稲垣えみ子さんとわたし
2年越しの課題、歯医者にも行った。本当に自分はえらい。よくがんばった。ワクチンの予約もとれた。よかった。
ひとり暮らしなので、「早くやった方がいい」とお尻を叩いてくれる人はいないので、自分で決めて自分で「えいやぁっ」とやる。歯医者も医者も、一度行ってしまうと、もうあとはお任せして、その流れに自分の身を預ける。
ひとり暮らし1年2ヶ月。二つのタスクをクリアしたので、土曜日に自分にご褒美的に書店へ行くことにした。映画がよかったが見たいものが近くの劇場にかかっていなかった。単行本と文庫本一冊ずつを買い、いつものカフェに手土産のみたらし団子持っていき、解禁になったアルコールを2杯飲んで、アイスコーヒーをテイクアウトして帰ってきた。ぱたっと寝入って、朝はゆっくり入浴。残り湯つかって洗濯して、部屋の埃を払って掃除機をかける。仕上げに拭き掃除。土鍋でごはんを炊いて、味噌汁をつくって昼ごはん。のこったご飯はラップで小分けして冷凍庫。
稲垣えみ子さんという元朝日新聞の記者だった人が、暮らしを小さくして、電気もガスもなるべくつかわない、ごみも出さない生活をしているという記事を読む。以前も彼女の別の記事を読んだことがある。高級化粧品もやめてごま油だけになった、シャンプーも歯磨き粉もやめた、冷蔵庫も掃除機もエアコンもなし、風呂も銭湯で、銭湯でもらったタオル一本をつかって洗ってつかって洗ってをして使い切るのに1年半。80歳まで生きるとしたらあとタオル何本、そんなことを買いてあった。
わたしも同じ感覚。こどもがみんな成人したし、両親は見送ったし、あとは自分が機嫌良く暮らしておればいい。ここに引っ越す前にたいへんな断捨離をする必要があった。収納場所が極端に少ないからで、しかしどうせ後々処分するものをそこで処分しただけ。本当にそれはよかった。ものが少ないというだけで、身も心も軽い。住居には「収納場所が多い」という売り文句もあると思うけれど、収納場所が少ないということでライフスタイルや、自分の人生設計を考え直すことができるという利点もあるのでは。
稲垣さんはテレビは持たないで、ラジオを聴いていて、夜はそれを聴きながら縫い物をちくちくとやっているとのこと。ラジオか、と思った。ラジオはいきつけの美容院で聴くくらいで、2年前に車にも乗らなくなったし、ラジオそのものがない。テレビは朝、時計代りに見るのと、日曜日の午前中にEテレを正午までかけている(将棋の放送おわるまで)。しかしそれ以外はほとんど見ない。テレビをつけていても、Abemaの将棋か、YouTubeの鉄道か動物をみることが多い。今、ひとり暮らしだから、ラジオでだれかの話し声だけを聞いてみるのっていいかもしれない。そういえばいっとき、Spotifyで小説の朗読を聴きながら家事をしていたことがあった。ラジオ買おうかな。検討。
今日はAmazonプライムで「サム・ペキンパー 情熱と美学」というドキュメンタリーと、マット・デイモンの「プロミスト・ランド」を観た。マクドーマンドとマット・デイモンは相性がいいのでは。環境活動家役の俳優がなかなかうまい。