マドラーくん
彼の名前はマドラーくん。
はじめは自分の役割が何か、全くわからなかった。
でも。
使ってもらう人ができました。
その人に使ってもらう時は、ステアと呼ばれる使われ方で、くるくるくるくる。
時には何度も、またある時は優しく数回だけ、ステアされることで、彼もいろんなお客さんの笑顔に会うことができた。
自分が魔法を使ってるように。彼も気持ちよかった。
しかしある時。
いつも使ってくれる人はいなくなった。
代わりに使ってくれる人もきたけど、何だかやはり居心地が違う。
彼は思った。
「もっと自分をうまく使える人がいるはずだ。」
ある時、代わりに使ってくれる人がちょっとまどろっしくて、自分が気持ちいいように、自分からくるりとステアしてみた。
すると、前と同じような笑顔に出会うことができた。
彼は思った。
「もしかしたら自分が人を使えばいいんじゃないか?」
マドラーくんは、その世界から飛び出した。
自分が周りをステアすればいいんだ、という信念のもと。
いろんな場所を訪ねては。
「そうじゃないよ。こうするんだよ。」
自らステアした。
使う人たちもお客さんも、「いいね・面白いね」だった。
マドラーくんにも新たな居場所ができた。
これがいいんだ、と確信した。
そうして変わらず自らステアするまま、、、周りが変わった。
今まで通りのやり方では誰も笑顔にならなくなった。
ステアしない、というやり方も主流になった。
なぜなら、誰もが同じ味を出せる、ロジカルな方法が出てきたから。
また、既に混ざりきった状態で、綺麗に整える方法も充実した。
もちろん、今までのステアする手法が残っていても、オーセンティックと呼ばれた。
そのうち彼の呼び名が変わった。
「かき混ぜ棒くん」と。
同じ仕事を、同じクオリティで変わらぬまましていても、自分の役割を新しく作り・変えなければ、呼び名すらも変わってしまうことをかき混ぜ棒くんは悟った。
かき混ぜ棒くんの出番は減った。
しかし、周りが変わっても必要とされる場面は確実に存在する。
このままかき混ぜ棒を追求するのか、もっと違うナニモノかになるのかは、きっと自分次第。
その答えは多分誰にもわからない。
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今日はまた違うテイストで、気づきを文章化してみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。