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ミステリーきっぷで往復4000円新島旅行
12月18日・19日に往復4000円で伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島のいずれかにランダムに飛ばされる東海汽船さんの「ミステリーきっぷ」を利用して新島へ行ってきました。5分の1の確率で神津島滞在30分コースが確定するギャンブル要素はあったもののそんな不安を遥かに上回る値段設定には抗えず、流れで友人2人と行くことが決定。日帰り以外では計画から決行までの速さが過去最速の旅行となりました。
乗船まで
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12月18日(月)
友人と東京駅で合流し、浜松町駅まで移動。駅から5分ほど歩くと小綺麗な竹芝客船ターミナルに到着です。出航1時間前の時点で既に待合室の7割以上の座席は埋まっている様子。シーズンオフの平日でも乗船率はまずまずといった感じでしょうか。(私たち含めミステリーきっぷ客もそこそこいるようでしたが……)ここで往復の乗船券を受け取り、同時に行き先もここで判明します。
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この日は神津島行きは全島就航、八丈島行きは御蔵島のみ条件付きで他は全島就航と12月としてはかなり天候に恵まれていました。ミステリーきっぷは欠航はもちろんのこと、条件付きの島も候補から外されるため実際の行き先は5分の1とならない場合がほとんど。そのため、前日ギリギリまで複数の天気予報を何度もチェックしていました。
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竹芝から伊豆・小笠原諸島に行く定期貨客船は3種類。1つは今回のミステリーきっぷで乗ることになる東海汽船のさるびあ丸。もう1つは同じく東海汽船で、八丈島航路に就航している橘丸。さらに、週に1度東京から小笠原諸島・父島に行く小笠原海運のおがさわら丸もここ竹芝埠頭から出航します。おがさわら丸はいつか乗りたいなあ……
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早速受付に乗船券を受け取りに。予約番号を伝えるとすぐに発券されます。
係員さん「行き先は新島になります」
私&友人「うおおおおお!!!ありがとうございます」
係員さん「よかったですね」
滞在時間がそこそこある上温泉もある新島か式根島に行きたいと事前に友人と話していたのでこれには大喜び。乗船前に近くのカウンターで券の右半分の乗船票に名前と住所を書くよう指示されます。この時、行きだけではなく帰りの乗船券の乗船票も必ず書いておきましょう。私はこれを忘れたために新島港の岸壁で出航5分前に慌てて書く羽目になりました……
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乗船券も受け取ったところでいよいよ乗船。出航のおおよそ20分前から乗船案内が始まります。一度ターミナルの外に出て、長い連絡通路を通って乗船口に向かいます。「東海汽船」や「新島村」と書かれたコンテナがいくつも積まれ、その間をフォークリフトやトラックが何台も動き回っている様を見るとこの航路が旅客輸送以上に離島の生活物資輸送の要であることを実感します。
乗船から新島到着まで
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入り口で乗船票を渡し船に乗り込みます。まずは自分のスペースに荷物を置きに。今回のミステリーきっぷで割り当てられる部屋は2等和室。ランクは一番下ですが、それでも本来大島まで片道5370円であることを踏まえるとミステリーきっぷの値段設定の破格さがよくわかります。床はカーペット敷きとはいえそのまま寝るにはかなり硬め。借りられる毛布か防寒着などを下に敷くとちょうど良い具合になります。枕は個人差がありそう。調整が効かないので合わないとかなり寝づらいと思います。
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各島の到着時間と入港地の案内は船内案内所で確認できます。この写真を撮った時点では神津島の入港地が未定となっていますが、翌朝確認した時には多幸湾入港が確定していました。また、さるびあ丸は基本的に船内のどこにでもWiFiが通っていますが、速度はかなり遅く私のスマートフォンではウェブサイトやLINEの閲覧もままならない感じでした。今回は使用しませんでしたが、先月から船内での衛星通信サービスが期間限定で行われているようです。
【本日12/18より橘丸でも開始!】
— 東海汽船【公式】御船印第二九番社 (@tokaikisen) December 18, 2023
