ただ、これはもう圧倒的に私の性格の悪さで、
そのため、このナルシスト構文は割と見逃せない事案で、
難しい言葉・難しいカタカナ・どこで拾ってきたのかわからない知識
ナルシスト構文の三種の神器と呼ばれるこの三つで一番厄介なのは、
「どこで拾ってきたのかわからない知識」、を、結びつけてくるやつ。
これはもう、私こういう教養ありますよという自慢と表裏一体のような気がして、でもそういうのを見るのは私はわりかし好きで、
もうこれ以上はやめておきましょう。
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