オランダ出産記1 妊娠発覚から出産まで
オランダ/ロッテルダムに駐在中に第一子が生まれたので、同じような境遇の方の助けになればと思い、体験記を書きます。全てが初めての経験で、自分の境遇での男目線の体験記のため、あくまで一つの事例として共有します。一人一人に違った体験があると思いますし、改善できた点も多々あります。少しでも誰かのお役に立てたら幸いです。
今回は妊娠発覚から出産まで、次回は出産後と行政手続きを書きます。まずは網羅的に書いたので、詳細はそれぞれ別記事で書きます。
1 妊娠発覚〜8w
オランダの健康保険加入
オランダの駐在員はオランダの健康保険に加入する必要が無く、費用も個人負担であったため、私の家族はオランダの健康保険には加入していませんでした。しかしながら、オランダで出産する際に健康保険に加入していれば、費用負担をほぼ抑えられるため、妻のみ健康保険に加入しました。健康保険は以下のサイトで比較検討した結果、Zilveren Kruisを選択し、Additional insuranceはクラームゾルフの費用負担を抑えるため、またクラームパケットを入手するために⭐︎⭐︎にしました。
https://www.zorgwijzer.nl
日本人クラームゾルフへの連絡
クラームゾルフとは、オランダ特有の産後ケア制度で、病院出産後にすぐ帰宅させられるオランダにおいて、出産直後から最大10日間、最小24時間、最大80時間の在宅ケアを提供してくださるサービスです。私たちは出産当日を含めて8日間、健康保険適用内となる51時間以内を目安にお願いしました。オランダには日本人のクラームゾルフが数名いらっしゃり、大変幸運なことに日本人のクラームゾルフをこの段階で予約できました。最終的に出産全体を通して、こちらの日本人クラームゾルフの方の存在が一番の支えになりました。
クラームゾルフの説明(オランダ語)
https://www.zorginstituutnederland.nl/Verzekerde+zorg/kraamzorg-zvw#:~:text=Het%20aantal%20uren%20kraamzorg%20dat,de%20dag%20van%20de%20geboorte.
助産院への連絡
日本人クラームゾルフの方のご紹介で、助産院にコンタクトをとり、予約しました。私たちが通った助産院は毎回1時間のセッションを予約し、その中でカウンセリング、体重測定、触診、心音検査、血圧検査という対話重視のゆったりとした時間となっており、助産師の担当者が固定で毎回気になることを質問できるため安心できました。担当いただいた助産師も素晴らしい方でした。
2 つわりに苦しむ毎日 8〜18w
助産院通院
助産院へはこの時期は4週間に1回程度の間隔で通っており、10週に簡易エコー、20週に詳細エコーがありました。
この時期はつわりがひどく、助産院からご紹介されたつわりの薬SUPRIMALが、当時どこにも販売しておらず、妻は辛い思いをしてました。
詳細エコー
助産院外の検査施設に20週に詳細エコーがあり、その場で男の子か女の子かを聞くことができました。エコーの写真に、赤ちゃんの股を矢印で指して男か女かを記入され、オランダらしいストレートさに笑いました。
無料ベビーグッズ、クラームパケットの受け取り
オランダにはいくつか妊婦が無料で受け取れるギフトがあります。基本的にベビー用品店に個人情報を提供するとグッズをもらえます。保険会社とプランによっては無料でクラームパケットという産前産後に必要なアイテムが揃ったギフトボックスを入手できます。Zilveren Kruisから受け取ったクラームパケットは、量も質も素晴らしく、産前産後の準備はそのクラームパケットのみでほぼ十分でした。
3 安定期 18〜30w
ベビーフェア Negenmaandenbeurs参加
無料グッズ入手時に登録したメルマガで、ちょうどベビーフェアの無料チケットが手に入ったため、参加してきました。オランダでのベビー用品に関する情報収集として、単純に面白いイベントでした。参加者に妊婦が多く、ベビー用品市場の活況や多様さが壮観でした。
