サッカー用語「DOGSO」って知ってますか?
こんにちは
2023シーズンより、モンテディオ山形のサッカーを追いかけていますが、それ以外に1週間に1つはサッカーにまつわることを1つ独自に勉強していきたい、と思っています。
サッカーは毎年、色んな角度で急激に進んでいます。
VARなどのテクノロジーの導入、交代枠の追加、移籍金の高騰や制度の変更、サッカークラブの経営の形・・・など。
色んなニュースが飛び交う中、その一つ一つを少しでも知っていくと、もっともっとサッカーについて楽しくなると思っています。
サッカーが文化として、人生に入り込んでいくと、日々の生きがいになっていくといいなあ、と思っています。
そこで今回は、今流行りのDOGSO(ドグソ)について!
「Jリーグジャッジリプレイ」
今、ダゾーンでは「Jリーグジャッジリプレイ」という番組をやっていますが、この番組が非常に面白く、サッカーを見る意味でジャッジの仕組みを知ると、審判の意図を知ることが出来て、さらにサッカーの試合の動向を深く知ることが出来ると思います。
特に、「Jリーグジャッジリプレイ」では、2021年度まで現役で審判をしていた家本政明 (@referee_iemoto)さんが解説をしており、OB、現役の選手とのプレー解説は、サッカーの理解を高めてくれる良質の番組だと思います。
DOGSOって何?
DOGSOとは、
「Denying an Obvious Goal Scoring Opportunity」の略語で
「決定的な得点機会の阻止」という意味になります。
D=Denying (阻止する)
O=Obvious (決定的な)
G=Goal
S=Scoring (得点する)
O=Opportunity (機会)
DOGSOの歴史
1990 イタリアワールドカップで意図的な得点機会の阻止への罰則
2007 「決定的な得点の機会の阻止」という項目が独立追加
2018 日本サッカー競技規則に「DOGSO」という言葉が記載
現在は、VARの導入もあり、客観的にその場でチェックをすることが出来るようになりました。
DOGSOの4要件
要件1:反則とゴールとの距離
明確な基準は無いが、PA内、付近、25mまでなどが該当するが、状況によっては(GKとの1:1になるなど)遠くでも該当
要件2:プレー全体が相手ゴールに向かっているかどうか
ゴールに向かっているかどうか。すぐに得点できるような状況かどうか。例:ポストプレーなどで背中をゴールに向けていると対象外
要件3:守備側競技者の位置と数
この反則が無かったとして守備側が近くに居たり、ブロックの対応ができるなど、得点の機会の度合いを守備側の選手との関係で判断
要件4:ボールをキープできる、またはコントロール出来る可能性
このファールが無かったら直接ゴールに結びつくプレーができたかどうか。
例:トラップミスをしている場合はコントロール下に無いと判断
具体例①
実際のDOGSOの例
Jリーグ開幕戦 2/17 83分 川崎ジェジエウ選手→横浜アンデルソンロペス選手へのファウル
【公式】ハイライト:川崎フロンターレvs横浜F・マリノス 明治安田生命J1リーグ 第1節 2023/2/17 - YouTube
こちらの 1:46~
こちらは、ダゾーンのJリーグジャッジリプレイで取り上げられていました。
センターアークのファウルからの早いリスタートに抜け出したアンデルソンロペス選手をジェジエウ選手が後ろからのタックルで倒してしまうシーン。
最初はイエローでPKの判定でしたが、VARの介入により、レッドカードでPAの外での接触となりFKへと判定が変わりました。
このシーンでのDOGSOの要件は以下の通り
①反則とゴールとの距離
→PA付近なので、〇
②プレー全体が相手ゴールに向かっているかどうか
→まっすぐゴールへと向かっているので、〇
③守備側競技者の位置と数
→前にはGKしかいなく、すぐにフォローできる選手は居ないので、〇
④ボールをキープできる、またはコントロール出来る可能性
→ドリブルの途中でコントロール下にボールはあったので、〇
4要件に該当しているため、DOGSO成立
このシーンは完全にGKとの1対1のシーンっだったので、「決定的な得点機会の阻止」と認められて、DFジェジエウ選手は1発レッドになります。
まさに、DOGSOの対象となっていますね。
具体例②
今回、DOGSOを取り上げたかったのは、モンテディオの1節、2節で共に該当のプレーがあったと思ったので、そちらを見て勉強しようと思いました。
そのプレーを見てみましょう。
第一節 VS甲府 ’75 チアゴアウベス選手
【公式】ハイライト:ヴァンフォーレ甲府vsモンテディオ山形 明治安田生命J2リーグ 第1節 2023/2/18 - YouTube
ハイライト 2:15 より
右サイドからのロングフィードが左サイドのチアゴアウベス選手に通り、左サイドPA内でドリブルで仕掛け、山本選手をかわしたところで足に引っかかり転倒したシーン。
審判の判断は、イエローカードでPKの判定。
これは果たしてDOGSOに該当するのか。
①反則とゴールとの距離
→PA内なので、〇
②プレー全体が相手ゴールに向かっているかどうか
→まっすぐではないが体はゴールへ向かってドリブルしているので、〇
③守備側競技者の位置と数
→隣のDFの距離が遠く、チアゴアウベス選手が抜けていたら角度はきついもののGKとの1対1になっていたとおもうので、〇
④ボールをキープできる、またはコントロール出来る可能性
→ドリブルの途中でコントロール下にボールはあったので、〇
一応、4要件満たしているのではないか、と思うのですが、少し、③が怪しいですかね。しかし満たしていると考えると、あれ、レッドカードでは?
