人間の完成形 エロス・愛について

岡山でのセッションで、久し振りにこの話しもさせて頂いた。

【人間の完成形 エロス・愛について『饗宴』byプラトン】
人間というものの本来の姿は今と同じではなく、かつては別の姿をしていた。太古の昔には、アンドロギュノスと呼ばれるものが一つの種族をなし、その種族は姿形の点でも男女の両性を等しく備えつつ存在していた。
太古の時代に生きていた完全体としての人間たちは欠けることなく充足し神々に匹敵するほどの力を備えていたので、驕り高ぶった人間たちは(=アンドロギュノス)自分たちの世界を支配する神々に対して謀反を企てるまでになった。

そして、このことを重く見た主神ゼウスをはじめとするギリシア神話の神々はアンドロギュノスが持つ力を弱め、彼らをより不完全な存在に貶めるために、その身体を縦に真っ二つに引裂き、半分ずつに切断してしまった

二つに引き裂かれた人間(=アンドロギュノス)のそれぞれは半分になり、細長くなった胴体に二本の足と二本の手を持ち、細長い首と頭に一つの顔を持つことになり、こうして現在の人間の姿が出来上がったとされる。

このように二つの存在へと引き裂かれた人間は(アンドロギュノス)、もはや自らの内だけで充足することはできなくなり、自分の失われた半身を求めて、かつての自らの片割れに再び出会おうと互いの半身を探し求め続けていくことになった。

そして、こうした互いに“自分の失われた半身である相手を探し求め”
太古の昔に存在したアンドロギュノスの「本来の完全なる姿へと回帰」しようとする原初的な欲求のあり方が男女が互いの存在を自らの片割れであるかのように強く求めて愛し合い互いに合一してより完全な充足された生へと至ろうとする。

これがプラトンの"饗宴に記された【エロスと呼ばれる愛のあり方】の一つであり、神話的起源である。

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