https://www.negenmaandenbeurs.nl
海外旅行
最後の夫婦での海外旅行の機会であったため、子連れでは旅行が困難なナポリと、フランスの小さな街であるリールに旅行に行きました。
ベビーグッズ購入
オランダ特有のベビーグッズとしては、石畳をスムーズに走行できるサスペンション付きのベビーカー、おむつ替え台、湯たんぽ、スリング型の抱っこ紐で、これらは日本で買うことが難しいです。また、ベビーベッドなど大きなものはオランダで購入しました。私はMarktplaats(オランダ版メルカリ)でベビーベッドと抱っこ紐を入手し、ベビーカーはBugabooの通販で購入しました。その他のグッズはPrenatalなどで購入しました。後々知ったのですが、大きなリサイクルショップではベビー用品が充実しており、そちらでまとめて購入するのも良かったと思います。
基本的にオランダの物価は日本より高いので、その他のベビーグッズほぼ日本で購入し、一時帰国時に船便で送りました。特に日本語の絵本はオランダでは入手が難しいので、日本でもっと購入しとけば良かったと後悔してます。
帰国休暇
助産院通院の合間を縫って、この時期に帰国休暇を取得しました。航空会社にもよりますが、妊娠36週以降の妊婦が搭乗する場合は、医師の診断書を求められるケースがあります。妊娠後期は移動するのも辛くなるため、もし一時帰国するなら、早めに帰国したほうが良さそうです。
4 妊娠後期、臨月、出産 30〜40w
助産院への通院間隔
この頃になると通院間隔が隔週、毎週と短くなっていきました。オランダでは37週から正常分娩扱いとなり、希望すれば自宅出産が可能となります。私たちは初めから病院での出産を希望しておりましたが、オランダでは自宅出産も人気で、水中出産など多数のオプションがあります。
陣痛開始から病院まで
私たちは助産師から陣痛が3分間隔で1時間以上となった時に夜中でも電話するように言われてました。自宅から病院に運ぶ許可が出るのは、子宮口が3cm以上開いてからであるため、陣痛が進むまで助産師を呼んだ後4時間ほど自宅で待機してました。自宅から病院までは事前に調整していた通り、助産師の車で向かいました。妻は歩ける状態でなかったため、車椅子で車からマタニティスイートという個室に運び、入院しました。マタニティスイートは広々しており、シャワーとトイレ付きの専用バスルーム、出産用ベッドと移動式ベビーベッド、おむつ交換台、スケール、ヒートランプ付きのおむつ交換マットなど、出産に必要な全てが揃ってました。
出産後すぐ退院
入院後、まずはバースプランの確認と身分証や健康保険のデータ登録がありました。バースプランの読み合わせ時に、妊婦本人の出産に関する希望を再確認されました。もともと私たちは硬膜外麻酔による無痛分娩を希望しており、バースプランにもそのように記入しました。しかしながら陣痛が進んでから硬膜外麻酔は準備に時間がかかるため、即効性のあるレミフェンタニルへの切り替えを提案され、受諾しました。このレミフェンタニルへの切り替えが良かったのか悪かったのかは分かりませんが、痛みに耐える妻の姿を見ても手元のレミフェンタニルの注入ボタンを押すしかできなかったのは精神的に辛かったです。個室の中にクラームスイートの説明冊子があり、出産後は普通は3時間で退院するように書いてあり、驚きました。子宮口が10cmまで開き、いよいよ出産となった時には強そうなナースが4名同時にひたすらPushと連呼しており、圧力を感じました。出産後、臍の緒は私がハサミで切りました。その後、お祝いのお食事が提供されましたが、やはり美味しくなかったです。
幸運にも退院は急かされず、出産後5時間ほど入院できました。妻を車椅子に乗せ、赤ちゃんはマキシコシに入れ、タクシーで帰宅しました。
お読みくださり、ありがとうございました。私もまだ知らないことだらけなので、コメントにてアドバイスを頂けますと嬉しいです。
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