学校のマドンナ達に好かれている僕
日の光が部屋に差し掛かり
朝を迎える
眠気を覚ますために
洗面所へと向かう
顔を洗いリビングへ行くと
姉がキッチンに立っていた
○:姉ちゃんおはよ
梅:おはよ〇〇
彼の名は梅澤〇〇
乃木坂高校の1年
そして今挨拶をしたのは姉の梅澤美波
同じ乃木坂高校の3年
両親は海外で仕事をしているため
姉と2人暮らしだ
梅:まだ時間かかるから
少し手伝ってくれない?
○:分かった
10分ほどで朝食を作る
○梅:いただきます
梅:手伝ってくれてありがとね
○:全然大丈夫だよ
梅:どう?美味しい?
○:うん、美味しいよ
梅:良かった
そのあと2人は朝食を済ませ
学校へ行く支度をする
梅:今日は生徒会の仕事あるから
早めに出るね
○:分かった
梅:鍵忘れずにかけてよ
○:はーい
といって美波は先に家を出る
その後に〇〇も家を後にする
少し冷たいそよ風がとても心地良い
20分程で学校に辿り着く
おはよー
昨日の動画見た?
やべ、課題忘れた
と何気ない会話で賑わっている
その中を掻き分けて校舎へと向かう
教室へ入り、自分の席に着く
〇〇は大人数が苦手であるため
いつも1人で過ごすことが多い
カバンからイヤフォンを取り
音楽を聴く
すると教室が一層賑わった
この学年のマドンナが入ってきたからだ
?:皆おはよー
彼女の名は井上和
〇〇と同じクラスで学校のマドンナであり
男女共に人気である
彼女が人気な理由
それは完璧な容姿で誰もが
魅了される程だからだ
和:〇〇君おはよ
○:あ、おはよ
彼女が挨拶をしてきたので返すと
和:ねえねえ、何聴いてるの?
と聞いてくる
○:え、どうして?
和:私も曲聴くの好きだからさ!
○:そうなんだ
和:それで何聴いてるの?
○:えっと、髭男だけど
和:〇〇君髭男好きなの?
○:まあ、ファンとまではいかないけど
曲が好きでよく聴いてる
和:私も好きなの!
○:そうなんだ
和:ねえ、今度カラオケ行こうよ!
○:え?何で急に?
和:同じアーティストが好きなら
カラオケでいっぱい歌おうよ!
○:え、でも僕あんまり歌ったことないんだけど
和:大丈夫だよ、私もだから
○:でも
和:じゃあ決まりね!
○:いや
和:そうだ、連絡先交換しないとね!
○:ちょっと待って!
和:何?
○:なんで僕なの?他の人もいるのに
和:私が誰と話そうが
誰と遊ぼうが私の勝手でしょ?
○:そうだけど、僕1人ぼっちだし
何か特別なことがあるわけでもないし
和:あぁ、その顔可愛い
○:へ?
和:謙遜してる時の困り顔も
そのきょとんとした顔も可愛い…
○:な、何言ってるの?
和:は!私ったらつい…
○:井上さん、大丈夫?
和:大丈夫だよ!
ていうか井上さん呼びやめて欲しいな
○:な、なんで?
和:私たち同い年じゃん!
だからさ、名前で呼ぼうよ!
○:いやいや、流石にそれは
和:ダメなの?
○:だってそんなに話した事ないし
和:いいじゃん!
名前で呼んでよ!
○:流石に無理だって!
和:仕方ないな
じゃあLINE交換しよ!
○:なんでそうなるかな
和:嫌なの?🥺
○:いや、そうじゃないんだけど
和:じゃあいいじゃん!
○:でも
和:LINE交換してくれないと
今ここで泣くよ?
○:え!
和:今ここで私が泣いたら
〇〇君が完全に悪者になっちゃうねぇ
○:それはやめて
和:嫌ならLINE交換して?
○:でも
和:ダメなの?😢
和は今にも泣きそうになる
今ここで泣いたら〇〇は
完全に和を泣かせたと思われてしまう
○:わ、分かったよ!
LINE交換するから泣かないで!
和:本当に!ありがとう!
○:あ!泣いてないじゃん!
和:しまった、バレたか
○:言っちゃってるじゃん
和:でももう交換してるくれるって
言ったから今更しないとかないよね?
と言って詰めてくる
○:わ、分かってるよ
和:よし!じゃあ交換しよ!
と言って2人は連絡先を交換した
和:じゃあ詳しくはまた後でね!
