草野球で肩を壊してから復活するまで

とある草野球チームでピッチャーをやっていたのですが、シンカーを投げすぎて肩を壊し、全く投げられなくなりました。

そこから数年で、1試合完投できるまでになったお話です。

10年ほど前のことです。

私は球が遅いので、カーブ以外にもう一球種変化球を覚えたいと思い、練習してシンカーが投げられるようになりました。

しかし、腕を逆にひねらないとシンカーが投げられず、それでも自分の持ち球として成り立ったのでそれを多投した結果、数ヶ月後に肩が痛くて腕が上がらなくなりました。

シャドウピッチングはできるのに、実際に軟式球を持って投げようとすると、肩が痛くて力が入らず、全く投げられません。

諦めきれないので、半年後くらいの忘れた頃にシャドウピッチングをしてみると、肩の痛みは全くありません。

しかし、軟式球を投げようとすると、やはり痛くて腕が上がりません。

次第に草野球から遠ざかるようになりました。

遠ざかって1年がたち2年がたち、その間何度か軟式球を投げようとしましたが、やはり腕は痛くて上がりませんでした。

もう野球はできないんだな、と諦めました。

野球を全くやらなくなって5年。

ある日、知り合って間もない人と野球の話をしてたら、草野球やってるのでうちのチームに遊びに来ませんかと誘っていただきました。

私は、肩を壊してもう数年投げてないから、バッティングだけなら何とかできますと言って参加させてもらいました。

試合当日、押し入れにしまっていたグローブを出して、投げられるかどうか不安を抱きながらグラウンドに行きました。

グラウンドに到着。

ユニフォームに着替えてアップを済ませてキャッチボール。

極力肩に力を入れず、腕を体から離さないように肘が縮こまったようないわゆる女の子投げで投げたら、思いのほか投げられました。

あれ?大丈夫そうだ。

そう思った私は、今度はフォームを大きくして、でも女の子投げで投げました。

あれ?大丈夫そうだ。

今度は、今のフォームで、リリースの瞬間だけ力を入れてみよう。

塁間くらいの距離を普通に送球できました。

あれ?大丈夫そうだ。何とかなるかもしれない。

いざ試合になりました。

バッティングに関しては割愛させていただきますが、全く打てませんでした。

守備は気をつかっていただき、草野球ではあまり大変じゃないライトに着かせてもらいました。

何球か打球は来ましたが、問題なく捕球送球できたので、これからとりあえず草野球はできそうだなと、安堵の気持ちでした。

しかし、このあと私の草野球人生の転機が訪れました。

最終回5点リードで、守りきればこちらの勝ちという状況だったのですが、2点リードまで追いつめられてきました。

なおも1アウト満塁。

その状況で、

「うちの選手でピッチャーできる人もういないからピッチャーやって」と言われ、急きょ登板することになりました。

同点まではOKだからと言われましたが、ワンヒットで同点じゃんと思いながらも、今の投げ方で打ち取るには、コントロール重視で投げるしかないと思いました。

全然自信はありませんでしたが、また肩を壊したくなかったので、女の子投げで恐る恐る外角低めに投げました。

今まで、球は遅いくせにコントロール重視で投げたことがなかったのですが、意外としっかり投げられました。

その後も外角低めをしっかり投げられて、三振、セカンドゴロで勝てました。

またちゃんと野球ができるんだなと一人感動していました。

それから、そのチームでピッチャーをやるようになりました。

肩を壊したあの日からもう9年くらいがたちました。

草野球を再開してからは4年くらいです。

今では1試合完投できるほどに肩は問題なく機能してくれています。

割愛させていただきましたバッティングの方も満足いく成績になりました。

でも打率は割愛させていただきます。

肩を壊して絶望を味わったことで、改めて野球の楽しさを味わうことができ、もうあんな思いはしたくないという気持ちから、体のケアも欠かさなくなりました。

肩を壊したときは、試合後のケアを全くしていなかったので、この経験がいい勉強になったと思います。

草野球で肩を壊したくらいで、大げさな話んですが、私にとっては一度死んで生き返って、さらにステータスがかなり上がっていた、くらいの気持ちなんです。

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