と思いますが、ここでも1点、追加情報があります。
PA内であまりに悪質過ぎないDOGSOについては、イエローカードの対象になる場合があります。
?なんで?
→三重罰が重すぎる、という考えがあります。
三重罰とは、「退場(一人少なくなる)」「PK」「次節出場停止」の3つ
PAでの一瞬のミスでこの3つは重すぎるのではないか、という議論があり、現在では、1発のレッドではなく、PKを与えてイエローカードにする。という場合もあります。
今回のチアゴアウベス選手への山本選手のタックルはこれに該当するのかな、と思いました。
ちなみに、もう一つ可能性があります。それが
→SPA(Stop a Promising Attack)に該当する。かもしれません。
新しい単語が出てきました。SPA。
SPAって何?
「大きなチャンスとなる攻撃の阻止」という意味です。
S=Stop (阻止)
P=Promising (大きなチャンスとなる)
A=Attack (攻撃)
DOGSOの一段階下のファウルと考えていいと思います。
DOGSOには該当しないまでも、大きなチャンスになりうるということで、イエローカードの判定になります。
こちらでも、同様にイエローカードになりますので、PA内のDOGSO、もしくはSPAのどちらかに該当してのジャッジだったと思います。
以上が、今流行りのDOGSO、SPAという二つのジャッジの考え方についてになります。
しかし、、
やはり山形を追いかけている身としては2節のこのプレーも見ておきたいですね。
すいません、動画が見つからなかったのですが、
2節 VSジェフ千葉 56’ 山形イサカ選手への千葉矢口選手のタックル
大きくサイドチェンジしたボールに抜け出したイサカ選手がワンタッチでゴール側にトラップ、矢口選手が遅れて後方から接触。イサカ選手は転倒するも、審判は笛無し。
動画が無いので、説明しづらいですが、矢口選手の左足がイサカ選手にかかっているように見え、これはDOGSOに該当すると思っています。
丁寧に要件をさらうと、
①反則とゴールとの距離
→PA付近なので、〇
②プレー全体が相手ゴールに向かっているかどうか
→体はゴールへ向かっているので、〇
③守備側競技者の位置と数
→大きなサイドチェンジで1対1の状況だったので、〇
④ボールをキープできる、またはコントロール出来る可能性
→ファーストトラップで抜け出したのでコントロールしていた狙いすましたトラップだったと思うので、〇
4要件当てはまっていると思います。
ただ、④のトラップが大きく感じたのも事実。
あとは審判の距離が遠く、足が完全にかかっているか確信が持てず、イサカ選手がもつれたように見られたのかもしれません。
J2はVARが導入されていないため、見直しはされませんでした。
前述のとおり、PAギリギリのシーンの為、内かどうかにより、カードの色は変わりますが、一人いなくなるorPKというだけで、この試合の流れはまた変わっていたかもしれません。
以上になります。
長くなりました。このぐらい掘っておくと、今後似たようなシーンは必ず出てきますので、役に立つかな、と思います。
最後までありがとうございました。
また、第3節で。
参照ページ
DOGSO(ドグソ)とは?サッカーのルールを分かりやすく解説【公式】Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp) (jleague.jp)
”VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)|ルールを知ろう!|JFA.jp