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人類最大の発明「ハーバー・ボッシュ法」
どうも,のうむです。
みなさんは人類最大の発明と言えば何を思い浮かべますか?
数学分野であれば,「オイラーの定理」は欠かせないと思います。
オイラーの定理は,人類の至宝,世界一美しい数式と呼ばれています。
工学分野では,蒸気機関の発明やエジソンの発明した電球など,人により様々な発明が思いつきますね。
かのアインシュタインは人類最大の発明は「複利」と答えています。
と,考えるとたくさんの人類最大の発明が出てきます。
のうむは化学の人間なので,人類最大の発明は「ハーバー・ボッシュ法」だと思っています。
(異論は認めます)
そこで今回は「ハーバー・ボッシュ法」とは何か,なぜ人類最大の発明なのかについて解説していきます。
ハーバー・ボッシュ法とは?
ハーバー・ボッシュ法とは,金属触媒(主に鉄)存在下で,水素と窒素を高温(400~600 °C),高圧(200~1000 気圧)の超臨界状態で反応させることで,アンモニアを合成する方法です。
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ハーバー・ボッシュ法は発明者の「Fritz Haber」と「Carl Bosch」の名からとられています。
Fritz Haberは発明の業績から1918年に,Carl Boschは実用化の業績から1931年にそれぞれノーベル化学賞を受賞している。
なぜアンモニアが作れるとすごいのか?
ハーバー・ボッシュ法が偉大な発明と呼べる理由は,アンモニアの工業化に成功したことです。
アンモニアと言えば,中学校でも学ぶ刺激臭のある気体です。
所謂「悪臭」の原因ですね。
のうむが中学生の頃はアンモニアの噴水実験がありましたが,最近はどうなんでしょう?
ではなぜ悪臭のするアンモニアを工業生産できることが重要なのか?
それにはいくつか理由がありますが,最も重要なのは「肥料」です。
「肥料の三要素」と呼ばれるものがあり,窒素,リン酸,カリウムの3つを指します。
アンモニアはNH3で示されるもっとも単純な窒素化合物の一種です。
このアンモニアを原料に種々の窒素化合物を合成することができます。
過去に,芳香族アミン類について解説しているので,そちらも参考にしてください。
ハーバー・ボッシュ法が人類最大の発明な理由
ではここからのうむが,ハーバー・ボッシュ法が人類最大の発明と考える理由について説明していきます。
その1:肥料が変えた人類史
先ほども述べたように,アンモニアは肥料の三要素に含まれる重要な化合物です。
そのアンモニアが工業的に大量生産できるようになり,結果として肥料が大量生産できるようになりました。
つまり,世界の食糧生産が大幅に増加し,飢餓が減少することで人口増加につながりました。
以下のグラフは世界人口(緑)と窒素肥料の消費量(青)を示しています。
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その2:次世代エネルギーの可能性
実は近年になり,アンモニアを自動車の燃料にしようという研究・開発が進んでいます。
アンモニアはご存じの通りNH3です。
そのため,二酸化炭素を排出することなくクリーンなエネルギーと言えます。
また,ガソリンなどの化石燃料とことなり,窒素と水素から作ることができます。
しかし,問題点としてNOxの発生が挙げられます。
もちろん,自動車触媒をうまく使えばNOxを外へ排出することはありません。
実際にガソリン車でもNOxは発生するため,触媒で無害化しています。
まとめ
以上をまとめますと,ハーバー・ボッシュ法はアンモニアの工業生産を可能にし,アンモニアは肥料として人類の歴史を大きく変え,次世代エネルギーの一つとして注目されています。
つまりアンモニアは,過去に大きな影響を与えただけでなく,未来にも新たな可能性を秘めてると言えます。
そのため,のうむはハーバー・ボッシュ法が人類最大の発明と考えています。
みなさんも人類最大の発明が何かご意見やご感想があればコメントをよろしくお願いします。
それではまた。