November,Wednesday.という生き方。-10周年ワンマンライブ-
2024年11月27日。
活動開始から丸10年、節目のワンマンライブ。
このワンマンライブの企画を打つ時、本当に色々悩んだ。
バンド名通り、11月の水曜日に決行する事は想定していたけど、場所はどこにするか?内容はどうするか?を決め兼ねていた。
記念すべき10周年だから、過去最大の広い会場でやる事も考えたし、今までアイデアはずっとあったけど実現しなかったエンターテイメントな内容にするのも考えた。
そんな中、デザインクリエイターのはるやみさんとのコラボを思いついた。
出会ってまだ間も無い事もあったけど、コラボイベントの話を持ちかけるまでにもプライベートでみんなで飲みに行ったりとかして、信頼関係を築くまでに時間はそう掛からなかったように思う。
ノーヴェンバーの世界×はるやみの世界。
音楽+映像+デザイン。
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迷いもなかったし、他に案を考えるまでもなくオファーした。
はるやみさんも快諾してくれたし、何より「面白そう!」って言ってくれたので、これは絶対に良いイベントになるって確信した。
この世界はタイミングとバランスで出来ている。
出逢えた事のタイミング、縁が繋がってからの関係性のバランス。
たぶんね、お互いが各々での利益とかを考えたりしてたらたぶん全部ダメになってたと思うし、そもそも実現しなかったと思う。
はるやみさんとコラボをする事によって、場所もわりとスムーズに決まった。
実はもう数年前からワンマンライブをする事になるtone8.0は繋がっていて、どこかのタイミングで企画を打ちたいとは思っていたけど、なかなか身動きが取りにくい状況があったりとかで話を前に進める事が出来なかった。
今回tone8.0を選んだ決定打は、1階のBARスペースをはるやみさんの展示、地下のライブスペースでノーヴェンバーのワンマンという形態がマッチしたから。
もうひとつ重要なのが、一番ミニマムだけど一番濃度の高いワンマンライブにすること。
さて、あとは内容。
どんなワンマンライブにするか?
そもそも数年前にtone8.0に伺ったキッカケが、プロジェクターで映える場所だったから。
ステージ後ろ以外は真っ白な壁。
これは試行錯誤すれば過去最大の映像演出が出来ると思った。
この時に伺った時は設置しているプロジェクターの数も全然少なかったけど、プロジェクターを3台も所持しているバンド、ノーヴェンバーにとってはそこはすぐにクリアできると思った笑
で、8月ぐらいに一回目の打ち合わせへ。
なんとその時には以前なかった、ステージ後ろにスクリーンが設置されていた!
プロジェクターも以前より増えて両サイドの壁にそれぞれ1台ずつ、後方壁に1台、一番後ろから全体に投影できる1台、計4台になっていた!
これは思いもよらない嬉しい誤算だった。
色々と話をしていく中で、オーナーの角倉さんは「自分も演者だし、映像を使う事は絶対にプラスになるし、使った方がいい」という考えの持ち主だったので、そこから意気投合して着々と話が進んでいった。
その時の話の流れで、ステージ後ろに映像を投影するなら、演者等が映像に干渉しないプロジェクターを使えるといいって言う話を持ちかけた所、その話の2日後には購入していたらしい笑
この事により、ライブに必要な環境は全て揃った。
※ちなみに1階から降りる階段の全面にもプロジェクターがあって、そこははるやみさんのデザインを投影した。
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で、どうせならプロジェクター全部駆使しよう!という事になったんだけど、配線の問題とかで自分達が演出したい状態を作るのに、そこは少し難航した…というか、それなりのリスクを含んだ。
最終的には5台のプロジェクターフル稼働、3つの異なる映像を音楽に同期して出した。
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ここまでのシステムを組むとリスクは避けられないけど、最小限に抑えてあとは祈るだけでした笑
はるやみさんとコラボが決定してから、グッズの制作も色々考えた。
手売りチケットも特殊なプレミアムチケット、来場者特典に各メンバーと集合2パターンの缶バッチ、個人的に思いついた記念ステッカー。
完全に採算度外視笑
10周年のワンマンライブに来てくれる人に何か喜んでもらえる事ばかり考えてたから、マーチャンダイズをそっちのけにしてしまった(缶バッチは来場者特典でひとつ配って、残りの4パターンだけ物販扱いにした)
次に考えていたのが、現体制になってからの音源。
新曲「アルジャーノン」のリリース。
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ノーヴェンバーの作詞、作曲は全てワタシが手がけているんですが、今まで産み落とした曲は全て大切な曲ばかりなんやけど、その中でもターニングポイントになってる、特に大事にしている曲がある。
ノーヴェンバー結成して初めて書いた曲、「Forget me Not」、第二期になってその先を案じるような曲、「クラウディ」、初のMVになった曲「November」、初期の頃にデモとしては存在していたけど、ずっと日の目を見る事がなくて、でもどうしても形にしたくてアレンジを再構築した曲「Last letter」。
全ての曲もちろん甲乙なんて付けられないけど、特に思い入れがあるのがこの4曲かな?
で、今回の「アルジャーノン」はノーヴェンバーの楽曲の核になるような曲になった。
世界はやがて僕を連れていく
それでもまだ君へと届きますか?
