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クジが頭蓋から溢れる(628字)

 さてさてはてはて、毎日エッセイを書くことを続けておりますが、さすがに何も感じない日だってござりんす。当初の私は頭の中を言葉が駆け回っておりましたそれこそエアー抽選機。球体の中に風を送り込み、その中を紙のクジが飛ぶあれ、つまり

 頭蓋骨からはみ出て行くほどの言葉が飛び回っており、その言葉を念力の如く掴んで文字を紡いでいく。しかし今となっては、飛び回るクジの数が少ない。これだけ少なかったらもう1等出ちゃってるよね?4等のたわしだけだよねって感じ。

 基本的に私は落ち込んでいる時ほど言葉が生まれる。落ち込んでいる時ほど世界の見え方が深くなる。深くまで見えた世界がなにかしらのフィルターを通って自動的にクジもとい言葉が生成されていくイメージ。

 ということは今、私はピークほどは落ち込んでいない。それはどうしてかというと、素敵な本に出会えているから心が充実しているのかもしれない。

 じゃあ充実した心から果たして芸術や文学や、あるいはエッセイ日記の類は生まれるのかとなると、作ったとしても非常に陳腐なものが出来そうである。人としてリア充でありたい分、劇作家としては非リア充でありたい。ダウナーな状態こそ、どうしてか私、引いては作家のリア充のような、そんな変な気がしている、から、

 ああ何か僕だけに不幸がおこれ、程よくちょうどいい、慣れてない不幸。例えば同期が活躍するとか、なんか自分が引け目や負い目を感じるぐらいの不幸よ起れ、さすれば、クジが頭蓋骨の中を舞うやん。


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ざぶとんととんとろ
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