そう言って和は他の人の所へと行ってしまった
なぜか彼女はよく〇〇に話しかけてくる
話しかけるのは嬉しくないわけではないが
そこまで仲が良いというわけではない
何故自分に、と思いつつも
イヤフォンをしてもう一度〇〇は自分の世界に入る
時間は過ぎて昼
〇〇は1人が好きな為よく屋上でお昼を食べる
○:いただきます
と言って食べ始める
○:相変わらず姉ちゃんの料理は美味しいなぁ
そう言いながら食べ続けていると
?:ねえ、隣いい?
と声をかけられる
○:え、あ、どうぞ
?:ありがと☺️
せっかく1人でいられると思った〇〇は
早く食べて別のとこに行こうと急ぐ
すると
?:君っていつも1人で食べてるの?
○:え、まあ、はい
?:あ、名前言ってなかったね笑
遥:私、賀喜遥香、2年生だよ
○:あ、どうも
遥:君の名前は?
○:僕は梅澤〇〇です、1年です
遥:じゃあ〇〇君だね!よろしくね!
○:よろしくお願いします、賀喜先輩
遥:遥香でいいよ
○:いやいや、流石に先輩ですから。
それに…
遥:それに?
○:いや、なんでもないです
〇〇が言いかけたのは彼女も
この学校のマドンナの1人であるから
名前呼び出来ないということだ
遥:えぇ、教えてくれてもいいじゃん
○:いや、黙秘させていただきます
遥:ケチだなぁ
○:なんとでも言ってください
遥:せっかく話しかけたのに冷たいなぁ
○:別に僕は頼んでないです
遥:素直じゃないなぁ
そんなんじゃモテないぞ!
○:モテなくていいです
そんな会話をしていると
遥:ねえ、お弁当のおかず交換しない?
○:え?
遥:〇〇君のお弁当にエビフライ入ってるじゃん
私エビフライ好きだから欲しくて笑
○:いくら先輩の頼みでも無理です
遥:なんでよ!
○:関わりのない人にお弁当の
おかずをあげる義理はないので
遥:ぶぅ
○:可愛い…
遥:え?今なんて言った!?
○:あ、なんも言ってないです
遥:嘘だ!今可愛いって言った!
○:言ってないです
聞き間違えじゃないですか
遥:言ったもん!
○:言ってません!
遥:本当に堅いなぁ
やっぱ梅澤さんの弟だからか
○:え、姉ちゃんのこと知ってるんですか?
遥:もちろん、だって私生徒会だもん
○:へぇ、意外だなぁ
遥:それってどういう意味?
○:深い意味はないです
遥:今馬鹿にした!?
○:いえ、そんなつもりないです
遥:馬鹿にしたじゃん
梅澤さんに言ってやる
○:な、それは卑怯です!
遥:じゃあ私にエビフライちょうだい!
○:なんでそうなるんですか!
遥:いいから早く!
○:はぁ
この不毛なやりとりはいつまで
経っても続くと思った〇〇は折れたようで
○:わかりましたよ、どうぞ
と言って彼女にエビフライの入った弁当を渡す
すると
遥:あー
○:は?
遥:食べさせて
○:嫌です
遥:あーんしてくれないとここで泣くよ
○:どうぞご勝手に
遥:良いんだ、〇〇君
○:何がですか?
遥:ここで私が泣けば〇〇君は
女の子を泣かせたって事になるんだよ?
○:それは先輩が勝手に泣いただけです
遥:〇〇君、私がこの学校の
マドンナだって事知ってるよね?
○:それは知ってますけど
遥:ここで私が泣いたら
〇〇君はどうなるかな?
○:くっ、、、
遥:どうする?ニヤ
○:分かりましたよ
食べさせれば良いんですね
遥:やったー!
○:はい、あーん
遥:あーん、おいしい!
○:フフ
遥:何笑ってるの!
○:いや、可愛くてつい、、あ
遥:あ!また可愛いって言った!
○:言ってないです!///
遥:嘘だ、顔赤いもん!
○:知りません、もう僕は行きます!///
遥:あ、ちょっと!
〇〇は教室へと向かうためにその場を離れた
時は過ぎて放課後
生徒が帰宅をしたり、部活へ向かったりしている
○:さ、帰るか
先:梅澤、ちょっと頼みたいこと
あるんだけど良いか?
○:はい、いいですけど
先:ここにある資料を準備室に
置いてきてくれないか?
