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芳香族化合物の化学(8)「多環芳香族炭化水素の反応」
有機化学の中でも芳香族化合物は構造,反応に特徴があります。
ここでは大学レベルの「芳香族化合物の化学」について解説していきます。
今回のテーマは「多環芳香族炭化水素の反応」です。
【ナフタレンの反応性】
ナフタレンには2か所の反応点があるが基本的に1位選択的に反応が進行する。また,ナフタレンはベンゼンよりも活性が高いため,ハロゲン化では触媒が必要とせず,ニトロ化のプロトン源は濃硫酸でなく酢酸で反応する。
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1位選択的かつ反応性がベンゼンよりも高い理由はカチオン中間体の共鳴安定化がベンゼンよりも大きいことである。実際に,カチオン中間体の共鳴構造はベンゼンよりも多く,2位よりも1位の方が多く共鳴構造がかける。
【置換ナフタレンの反応】
一置換ナフタレンは置換基効果により,反応の選択性(配向性)が決まる。
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【参考図書】
ボルハルトショアー現代有機化学(下)
「芳香族化合物の化学」をまとめたpdf(power pointスライド)も作成しております。
ご希望の方がおられましたらコメントをよろしくお願いします。