東京都さんの協力のもと、大型客船 #橘丸 船内にて衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink」を活用したトライアル利用を期間限定で開始いたします。 詳細についてはHPをご確認下さい。https://t.co/4672Zy44vN pic.twitter.com/8AwIy1Mz5h
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22時、大型客船3000便は定刻通りに東京・竹芝埠頭を出港。船室にいると放送がかかるまで動き出していたことに気が付かなかったほど揺れも音もない出港でした。さすがは最新鋭客船といったところ。しばらくは東京の夜景を右手に眺めながら東京湾を南へ進んでいきます。夜景を一目見ようと展望デッキに続々人が集まってきます。こう見ると東京って明るいですね。
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伊豆諸島航路の目玉の一つ、夜のレインボーブリッジの下を潜ります。ライトアップされたレインボーブリッジに近づいていき、そのまま通過。レインボーブリッジの下側ってこういう構造なんだなあ……と思いながらぼんやりと眺めます。マストの高さが橋桁高ギリギリなこともあって通過の瞬間は思ったよりも低く感じました。
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大体品川の沖合から。この辺りからオフィスビルやタワーマンションに代わって工場や港の灯りが目立ってきます。もう少し夜景を眺めていても良かったのですが、ずっと海風に吹かれていたことで体が冷えてきたためこの辺で退散。シャワーを浴びてから部屋に戻り、友人とトランプをしたり同じ部屋の方々(大島で下船されるとのこと)と雑談をしているうちに消灯時刻の23時半に。「目が覚めたら伊豆諸島」というワクワク感を抱えながら就寝。一度か二度目が覚めた気もしますが概ねよく眠れました。
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12月18日(火)
おはようございます。「まもなく大島・岡田港に入港いたします」のアナウンスに起こされました。寝る前の時点では10分ほど遅延していましたが夜の間に回復したようです。デッキに上がると外はまだ真っ暗。6時前とはいえここまで暗いのか。三原山はおろか港とその周囲以外一切何も見えない中着岸。この日着岸した岡田港はいわばサブ的な立ち位置の港で、普段は島の中心に近い元町港に着岸します。とはいえ冬場は風向きの都合で大抵岡田港になるとのこと。
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ロープで陸地側と繋げられると着岸完了。この暗さの中多くの人が降りていきます。もし大島を当てた場合この暗闇の中、しかも島の中心部から何キロも離れた港に放り出されるわけで。始発のバスまではまだ1時間以上、タクシーも営業時間外となるとどこで暇を潰せばいいのやら。(岡田入港日は船に合わせた岡田から元町への臨時バスが走るようですがシーズン外でも走るのかは不明)
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岡田出港後20分ほどで日の出。雲に覆われて日の出を拝むことは叶いませんでしたが、明るくなるとだいぶ印象も変わります。大島が広いからなのか、島の真ん中に700m超えの山があるようには見えませんでした。次の入港地の利島までは約1時間。それまで船室で少し寝ていようと思い戻って横になっていると腹の底からなんとも言えない不快感が。前日から少し腹の具合は悪かったもののここにきて悪化するとは。「大抵の体調不良は寝れば治る」を信じて酔い止めだけ飲んで寝たのがダメだったのでしょうか。新島到着まで後2時間。まずい。
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どうしても利島を一目拝みたかったので重い体を無理やり起こして再び展望デッキに。利島といえば遠くからでもわかるこの円錐形の島容。面積わずか4平方キロメートルの島に文字通り海抜500m級の山がそびえ立っているわけですからこの標高差も納得です。島全体が一つの山となっている島容は利尻島にも似ていますがこちらの方が一段急峻に見えます。
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平地が全くと言っていいほど存在しないため、集落は全て北側の斜面にへばりつくように形成されています。この地形では田畑の耕作は不可能なため、江戸時代には年貢は免除の上幕府から米の援助を受けていたようです。また、湾もなければ砂浜もない地形は容易に船を寄せ付けず、現在に至るまで就航率の低さの原因になっています。人口300人ちょっとの小さな島ですがざっと数えただけでも50人近く下船していきました。旅行客らしい人が大半だったのはやはりミステリーきっぷなのでしょうか。
