洗濯物を上手に乾かす
この時季一番気を遣うのは洗濯物の取り扱いかもしれませんね。
ジメジメしているとなかなか乾いてくれず、イヤな臭いもしてきたりして困っちゃう。洗濯物が多いとなかなか大変です。
けれど、この課題もコツを押さえれば、ずいぶん快適になっちゃいます。
カギは「空気スイスイ」と「吸湿性」、
そして「雑菌天国を作らない」
です。
・雑菌ってそもそもなに?
「空気スイスイ」と「吸湿性」については前回の記事に書きましたので、まだの方はぜひ読んでみてくださいね。
この記事ではまず雑菌について触れてみたいと思います。
雑菌のことを知ると、怖いものが減り上手に対応ができるようになりますヨ。
それではいってみましょう!
雑菌とは、多種類の菌の総称として使われたりもしますが、この記事での雑菌は「嫌気性の菌」のことを指します。はて、「嫌気性の菌」ってなに??
「嫌気性の菌」とは人間にとってイヤなことをもたらす菌のことを言います。
菌類をめちゃくちゃざっくりと分類すると、「好気性の菌」「嫌気性の菌」という二つのタイプにわけられています。
「好気性の菌」 → 発酵 よい匂い 美味しくなる
「嫌気性の菌」 → 腐敗 臭い 不味い
実際の見分け方はすごくシンプルで、よい匂いと感じたり、美味しいと感じたりするのが好気性の菌のおかげということになり、一方、まずかったり臭かったりするのが嫌気性の菌の仕業ということになります。
味噌や醤油、チーズ、漬物などができるのは好気性の菌が作用した結果で、
ぞうきんが臭い、食べ物が腐っちゃった、は嫌気性の菌が作用した結果です。
人間が不快な思いをするものが嫌気性の菌であり、それらを雑菌とかバイキンとか呼んでいるんですね。
ここでお伝えしておきたいのは、これはあくまで人間にとっての見解だよ、ということです。どの菌も自然のメカニズムには必要で、だから存在しています。好気性の菌だけにすればよいわけではないし、そもそもそれは不可能です。
その代わりに、上手に発酵させたり、不快な匂いが発生しないようにするにはどうしたらいいか?を私たちは考えたり検証したりすることができます。古来からの知恵もあるし、様々な研究もされ続けています。
彼らの特性を理解し、知恵を使っていろいろ工夫することができれば、彼らと上手に住み分け、私たちの暮らしを快適にしていくことができるんですね。
こんなところも暮らしともっと仲良くなっちゃう!醍醐味だったりするのではないかなと思っています。
・雑菌の嬉しいこと、哀しいこと
それでは私たちが何かと苦手な雑菌の特性について見ていきましょう。
・人の皮脂などが好物
雑菌のエサは、ズバリ、私たちの皮脂です。下着や肌着、身体を拭いたタオルなんかはいい感じです笑。
・ほんわりジメジメしたのが好き
雑菌は適度に温度があり、湿気が充満していて、さらに酸素が苦手なものが多いようです。
・人間(動物)の皮脂がエサ
・好きな温度は15℃〜40℃
・湿度は60%以上、湿っていれば湿っているだけ嬉しい
・空気の対流が少ない こもりっぱなし
この4拍子が揃うと、雑菌は途端に繁殖しはじめます。
ということは、冷たかったり熱かったり乾燥しているのは苦手!なんです。
なので、雑菌対策においても、
この梅雨や真夏の時季でもできる工夫は、
「空気をスイスイ回すこと」
「吸湿性のあるものをたくさん」
がポイントだということと、
「皮脂をよく落とす工夫をする」
も、有効なポイントになります。
だいたいおわかりいただけましたでしょうか?