〜歌詞一部抜粋〜
ずっと誰にも言えずに悩んでいた時期に書いた曲。
10年続けてなければ書けなかった曲。
10年経った今だから書けた曲。
何10年後にも残って欲しい、残したいと思って書いた曲。
まだまだライブでは表現し切れていないかもしれないけど、確実に聴いてくれる人の真ん中を刺しにいけるように唄ってます。
そんな曲をパッケージして、音源としても聴いて欲しいと思いリリースに踏み切った。
CDという媒体でも良かったんやけど、とりあえずサブスクでのリリースにした。
まずは全世界の人に届くように、聴いてもらえる人が1人でも増えるように。
あくまで[とりあえず]なので、あとは深読みして下さい笑
本当はもっと色んな事をしたかったけど、時間が足りない事もあったし、時間が足りない事によって、それぞれのクオリティを落としてしまったらそれこそ意味がないと思ったので、やれる事の最大限にしてミニマムな形でまとめた。
ワンマン当日までまぁまぁ不安はあった。
それは「どれぐらいの人が来てくれるだろうか?」とか、「映像も上手く使えるのだろうか?」とかよりも、「どれぐらいの人がノーヴェンバーの10周年ワンマンを楽しみにしてくれているんだろうか?」だった。
この10年で不甲斐ない思いも山ほどしてきたし、期待にちゃんと応えてこれていたんだろか?ともずっと思ってきた。
ま、考えてても何も変わらないのはわかっていたから、自己ベストだけを考えて準備してたんだけどね。
当日までのゲネリハでも特に問題なくやれた。
映像も問題なし。
当日いかに良い環境でやれるか?はそれまでの準備をいかにこなしてきたか?に比例する。
準備万端。
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そしていよいよ当日。
内容に関してはあまり多くを語っても意味がないと思うのでサラリと。
はるやみさんはこの日の為に全部の作品を描き下ろしてくれた。
勝手に思ってたんだけど、もっとはるやみさんの世界を全面に出した、色んなデザインを展示してくれるんだろうなー楽しみ!っていうスタンツだったんだけど、蓋を開けて見たら全てノーヴェンバーの作品。
しかもその作品、ワンマン終了後に全てメンバーにプレゼントしてくれました!
いやー、なんなのその演出!憎いね!笑
はるやみさんは本当にノーヴェンバーの事を思ってこのコラボを引き受けてくれたんだなーって。
もうこの時点でコラボイベントは大成功が確定したも同然だった。
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ライブ本番は2部構成にした。
見に来てくれ人がずっと映像の中でライブを見てると目が疲れるだろうっていうのと、間の休憩時間でも展示をゆっくり見てもらえると思ったから。
今思えば、せっかく2部構成にしたんだから、1部と2部で構成変えて凝った演出とかしたら良かったなぁ…。
今回初めて3人の衣装を真っ白にした。
割と理由はそんなに深くなくて、映像を浴びてるから、白の方が映像映えするからでした。
どう映ってたのか気になるぞ…
この日初めてノーヴェンバーのライブを見てくれた人もなかなか多くて、最近のライブしか知らない人から見てもなかなか没入感を味わってもらえたんじゃないかな?と思う。
ノーヴェンバーの真骨頂は「シネマティックミュージック」なんです。
ただ、あの規模の演出は普段のイベントライブとかでは時間的な都合や、場所にもよるけどなかなか出来ないのが現状。
それは今後の課題でもあるし、フル演出じゃなくても楽しんでもらえる手段を模索中です。
ノーヴェンバー女子2人は雨女で…ってう話は以前のブログでも書きましたが、やはり本領発揮してきましたね!
オープン前ぐらいからしっかりめの雨が笑
ライブ終了後には雨も止んでたけど、ホンマにやめて欲しいよね笑
ただ、この天気もまさかの演出になってたんですよ。
本編は時間が動き出す「秒針」っていうインストの曲から始まって、1曲目の「レインマン」でスタート。
アンコール最後のオマケの2回目の「アルジャーノン」前に本編最後が「クラウディ」という、雨は嫌やったけど、天までが演出してくれたライブになった。
…ちょっとこじ付けやけど笑
予定が合わなくて楽しみにしてくれてたけど、来れなかった人も応援やお祝いのメッセージをくれてたり、逆にサプライズで来てくれた人もいたり、縁が繋がって来てくれた人達もいたり、なんかそういう人達の気持ちが素直に嬉しかったし、こうやって実現できたのは気持ちを送ってくれた人達や、来てくれた人、応援してくれたり期待してくれてる人がいたからこそだと思ってます。
アンコール前のMCでも、気持ちを上手く伝える事なんてやっぱり全然出来なくて、ただありがとうって言うしか出来なかった。
ライブ後、声をかけてくれたみなさんにも「楽しかった!」って言ってもらえたのが一番のご褒美でした!
そして何よりも10年間を納められたこと。
ブログでも長々とこの10年の事を書いたりしたけど、集大成とはまた違うまさに「納める」っていう言葉がピッタリだと思う。
過去を振り返るでもなく、先を見据えるでもなく、11月27日現在のノーヴェンバーをパッケージできたワンマンライブでした。
これを書いてるのは翌日の28日だけど、とりあえず10周年の余韻はここまでにしたいと思います。
ただ、現在を示す「アルジャーノン」の配信を楽しみに待ってもらいつつ、まずは先行でlyric Video(ショートバージョン)を公開したので、そちらを楽しんで欲しいです!(ようやく宣伝)
大それた事なんて全然言えないけど、日々の生活の中で少しでもみなさんの養分になれたらいいなーなんて思います。
本当にありがとうございました!!