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次はいよいよ目的地新島。その前に食堂で軽く腹ごしらえ……といきたいところでしたがいかんせんこの体調では食欲もなく仕方がないのでコーヒーだけを注文。同行の友人が美味しそうなものを食べている横で何も食べられない自分の体の弱さを恨みつつ(もっともこの時が一番体調が悪かったためそんなことを考える余裕はなかったものの)、ちびちびコーヒーを啜っていました。
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食事後、シャワーを浴びてから再び横になっているとあっという間に新島到着のアナウンス。この時は立つだけで吐き気が込み上げるほどの体調でしたがこのまま乗っていては神津島まで連れて行かれてしまう。なんとか荷物をまとめて下船の列に並びます。
新島観光(3時間)
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8時35分 定刻通りに新島・前浜港に到着。新島上陸です。上陸するとすぐに「ようこそ新島」の絵がお出迎え。ここでも10人以上は降りていきましたがそれでも大島や利島と比べると少し減ったという印象。帰りの船の出港時刻までは3時間20分。港から集落までは距離があるので少し急ぎめに歩きます。
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せっかくなので後ろからさるびあ丸を。大型客船を海面とあまり変わらない高さから見れるのも離島ならではの光景です。さるびあ丸はこの後式根島を経て神津島に向かい、3時間後にはまた新島に戻ってきます。
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海を眺めながら集落まで歩きます。左手奥に見えるのは利島。利島ほどではありませんが新島も山がちで、中心部も狭い道や急坂が多く普通の自転車で回るのはなかなかキツかったです。10時間半ぶりの動かない地面を歩いているうちに吐き気もマシになってきました。
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とりあえず島内移動の足を確保するため港から一番近かったこちらの「Jレンタサイクル」さんでレンタサイクルを借ります。2時間半ほど借りて1000円。普通の自転車でしたが漕ぎやすく快適でした。利尻島に続いて今年二度目の離島サイクリング。
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今回の島旅が平日に重なったこともあって神津島以外が出た時は郵便局巡りを目標に入れていました。新島の郵便局は中心部にある新島郵便局と島北部の若郷集落にある若郷郵便局の2つ。事前に中心部から若郷までの道のりが7〜8kmであることを把握していたため、まずは若郷を目指すことに。中心集落を出て快調に交通量の少ない道を北へ向けて飛ばしていると道端に不穏な表示が。
「平成新島トンネルは歩行者・自転車の通行は禁止」
……確か若郷までの道の途中に長いトンネルがあったような。まさかとは思うがそいつが平成新島トンネルなのでは。
予想は的中。全行程のおよそ4割地点にあたる平成新島トンネルの入り口で足止めを喰らうことに。とはいえ新島まで来て未訪問局が残るのはあまりにも後味が悪い。背に腹は変えられぬとタクシーを呼び、平成新島トンネルを抜けることに。想定外の出費が痛い……
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タクシーでも3、4分かかる長いトンネルを抜けると若郷地区に入ります。元々はトンネル入り口手前から島の東側を通って若郷に向かっていた都道が存在したものの平成13年(2000年)の地震の影響で道が崩落、その後作られたトンネルがこの平成新島トンネルです。タクシーの運転手さん曰く歩行者自転車が禁止なのは、許可しようとすると換気口などの設置要件が厳しくなるからとのこと。立地的に歩行者が通ることはまずなさそうなのでわざわざそうする効果も薄いのでしょう。
調べてみるとこの平成新島トンネルは日本の離島トンネルの中では最長である上に、活火山である宮塚山の深部ど真ん中を貫いているそう。そんなトンネルが震災後わずか3年で開通していることに土木技術の偉大さを思い知らされます。
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若郷集落の入り口にある若郷トンネル。こちらも平成新島トンネルと同じく地震後に作られたトンネルだそうです。平成新島トンネルよりも短く、歩行者自転車も通行可能となっています。若郷の中心部はこのトンネルの先にあります。
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若郷トンネルを抜けると若郷地区の中心部に到着。集落に入るとまず若郷の北半分を取り囲む荒々しい岩肌が視界に飛び込んできます。広報にいじま2023年12月号によると、この若郷地区の人口は令和5年11月1日現在で254人。(港や役場がある本村地区の人口は1723人)徒歩や自転車でのアクセスは不可能な上、唯一の公共交通機関である新島村営のコミュニティバスは旅行者が使うには不便なダイヤ設定のためレンタカー以外でのアクセスが極めて不便な集落です。
