農経しんぽう2022年10月24日号スマート農業 特別号外記事
ここでは紙面に入りきらなかった東光鉄工㈱UAV事業部の記事を掲載いたします。
東光鉄工製ドローン 新型散布装置で性能アップ!
効率の良い均一散布を実現
東光鉄工㈱UAV事業部(秋田県大館市雪沢字蕷ケ岱256の1)は、秋田発の国産ドローンの開発、販売を行っている。本社は大館市内にあり、関連会社を含めると社員数は約400名。建築鉄骨や橋梁などの各種鋼構造物の設計製作、各種機械装置/プレス金型の設計製作を主力事業としながら、平成27年にUAV事業部を新設。地元生産者のニーズを受けて農業用ドローンに着手している。
現在、主に販売している農業用ドローンは4機種。いずれも農薬等散布用で、液剤タンク容量4㍑、1回の撒布規模が0・5㌶で中山間地や狭小圃場向けの小型機「TSV―AH1」、同容量8㍑で1度に1㌶散布可能な中型機「TSV―AQ1」、そして、液剤タンク10㍑、1・2㌶散布可能で、一定速度航行、前後進時の自動散布、速度に応じての吐出量自動調整などといったアシスト機能が付いた大型機「TSV―AH2」。すべて農林水産航空協会認定機。特徴としては、いずれも機体重量が軽く、6・5㌔~10㌔ほど。プロペラアームは折りたたみが可能で、女性でも軽トラの積み下ろしができる。タンクの交換はレバーの開閉のみで簡単に脱着。液剤、粒剤どちらにも対応する。操縦のためのプロポの構造がシンプルなため、ソフトのアップデートなどは不要。また、最新の大型機「TSV―AQ2」は、飛行時間をバッテリーや機体の軽量化により従来機の2倍に向上させ、完全防塵防滴のIP45を取得。機体の水洗いが容易になった。さらに、タンクの搭載部を変更し、より脱着が簡単になっている。定価はAB地点飛行散布などの機能を備えたスタンダード機。自動航行機能や障害物センサー検知を加えたフルスペック機で約170万円。これはバッテリーや充電器等とのセット価格となっている。
新型粒剤散布装置が搭載のシンプル設計機を参考出品
この度の「農業Week2022」で、利便性を追及し、本当に必要な装備と機能に絞ったシンプル設計機「TSV―AQ3」を参考出品した。同機に搭載されたニックス製粒剤散布装置は、従来の撒布方式と異なり、ドローンを含めた帯状散布で圃場全体に効率良く、均一に粒剤を散布する。従来方式では隣の圃場に散布してしまうリスクがあったが、ニックス方式ではそのリスクを大幅に低減した。操作用プロポ(送信機)でニックス新型粒剤散布装置の設定・制御が全て可能。粒剤から液剤へワンタッチでの交換が可能。アタッチメントで肥料・薬剤・種子すべてに散布対応する。また、「TSV―AQ2」にもオプションでの装着ができる。
同社はアフター体制も充実。現在市場に出回るメーカーのドローンは、故障時の対応を2~5営業日程度に設定しているが、東北圏内であれば同社は即日もしくは翌日には代替機を届けるなど、迅速に対応する。農薬散布は適期を逃すと営農に支障が出ることを理解し、生産者の立場に立って対応する。
さらに、近隣の農事組合法人「樹海ドーム北ファーム」とのコラボ事業計画や、自社イベントである「雪沢テクノパーク操縦体験会」を開催するなど、スマート農業を通して、いかに農業を盛り上げていくか、儲かる農業を実現していくのかを生産者と共に考えている。
農業分野以外では国産FC(フライトコントローラー)を搭載し、耐風性能18㍍/秒、防塵防水性能IP55、飛行時間30分で、高感度赤外線カメラや高輝度LEDライト、ハイパワースピーカー、物件投下装置や各種オプションを備えたレスキュードローンを発売している。消防をはじめ、その他官庁・自治体からの問合せも増えている。今回の大仙市で開催される第145回秋田県種苗交換会にも出展している。
東光鉄工(株)UAV事業部 https://tokouav.jp/