ポルノ依存からの脱却 part1

現代の人々を蝕むコンテンツの1つにエロティックコンテンツ、俗に言うポルノがあるという話を前々回の記事で扱った。

ポルノが人を蝕むわけ

まず、それが人を蝕む機構について簡単に紹介する。

人間の脳には、行動や趣向、性質などの原因となる系の1つである報酬系という機能がある。これは、報酬となる物質、ドーパミンの放出量によって、その原因となった行動に対して繰り返そうとするように脳を再配線していく役割がある。

人間に生まれつき備わったドーパミン放出のトリガーとなるものに、
・食べ物やカロリーの摂取
・子孫繁栄
などがある。前者につけこんだのがジャンクフードであり、後者に付け込んだのがポルノというわけだ。

さて、ポルノによって報酬系がどうなってしまうのだろうか。

ポルノを用いる前の報酬系は、基本的に快感を感じるドーパミンの『閾値』が低い正常な状態になっている。

ポルノを視聴すると、ドーパミンが一気に大量に分泌される状態に陥るのだが、この時、そのピークがあまりに高いので、報酬系がそれに適応しようと閾値を上げてしまう。

でポルノを視聴し、マスターベーションなどをした後、ドーパミンの分泌が止まるわけだが、残念ながら閾値は上がったときのままなのだ。

つまり、ポルノを視聴し続けるにつれて、閾値はどんどん上昇していき、やがてそれまで楽しいと感じていたことに、何も感じなくなってしまうのだ。

この閾値に上限があればまだいいのだが、おそらく脳にその機能はない。
閾値が上がれば、それに応じたドーパミンピークを求めてどんどん過激なポルノを視聴するようになり、そのたびに閾値が上がって…という繰り返し。

落ちるところまで落ちていくのだ。

ポルノ脱却が難しい理由

そういった事実を聞くと、誰しもがポルノを今すぐやめよう、となる。

しかし、実際にポルノから完全に脱却できる人は少なく、自分もその一人だ。
なぜだろうか。

それは、脳の報酬系が、あまりに強力すぎて、ちょっとやそっとの意志・環境変化ではどうにもならないからである。

私はポルノコンテンツを中学生の頃から見始めたので、もう10年近く、脳の報酬系がポルノに晒されてしまったことになる。

10年という時間は、物事を風化させるのは十分すぎる。おそらく私の脳は、見始める前の面影もないだろう。

その状態から、いきなり見始める前の脳に戻そうとしているのだから、まぁ脳は簡単に言うことを聞くはずがないのだ。
報酬系は本能に関わる部分として発達してきたので、ドーパミンをいきなり減らすと、強烈な焦りや不安に襲われることになる。

また、これには習慣の力も関わっている。10年もたてば習慣の中でも強い部類になって人生にしみついている。


ポルノ脱却に必要な要素

ではポルノにはまってしまった人が、一生ポルノ脱却できないのかと言われると、そういう話ではないと思う。

ポルノという強力なコンテンツにも、『弱点』はあると思う。
そこをまずは突こうというのが、有効な方針となる。弱点をいくつか挙げてみる。

・ポルノにアクセスできる環境が必要
・人目のある場所ではポルノを見られない
・ある程度のエネルギーが必要。

こんなところだろうか。次の記事ではこれらを利用した解決策を考えていこうと思う。


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