(平成新島トンネルや旧道に関してはこちらのレポートが大変詳細で参考になりました。本村と若郷を繋ぐ道路工事の当時の苦労がよくわかります。)
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ファミリーマートダイエイ。某コンビニエンスストアチェーンと名前が同じですが関係はありません(多分)。実は離島でこのような「ファミリーマート」を見るのは3回目なんですが全国の離島を探せばもっと見つかるんですかね。品揃えはコンビニというよりもむしろスーパーマーケットといった趣。喉が渇いていたためポカリスエットを購入。170円。
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こちらもコンビニエンスストア。文字の部品が何箇所も欠けていて前衛的なポスターのようになっています。今は営業はしていないようです。
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若郷に来た1番の目的である若郷郵便局。白地の局舎に赤い郵便局マークと金文字の局名がよく映えます。この立地と人口なら簡易局でもおかしくなさそうですがしっかり直営局です。いつも通り局名印と風景印をもらって帰ろうとしたところ局名入りカレンダーを頂いてしまいました。部屋の来年のカレンダーにしようと思います、ありがとうございました。
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再びタクシーで平成新島トンネルの入り口まで戻ってきました。この後は港の方へ戻りますがその前に海を見に行きます。トンネルの近くの脇道に入ってしばらく道なりに進むと……
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青空!
青い海!!
白い砂浜!!!
12月の東京都とは思えない景色が目の前に。この写真だけを見て東京都だと思う人がいるでしょうか。東京都心と緯度がわずか1度異なるだけでここまで海の雰囲気が変わるものとは。しばしの間誰もいない砂浜を堪能します。シーズンオフの平日最高。流石に海には入りませんでしたが。
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新島に着いた時には雲に覆われていた空もこの頃には青空が垣間見えるように。沖に行くにつれて淡いエメラルドグリーンから、青、群青、紺、黒と移り変わるグラデーションは黒潮ど真ん中の温暖な海ならではの光景。ここ最近はもっぱら北海道、東北、北陸と北の方ばかり旅していたこともあって穏やかで暖かい海自体が久しぶりに思えました。
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スピードの出し過ぎには気をつけつつ、誰もいない海沿いの一本道を自転車で飛ばします。向かい風さえ心地よく感じるほどの爽快さ。これだけで新島に来てよかったと思いました。この羽伏浦海岸(はぶしうらかいがん)はサーフィンの名所としても知られているそうです。訪問時は穏やかでしたが天気によってはやはり相当荒れるのでしょうか。
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などと考えていたらいきなり目の前で道が物理的に消滅していました。高波にさらわれたのか、がっつり路盤ごと持っていかれています。本来なら空港の近くまで走れたのかもしれませんがこうなっていては通行不能なので大人しく来た道を引き返します。
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帰りの船の時間もあるので本村方面に戻ります。道の途中で見かけたのは新島空港。調布飛行場との間に19人乗りの小型機が1日4往復飛んでいます。船なら半日かかるところが飛行機だとわずか40分。
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中心部に戻ってきました。というわけで本日2ヶ所目の郵便局、新島郵便局です。局内に航路の時刻表が掲示してあるのは離島の郵便局ならでは。新島から全国に発送される荷物は基本的にさるびあ丸に積み込まれて運ばれるため郵便の集荷は出航1時間半前の10時半で締め切りだそうです。また週に何度か貨物船も来るみたいですね。
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自転車を返却し港の方に向かいます。港のすぐ目の前に浮かんでいる島は地内島というそうです。それにしても海の色が濃い。
