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IRニュース:2025年春開業の新店『HOMAM(旧マッケンジー住宅)』を紹介します

こんにちは。
株式会社ノバレーゼ IR担当の岩井です。

先日、2025年春予定で静岡市駿河区に『HOMAM(旧マッケンジー住宅)』を新規出店することを適時開示いたしました。ノバレーゼが得意とする歴史的建造物の再生案件、そして当社では3例目となる官民連携プロジェクトです。今回は、建物の歴史や特長、魅力などを詳細に解説いたします。


国登録有形文化財『旧マッケンジー住宅』

旧マッケンジー住宅外観

『旧マッケンジー住宅』(通称 旧マッケンジー邸)は、1940年に竣工しました。名建築家ヴォーリズの設計で、静岡茶の産業振興や静岡市の社会福祉向上に尽力した故マッケンジー夫妻の旧居宅として、広く知られています。

ヴォーリズは 1905 年に来日し、代表作の関西学院大(兵庫県)や近江兄弟社(滋賀県)、山の上ホテル(東京都、休館中)、大丸百貨店心斎橋店(大阪府)をはじめ、学校、教会、病院、住宅など約1,600棟の西洋建築を日本に残したことで知られます。

旧マッケンジー邸は、赤い西洋瓦葺きの屋根、スタッコ(建築資材の一種)で仕上げられた荒い白壁、アーチ型の窓などが特徴的なスパニッシュスタイルの建造物です。こうしたスパニッシュスタイルの建物は、明治時代にはまったく存在しなかったものの、大正時代の末から昭和時代初期にかけて流行します。

故ダンカン・J・マッケンジー(写真左) / 故エミリー・M・マッケンジー(写真右)

邸宅の持ち主は、故ダンカン・J・マッケンジー、故エミリー・M・マッケンジー夫妻です。夫は茶貿易商として、夫人は社会福祉家として静岡市にゆかりのある人物で、夫人は静岡市の名誉市民第1号でもあります。

また、『HOMAM』(ホマム)は、ペガサス座にある星の名称を指す言葉です。この言葉は『おもてなし』の意味を持つことから、マッケンジー夫妻がかつて、邸宅の愛称に使っていました。そんな『おもてなし』の精神で近隣住民に愛されたマッケンジー夫妻の心を、今後も継承していきたいという想いから、新店舗の名称の一部としました。

旧宅エリアは趣きを活かして一般開放へ

2階建ての旧マッケンジー邸は、外観をそのまま保存します。館内も食堂や書斎、居間など既存の設備を生かしながら、ソファやラグなどの家具を新たに設置する程度の改装にとどめ、趣のある雰囲気の維持・向上を図ります。

1階は各部屋をカフェラウンジとして一般開放し、コーヒーや紅茶などを提供します。2階は全体を、マッケンジー夫妻やヴォーリズ、建物について学べる場として利用します。夫妻に関して、買い付けていたお茶や、市民との交流を写した当時の写真、生い立ちや事業に関する歴史情報などを展示するほか、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などの最新技術を導入して、視覚や聴覚、触覚といった五感に訴える仮想体験型の学習コンテンツを用意します。

新築するレストラン棟・ミュージックホール棟

新設するレストラン棟およびミュージックホール棟(イメージ)

旧マッケンジー邸の芝生を挟んだ南側(海側)は、2階建てのレストラン棟とミュージックホール棟を新築します。新築する2つの棟は、どちらも海側を全面ガラス張りにし、 駿河湾の海沿いに立つ眺望の良さを生かします。 建物はスパニッシュ様式の旧マッケンジー邸との調和を試みます。

旧マッケンジー邸(写真左側)と新棟(写真右側)を結ぶアーチ形の回廊(イメージ)

レストラン棟の1階は旧マッケンジー邸の一室(居間)と地上の回廊で結びながら、レストラン棟の 2 階とミュージックホール棟の中 2 階を回廊で繋ぐことで、新旧の建物間を行き来できるようにします。 回廊は、優美な円形状(アーチ型)の意匠を施し、同邸の異国情緒あふれる雰囲気を守ります。新棟の周りは植栽で囲み、芝生とともに緑あふれる、心地良い空間にします。

レストラン棟の内観(イメージ)

レストラン棟は、1階にカフェラウンジと地元の特産品などを扱う物販売り場などを作り、誰でも利用できるようにします。2階は主に、飲食もできる イベントスペースで構成します。イベントスペースの最大収容人数は着席 128人、立食200人です。地元の食材を使った一般向けの食育イベントを開催するほか、企業の会議や宴会、パーティの貸し切りにも対応します。土日祝日は結婚式の披露宴会場としても活用します。

ミュージックホール棟の内観(イメージ)

ミュージックホール棟は収容人数96人(着席)で、学校や市民の方の音楽の発表会などに使っていただきます。ホール内には、旧マッケンジー邸に現存するグランドピアノを置きます。ホールは、土日祝日は挙式会場としての利用も想定しています。新郎新婦は、駿河湾の海と空を背景に、光が降り注ぐ会場の中で、記憶に残る美しい式を挙げられます。

ノバレーゼが得意とする歴史的建造物の再生

旧桜宮公会堂(大阪府)

当社はこれまでにも、玄関が国の重要文化財に指定されている旧桜宮公会堂(大阪府)と、建物そのものが国重要文化財に指定されている泉布観(せんぷかん)の2施設がある地区一帯を大阪市から借り受け、敷地を市民に一般開放しながら、同公会堂で結婚式場やレストランを運営しています。事業は 2013年4月から継続しています。その他、国登録有形文化財の「芦屋モノリス」(兵庫県)や神戸市有形文化財の「ジェームス邸」(兵庫県)など、多くの歴史的建造物を、外観や内観の歴史的価値を損なわずに結婚式場として再生、活用しています。

芦屋モノリス(兵庫県)
ジェームス邸(兵庫県)

取り組みは高い評価を得ており、維持、改修に優れた建築物を表彰する公益社団法人ロングライフビル推進協会の「BELCA(ベルカ)賞」を二度受賞しています。こうした豊富なノウハウを今回の旧マッケンジー邸の運営に生かします。


当社は、ブライダル・レストラン事業を通じて、歴史的資源や遊休地を活用した官民連携(自治体や地元の事業者・金融機関ら)による観光まちづくりを推進・強化しています。今後も、地域内の持続可能性を高める『ローカル SDGs(地域循環共生圏)』の構築に取り組み、観光需要の掘り起こしや雇用創出につなげ、地方創生に貢献します。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


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