先生はこの後ちょっと会議が
あってすぐ行かなきゃいけないから
○:いいですよ、僕は帰るだけで
やることないのでやっておきます
先:ありがとう、じゃあ頼むな
○:はい
先:気をつけて帰れよ〜
○:分かりました
と言って先生に頼まれた資料を運ぶ事になった
○:確か準備室って別校舎だったかな?
あんまりあっちの校舎に行かないから分からないなぁ
と言いながら別校舎へと足を運ぶ
?:、、、
その様子を物陰からこっそり
見ている姿に〇〇は気づかないまま
○:てか、この学校結構広いなぁ
準備室の場所分からないや
と呟くと
?:ねえ君
後ろから声がし、振り向く
○:何ですか?
?:準備室の場所分からないの?
○:えっと、何故それを?
?:たまたま通りかかったら聞こえたから
○:あ、聞かれてましたか
?:まあね笑、ここ意外と声通るから
○:お恥ずかしいです
?:フフ、それより準備室の
場所なら私知ってるから連れてってあげるよ
○:いいんですか?
?:もちろん!
○:ありがとうございます
えっとお名前は
?:あ、言ってなかったね
美:私の名前は可愛い可愛い山下美月ちゃん
3年生だよ!
○:は、はぁ
美:何その反応!
○:いや、自分で自分のこと
可愛いっていうから
美:じゃあ私は可愛くないの?
と言って〇〇のことを見つめる美月
○:いや、それは、その
美:どうなの?グイ
○:ちょ、近いです///
美:照れてる、可愛い💕
○:は、早く準備室の場所
教えてください!///
美:分かってるよ笑
そういえば君の名前は?
○:僕は梅澤〇〇、1年です
美:〇〇君か、いい名前だね!
○:ど、どうも
美:梅澤って、もしかして梅の弟くん?
○:え、梅?
美:あ、梅澤美波のことね笑
いつもの癖で呼んでたね笑
○:そうなんですね
そうです、梅澤美波の弟です
美:どうりでイケメンな訳だ
そんなやりとりをしながら
準備室へと向かう
美:ここが準備室だよ
○:結構分かりづらい所にあるんですね
美:ちなみに何だけど
ここで何しようとしてたの?
○:実は先生にこの資料を準備室に
置いてきて欲しいって頼まれたんです
それでここに来たかったんです
美:そうだったんだね
○:案内してくださりありがとうございます
美:良いんだよ〜
可愛い後輩の為なんだから!
○:ありがとうございます
後は1人でやれるのでもう帰って大丈夫です
美:いや、私も手伝う!
○:でも、山下先輩は
美:美月!
○:へ?
美:呼び方!
山下先輩じゃなくて美月って呼んで!
○:いや、そんなこと言われましても
美:なんでよ!
○:だって僕年下ですし
先輩に呼び捨てなんて出来ないです
美:いいから呼んで!
○:嫌です!
美:むぅ
○:そんな可愛い顔しても無駄です
と言うと
美:え!?
いま可愛いって言った!?
○:あ、
美:ねえ、言ったよね!
私のこと可愛いって言ったよね!
私は可愛いよね!
と美月は〇〇に言って詰めてくる
○:ちょ、近いです!
離れてください!
美:〇〇君が答えれば良いだけ!
○:なんでそうなるんですか
美:早く!
と鼻の先が当たる数センチほど
顔を寄せてきた
流石に〇〇も折れて言った
○:か、可愛いです…///
と言うと
美:きゃー!嬉しいー!ギュ
美月は〇〇に抱きつく
○:な、何してるんですか!///
美:〇〇君が私のこと可愛いって
言ってくれたお礼にハグしてあげる!
○:そんなのいいですから!///
美:顔赤いぞ〜笑笑
○:う、うるさいです!///
美:照れてる〜笑
○:やめてください!///
美:もお、さっきから抵抗して
大人しくしなさい!
そういうと美月は〇〇を
自分の胸に抱き寄せた
○:何するんですか!///
美:〇〇君が抵抗するからでしょ
○:は、離して///
美:可愛いから無理〜!
と言いながら〇〇をさらに強く
抱きしめ、頭を撫でる
○:こんなところ誰かに
見られたらどうするんですか!///
美:見せつけるからいいもーん
○:誰か助けてぇ!
〇〇が叫ぶ
美:そんな大きい声出しても
ここには誰も来ないよ笑
美月が〇〇に言ってさらに
抱き締めていると
?12:ちょっと待ったー!