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一度港を通り過ぎてしばらく進むと見えてくるのは湯の浜露天温泉。あの古代ギリシャ遺跡のような場所が露天風呂となっています。24時間営業(そもそも無人)で入浴料はなんと無料。水着着用が必須な点だけは注意が必要です。
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船の時間も迫っていたので慌ただしく入浴。少し小高い場所に温泉が位置しているため遮るものなく雄大な太平洋を一望できます。左手には式根島、右手奥には利島。入浴しているとちょうど式根島を出たさるびあ丸が新島港に向かって航行しているところが見えました。これから乗る船を見ながら入浴というのも不思議な感覚。
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港に戻ってきました。まださるびあ丸は入港していない様子。この時は出港が11時45分だと思って焦っていましたが、実際は入港が45分で出港は11時55分でした。逆でなかっただけ良しとしましょう。少し時間に余裕ができたため出港まで待合室内の土産屋を物色していました。
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新島港の時刻表。もし11時55分の東京行きに乗り遅れてもその後に12時25分発の下田行きがあるので安心です。下田に降ろされてからが大変ですが……
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乗船します。行きと同じさるびあ丸ですが席は違っていました。せっかくなので出港をデッキから見送ろうとも思いましたが2等和室のカーペットに座り込んだ瞬間どっと疲れが押し寄せてきて立ち上がる気力が失われたため結局船室で出港を迎えました。
帰宅
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港の土産屋で買った「あめりか芋アイス」。明日葉アイスと迷ってこちらにしましたがせっかくなら両方買ってもよかったかも。ちなみにあめりか芋は白っぽい見た目が特徴のサツマイモの一品種らしいです。
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いざ実食。写真でわかる通り中に芋の粒がゴロゴロ入っています。さっぱりとした芋の素朴な甘みが疲れた体に染み渡ります。さほど量は多くないため若干の物足りなさを感じつつもあっという間に完食。
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時間は一気に飛んで大島・岡田港。行きは暗くて見えなかった港の周りや山の様子がよくわかります。ここからはもう新島も利島も見えません。岡田港を出れば次の入港地はもう竹芝。旅の終わりを実感します。ここからまだ5時間近くかかりますが。
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この頃にはかなり体調が回復していたので本日二度目の食堂へ。貸切状態だったので海を望める特等席に陣取ります。
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食堂の方に
「ほら、ジェットフォイルが追い抜いていくよ」
と言われ、窓の外を見るとちょうど大島を出港したジェットフォイルが併走しているところでした。ジェットフォイル、乗ったことはあっても走っているところを外から見たのは初めてです。ジェットフォイルは大島を出ると2時間ほどで竹芝に到着しますが、さるびあ丸は竹芝までのんびり4時間半の船旅。
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少しは回復したとはいえまだ本調子ではなかったのでマンゴージュースとホットケーキで軽めに済ませます。マンゴージュースはこんなジョッキに並々と注がれてきます。見た目的にも色的にも完全にアルコールですがちゃんとソフトドリンクです。良くも悪くも普通のマンゴージュースですが、体に優しい味がして落ち着きました。
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ホットケーキ。丸一日ぶりのまともな食事です。メープルとバターをたっぷり塗りつけて食べます。うまい。ゆっくり食べていたら食堂の営業時間
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食事後毛布も借りずに再び爆睡。レインボーブリッジ通過のアナウンスで目を覚ますと旅の余韻に浸る間も無く下船の準備をします。22時間ぶりに見る東京の夜景が妙に眩しく感じます。
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あっけなく下船。往復16時間ありがとう。2時間後には再び旅客と貨物を積み込んで伊豆諸島へ旅立っていきます。この後帰宅途中に巻き込まれた大混雑に東京に帰ってきたことを実感しました。新島も東京都内ですが……