ということで、ここから洗濯物を上手に乾かすコツをお伝えしていきましょう。
・脱ぎたての衣服はとりあえず乾かす
この時季着ていた衣服は汗をかいたり湿気を吸ったりして湿っていることが多いんですね。これをそのまま丸めて洗濯カゴや洗濯機の中に入れてそのままにしておくとどうなるでしょうか。雑菌の天国となることが容易に想像つくのではないかと思います。で、臭いはじめることになります。濡れているタオルなども同じこと。
なので、洗濯をするまでに時間がある程度あるなら、洗濯カゴにや洗濯機に入れず、とりあえずハンガーにでもかけて空気を通すようにしてください。乾いたな、という感じになったら洗濯カゴに入れてしまっても大丈夫です。それでもなるべく空気がスイスイするところに置いてあげてくださいね。
お風呂上がりにバスタオルではなくハンドタオルを使うようにするのも、結構ポイント高い工夫です。ちょいと干しておくのも場所を取らないし、軽いし、洗う手間も半減するし、早く乾くし、といろんな意味で快適です。
・靴下や下着はひっくり返して洗う
これが皮脂を上手に落とす工夫です。
NHKの試してガッテンで靴下の洗い方が取り上げられていましたが、これはなるほどガッテン!でした。靴下が長持ちすることにもつながるそうですが、身体に触れている面に皮脂がよくくっついているというのはもっともな話なんですね。
足裏の表面の汚れが気になる場合は、ちょっと予洗いをするといいかと思います。
洗濯って洗剤の力というよりも、水流や水のぶつかるメカニズムによって汚れが落ちています。洗剤はあくまでその補助として考えるとよいです。洗剤が衣服の繊維に残ることで、かえって雑菌のエサになってしまうこともあるようですし、排水は川や海などの自然へ必ずつながっているので、使う量に気を使う、自然環境に負担の少ない洗剤を選ぶことも大切なことです。(極端な話ですが、自分が口にしても大丈夫なものを選ぶというのが一番よい選び方だな、と個人的には思っています)
ちなみに、わが家の洗剤といえば、最近はやりのマグちゃんのみ。これも雑菌の繁殖防止に一役買ってくれているようです。汚れのひどいところはこの石鹸洗剤で事前につまみ洗いをしておきます。これでなにも問題ありませんし、洗い上がりはとても快適です。
・洗濯が終わったら速やかに干す
洗濯機を回し終わったら、なるべくすぐに干すようにしてください。
濡れたまま洗濯機や洗濯カゴの中で丸まった状態は、ハイ、雑菌天国です。
ここは大事なところなので、他のことは全て後回しにするくらいの重要事項として取り組んでください。
洗濯物同士の間隔ですが、せめて5センチは確保してください。
衣類の表面に空気が通れば通るほど、水分は早く蒸発していきます。
しっかり伸ばすことも必須です。
部屋内に干す場合は、脱衣室などの小さな部屋よりも、空間の大きな部屋に干した方が早く乾きます。
雨が降りこまなければその部屋の窓や扉は全開にしてください。家の外と家の中での気圧差で、思いの外空気がスイスイ回ります。
扇風機をかけつづけるのも有効です。それだけでも随分乾きが早くなります。
除湿器やエアコンを使うとなると確かに少し早く乾きますが、その分負荷がかかり電力消費や熱を発生させて暑さに加担する原因にもなるということを覚えておいてください。そのことも踏まえながら無理せず上手なバランスを探ってみてください。
あとは、1日で乾かそうとするのを諦める、という手もあります。
場所が限られていたりすると、そうもいかない事情もあるかとは思いますが、空気がスイスイしていさえすれば、雑菌が繁殖することもありません。
・臭いが気になるものは、煮洗いをしてみる
これは天然素材に限られてしまいますが、臭いが気になるタオルや衣服は一度煮洗いするといいです。
煮洗いとは文字通り鍋で煮て洗うのですが、雑菌は60℃以上の高温に弱いため、これをすると臭いがリセットされますし、たんぱく質系の汚れでなければ黄ばみなどもスッキリ落ちます。
いろいろとやり方があるようですが、私は植物系洗濯用粉石鹸と酸素系漂白剤を使います。タオルやシャツなどの小さなものはステンレス鍋でくつくつと煮てしまいますが、シーツなどの大きなものは浴槽に給湯器で60℃の湯と上記の洗剤と一緒に入れて蓋をし、30分ほど浸けておきます。その後やけどに十分注意しながら取り出し、ささっとゆすいだ後は洗濯機にお任せします。
煮洗いに適しているかどうかは、洗濯表示の表示温度などを確認され、ご自身の判断でおこなってください。また、天然素材でも生地によっては煮沸に弱いデリケートなものもあります。その場合は煮るのではなく、60℃くらいで漬け置きされる方がよいかもしれません。
いろいろと気にかけるポイントはありますが、本当にスッキリとするので、我が家ではシーズンごとの習慣になっています。
・洗濯上手のまとめ
・脱ぎたての衣服は洗濯カゴに詰め込まず、とりあえず乾かす
・靴下や下着はひっくり返して洗う
・洗濯が終わったら速やかに干す
・匂いが気になる物は、煮洗いをしてみる
汗臭いとか雑巾の腐った臭いとかいろいろ言いますが、これらは全て雑菌由来なんですね。雑菌が繁殖しづらい状態を保てれば、違う香りでごまかす必要もなく、本当の意味で清潔になります。
わが家ではおかげさまで臭いに悩まされることはほとんどありませんし、部屋干しでもわりとすんなり乾いてくれるので、この時季の洗濯にストレスを感じることはありません。
少しでも参考になりましたら幸いです!