と言う叫びと共に準備室の扉が開く
美:誰!?
と美月が扉の方を見る
?12:私の〇〇君に手出すな!
準備室に入ってきた2人が同時に言う
そしてその2人のことを
〇〇は見ると
○:い、井上さんに賀喜先輩!
美:あなたたち誰?
せっかく〇〇君と2人っきりで
ラブラブだったのに!
和:私の〇〇君に何するんですか!
遥:〇〇君とラブラブなのは私です!
美:〇〇君は私の彼氏なの!
○:いや…あの…
僕は皆さんのものでも
ラブラブでも彼氏でもな…
和遥美:〇〇君は黙ってて!
○:す、すみません
いきなり出てきた2人は
美月と〇〇の取り合いをし始める
和:私は〇〇君のLINE持ってて
今度デートするんです!
遥:何!?LINE!?
美:デートだなんて私まだ誘われてない!
○:いや、デートって言ってないです
和:これで〇〇君は私のもの…
遥:ちょっと待った!
和:なんですか
遥:私は〇〇君とお昼一緒に
お弁当食べたもん!
美:それなら誰でもできるじゃん笑
和:その程度じゃまだまだですね笑
遥:フフ、そうでもないんだよねぇ
美:どうゆうこと?
遥:なんと〇〇君にあーんって
してもらったもんね!
和:そ、そんな…
美:私の〇〇君とイチャイチャして!
○:あの、僕は…
和遥美:〇〇君うるさい!
○:うぅ
遥:これで〇〇君は私のものです!
美:甘いな2人とも
和:何がですか
美:私はさっき〇〇君のこと
抱き締めて頭なでなでしたもんね
和:嘘!
遥:私そこまで行けてない
美:可愛かったなぁ
顔真っ赤にして目蕩ける〇〇の姿
和:くっ、なんで手強い
遥:これが3年の実力
○:部活じゃないんですから
美:しかも〇〇君は
私のお胸に顔埋めてたもんねぇ
美月はそう言って〇〇を見る
それに驚いた2人は
和:それは本当なの、〇〇君!
遥:ちゃんと説明して!
○:ちょ、ちょっと待ってください!
山下先輩、誤解生むようなこと
言わないでください!
美:本当の事じゃん!
○:あれは先輩が無理矢理
抱き締めてきたからじゃないですか!
和:そうなの!?
遥:私たちの事騙してたって事?
美:チッバレちゃったか
○:(舌打ちしたよね…)
○:皆さん、もう僕帰りますので
それじゃ失礼します!
そう言ってダッシュで帰ろうとすると
遥:何言ってるの、〇〇君?
和:誰が〇〇君の1番か決めないと
美:おうちに帰れないよ?
○:え、でも僕
美:もう逃げられないよ?
和:この校舎は人来ないし
遥:この部屋の鍵はしっかり閉めたからね
○:え、てことは…
遥:〇〇君が誰か選ぶまで
和:私達3人で
美:〇〇君を
和遥美:可愛がってあげるからね!
○:こ、こんなの嫌だぁー!
そのあと〇〇はマドンナ3人から
ものすごいアピールを受けたとか
おまけ
3人に襲われて遅くなり
〇〇が家に帰ると
○:た、ただいま
梅:〇〇?
○:あ…ね、姉ちゃん
梅:随分と帰りが遅かったようねぇ
○:いや、ちょっとやることが…
梅:〇〇の担任から頼まれてた
ことをして遅くなったとでも?
○:え…
梅:言ってなかったっけ
〇〇の担任、生徒会も見てるから
私と繋がってるのよ?
○:嘘…
梅:あの先生と仲良いから
〇〇の話題も出てくるのよね
○:…
梅:仕事頼んじゃったけどすぐ
終わるだろうからって言ってたよ?
○:いや…その…
梅:それなのにこんな遅くなるなんて
時刻は20時を過ぎていた
梅:遅くなった挙句に嘘をつくとはねぇ
○:姉ちゃん、これには深いわけが!
梅:問答無用、後でたっぷりお仕置きするから
○:そんな…
梅:22時に私の部屋に来てね?
○:(寝たふりしてバックれるか)
梅:寝たふりしてバックれる
なんてことはしないよね?
○:え…
梅:もしそんなことしたら
どうなるか分かってるよね?
○:は、はい…
梅:じゃ後で私の部屋ね
その後〇〇は美波にたっぷりお仕置きされましたとさ
fin.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?