電球が照らす私の世界④
15歳の息子は、私の身長をとうに追い越している。
照明器具を天井に再度取り付け(コードが伸びたのは影響が無いようでひと安心)、多少手惑いながらも、今度こそカバーが外れた。
私は、予め用意しておいた掃除機のスイッチを入れ、片手でカバーを受け取った。
掃除機を持っている事に安心して、うっかり目を開けてしまった!!
???んんん???
えっ…無いじゃん…。
カバーの中は(外側も)うっっすらと埃がかかっていた。
これが、私の恐怖の正体だ。
あんなにリアルに想像していた蜘蛛の死骸はどこにもない。
私が頭の中で創り出していた恐怖にすぎなかった。
自分で作り出した恐怖に怯え、一月以上も暗闇生活をしていたなんて!!
拍子抜けよりも、安心の方が優っていた。
思わず自分を褒めた、よくぞ行動に移した!と。
何事も、自分で決めて、行動に移さなければ、恐怖の正体はわからないまま。
怯え続けて、沈み込んだ時間を過ごして行くしかない。
恐怖とは、自ら創り出すものなんじゃないのだろうか。
原因は自分。
外側にはない。
無事に電球を外し、近くの家電量販店で同じタイプのものを買ってきた。
なんとあっけない。
恐怖の正体がわかれば、物事はスムーズに進むのだ。
つづく
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