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【アナログゲームマガジン大賞2021】2021年に体験したものの中から個人賞【マーダーミステリー部門】

皆さんお元気ですか、田口です。
はじめましての方は「はじめまして」。
ちなみに僕はこういう者です。
よろしくお願いいたします。

はじめに

この記事は『アナログゲームマガジン』が隔月で設定している特集テーマに沿った内容となります。

https://note.com/unjyoukairou/m/mc557df0988d0

今回のテーマは「アナログゲームマガジン大賞」「特別賞(個人賞)」の発表ということで、編集部の各ライターが、それぞれ「2021年のベスト」を考えて、自分の名前を冠した特別賞を勝手にお贈りするいう企画です。

『アナログゲームマガジン』は月額500円(初月無料)のWEBマガジンとなっていますが、この記事は最後まで無料でお読みいただけます
※設定を間違えていて読めない!ということであれば是非ご連絡ください!

マーダーミステリー部門
作品名:セカイハオワリデテキテイル
作者:psyka(SWAN DIVE)

既に色々なところで、2021年に僕自身が体験し、かつ2021年に公開されたマーダーミステリーの中でベスト、というお話をさせてもらっているのが、駒込ガレージというお店を経営し、SWAN DIVEというレーベルにてマーダーミステリーを制作しているpsykaさんが制作した『セカイハオワリデテキテイル』という作品です。

制作:SWAN DIVE
作者:psyka
人数:8人
プレイ時間:最長180分
公演時間:最長210分
参加費:5,000円(税込)

あらすじ:
長野県の山間部にある小さな村、信濃村。山間を抜け深い渓谷の向こう側に作られた「エクスペリエンスシナノ」は、2021年オープンを予定している会員制高級リゾートペンションだ。ゲストのための6つのコテージと、オーナーシェフ湯島秀が大いに腕を振るうダイニングがある本館。

集まったのは、このオープンに先駆けて募集された4組8名のゲスト。湯島シェフによって用意された、豪華な食事を楽しんだ一行は、食後のティータイムを楽しんでいただけのはずだった。

この作品、「セカイハオワリデテキテイル」というタイトル名で検索していただくと、ほぼ「蕎麦がおいしかった」という感想しか出てきません。この感想にある意味嘘はなく、かつネタバレなしに作品の魅力や面白かった点を伝えることが難しいというマーダーミステリーの難しさの中で、ある種プロモーションとして「蕎麦がおいしかった」という感想を書くような流れを意図的に作ったことは、一つのやり方として成功しています。「蕎麦がおいしかった」という感想をどう受け取るのも自由ですが、僕個人としては仮に美味しいお蕎麦が振舞われるとしても、空腹で参加するのはおすすめしない、ということです。

さて、この作品の魅力を語るのは、他のマーダーミステリー同様に難易度が高いのですが、僕なりに考えるならば、

①マーダーミステリーにおいて、システムなどの都合でこれはこういうものとして前提のようにされてきたことに対して、作者独自のアイデアが試されているところ

②今後のマーダーミステリー及び体験型エンタメに新たなインスピレーションや可能性を与えてくれるところ

そしてこれはオマケですが、

③プレイヤーではなく、観客として見ても楽しい作品であるところ

といった感じでしょうか。正直、具体的にどんなところが魅力か分からないですよね笑。この作品に限らず、psykaさんの制作した作品においては、積極的に行動したキャラクター(ある意味プレイヤーでもある)の方がより楽しめる、逆の言い方をすると積極的に動かず、傍観者的に「作品が楽しませてくれるだろう」と思っていると、そこまで楽しめない可能性が高いものが多いです。もちろん楽しみ方は自由ですが、もし実際に体験される場合には後悔の無いよう、いつも以上に考えて、いつも以上に慎重かつ大胆に判断・行動することをお勧めします。また自由度が高い、という感想もよく見かけられますが、あるプレイヤーにとっては自由度が高いことが長所に感じられるかもしれませんが、あるプレイヤーにとっては自由度が高いことを短所に感じるかもしれません。プレイヤーにとって合う作品、合わないは作品はどうしてもあると思います。そして体験してみないと好みのものかどうか分からない、そして途中でやめることも難しいのが、マーダーミステリーの特徴でもあり、欠点でもあります。ただ、体験後にプレイヤーごとの体験感や満足度にどうしても差が出てしまいかねないことも覚悟したうえで、マーダーミステリーをベースにしながら、新しいシステムや体験へのチャレンジをしていることを(偉そうな言い方になりますが)評価したいと思います。

また、「観客として見ても楽しい」と書きましたが、僕が知る範囲において、マーダーミステリーの中でこの作品以上に「見ても楽しい」ものはないと思います。なぜそうなのかは、体験していただくことでもちろん分るでしょう。駒込ガレージで開催されるオープン公演では、この作品にかかわらず見学OKとなっています。参加費も1500円と安価です。既に10回以上も見学をしている方もいるとのことですが、その方がおっしゃるには映画よりも安く、映画以上に楽しめるとのことですが、ほぼ同意見です。
psykaさんが制作した他の作品も、個人的には特に『Flight64』などは、ある種イマーシブシアター的に感じる部分もあって見学がオススメなのですが、なんといっても『セカイハオワリデテキテイル』は、体験後にぜひ見るべきです。

そしてもう一つ補足ですが、この作品を体験する前に、同じくpsykaさんが制作したマーダーミステリー『正直村の隣人』を体験しておくことをお勧めします。物語が関連しているとかではないのですが、仮に逆の順番の体験になってしまうともったい可能性があり、かつ成り立ち的にも兄弟的な関係性を持つ作品同士だと感じているので、そのように考えています。

関東近郊にお住まいの方は、駒込ガレージにて、『正直村の隣人』→『セカイハオワリデデキテイル』→『Flight64』の順で是非体験してみてください毎月20日の正午から、翌々月の貸し切り予約を受け付けているほか、不定期ではありますが、オープン公演の募集もしています。『正直村の隣人』に関しては公認ゲームマスターしもさんという方もいるので、より遊べる機会が多いと思います。
また、関東以外のエリアにも積極的に出張公演を行っているので、情報を集めてみてください。

終わりに

各部門ご紹介したかったのですが、マーダーミステリー部門だけでだいぶ長くなってしまいました。そしてマーダーミステリーでも他にもご紹介したい面白い作品がまだまだたくさんあります
『アナログゲームマガジン』では僕以外のライターが選んだ2021年のベストが紹介されていますので、是非こちらもお楽しみいただけると幸いです。

それではまた!

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