忘れられない大恋愛


23〜27歳まで4年ほど付き合った彼がいた。


興味本位でやってみたマチアプで初めてマッチングした人だった。


同い年で、フットワーク軽くて、すぐに会って喋ったら、実は地元も同じで。


彼がテレビ業界の仕事をしていたこともあって、業界のいろんな面白い話に引き込まれた。



当時付き合っていた彼氏とは休みが合わず、月1回も会えていなかった。



そのマチアプの人と何度かご飯に行ったり、お互いの家に泊まったりして過ごしていくうちに、その人といる方が楽しい自分に気づき、そうしている間に告白されて、乗り換えるような感じで付き合った。



彼はなんと言っても顔がとてつもなくかっこよかった。芸能人で言うと北村匠海に似ていた。ぱっちり二重に濃い顔つきで、背も少し低くて、ジャニーズにいそうな顔だった。



ダメなところがたくさんあった。


掃除洗濯できない。

タバコも吸うし、ギャンブル(スロット)もやってたし、仕事柄女の人と合コン的なのも良くしてた。

時間を守るのが苦手で、寝坊してデートすっぽかしたりもしょっちゅうだった。

結婚願望も全くなくて子ども嫌いだった。




でもそれをカバーするだけの良いところがたくさんあった。


まず愛嬌があるところ。なんか許してしまうお得意のアレ。付き合いの後半は彼氏というより年の離れた弟のような存在だった。



自分に自信があるところ。
私は自己肯定感が低いので、とても憧れたし尊敬していた。



ご飯や交際費を全部出してくれるところ。
男が出すのがかっこいいと思っているらしく、私はほぼ頼りきっていた。私の分を払っても余裕のある経済力にも惚れ惚れしていた。



話が面白いところ。
業界関係の話ももちろんだが、アニメ、ドラマ、バラエティ、エンタメ、ラジオ、音楽、グルメもろもろ、あらゆることに精通していて、彼に教えてもらったものがたくさんある。特に今聞く音楽(邦楽バンド)はほとんど彼由来のものばかり。



優しいところ。
あまり怒らない。というか怒っていても人に当たらない。そして芯が優しい。懐が深い。
私が仕事で社員になるかどうかで困っている時に助けてくれたことは今でも忘れないし感謝している。



隠れた男らしさがあるところ。
普段は割とおちゃらけているけれど、いざという時に頼れるのが好きだった。
私の父が亡くなったのを伝えた時、「大丈夫、俺が守ってあげるから」と言ってくれたこと、本当に文字の通りに惚れ直した。カッコよかった。



仕事熱心なところ。
仕事でミスした時に坊主にしてたのが今でも忘れられない。半分ネタだったけど。仕事のために昼夜逆転生活したり、徹夜したり、新聞読んだり、プライベートで新しくオープンしたお店を巡って調査したり、先輩からもらった文楽見に行ったり。(行ったものの、全く分からず途中で2人退席したが)それに付き合うのも楽しかった。



付き合い始めてからは半同棲のような感じで週3〜4日会ってた(泊まっていた)から、ほぼ家族のような生活をしていた。というか家族よりも距離感近かった気がする。


なんでも話せたし、彼氏のことを名前で呼ぶのがとても苦手な私が、なぜかその彼だけはちゃんと愛称で呼べていた。(今までの彼氏はすべて、名前や愛称で呼べず「なぁなぁ」とかで誤魔化してしまっていた)



良い思い出。忘れられない思い出。


私が病気を再発させて、入院したりして、心配というか気遣わせてしまって、そこから向こうは気持ちが離れてしまって、結果別れることになったけれど、私は今でも、彼のこと尊敬してるし、人として好きだし、いつでも会いたいと思っている。



その後に私は彼氏ができたり、好きな人ができたりしたけれど、それは彼とは少し違う気持ちで、なんというか、打算的な気持ちで、心から「好き」だけで付き合っていたわけではない。



今までの人生を振り返っても、やっぱり一番の大恋愛をしたのは彼だと思う。




またいつか会えたら良いな。

約束してじゃなくて、ふらっと、ばったり。

そんな再会が似合うような彼だから。





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