トークンエコノミーの参考となるカルビー「折りパケ運動」
日本の大手食品メーカー「カルビー」が、家庭ごみを減らす取り組みとして「折りパケ運動」を実施しています。これはweb3関連の用語である「トークンエコノミー」の参考になる取組みです。
今回は、そんな「折りパケ運動」について、web3事業者の観点から考察していきます。
「折りパケ運動」とは?
カルビーの商品を購入し、その商品のパッケージを食べ終わった後に、小さく折りたたんで処分することで、ゴミの量を減らすという取り組みです。さらに、折りたたんだパッケージを専用のアプリでスキャンすることで、「ルビーポイント」が付与されるという仕組みになっています。
ポイントの貯め方
カルビーの商品を購入する
商品を食べ終わった後、パッケージを指定の方法で折りたたむ
折りたたんだパッケージを専用アプリでスキャンする
スキャンが成功すると、10〜20ポイントのルビーポイントが付与される
ルビーポイントの魅力
貯めたルビーポイントは、様々な特典と交換することができます。
一定のポイントを貯めると、カルビーの商品の詰め合わせがもらえる抽選に応募することができます。
また、20万ポイントを貯めて学校単位で応募すると、学校の校庭に苗がプレゼントされる「学校の緑化支援」プログラムに参加できます。
また、カルビーの工場見学や、ファンミーティングに参加するチャンスもあります。
ランク制度でよりお得に
「折りパケプログラム」には、ランク制度も用意されています。一定量の累積ポイントを貯めると、ブロンズやシルバーなどのランクが上がっていきます。ランクが上がるほど、特別なイベントへの招待や、豪華なプレゼントがもらえるチャンスが増えます。
ルビーポイントとトークンエコノミーの親和性
カルビーの「折りパケ運動」で導入されている「ルビーポイント」は、トークンエコノミーにおける報酬やインセンティブとして機能する可能性を秘めています。現状ではブロックチェーン技術は使われていませんが、ルビーポイントによって貢献度の可視化ができているのは大きな特徴です。
NFTとの連携による新たな可能性
将来的には、一定数のルビーポイントをNFTと交換できる仕組みを導入することで、よりファンを惹きつける施策が可能になるでしょう。例えば、1000ルビーポイントを持っている方にNFTを提供し、そのNFTを持っている方限定のVIPイベントの案内をするなど、特別な体験を提供することができます。
NFTをチケットとして活用
NFTをイベントのチケットとして使うことで、参加者の貢献度を可視化することもできます。イベントに参加したNFTはBurn(廃棄)され、そのBurnされたNFTは参加者のウォレットに記録として残ります。これにより、イベントに実際に参加したことが証明され、貢献度の高いファンを識別することが可能になります。
NFTの特徴は何と言っても、相互互換性として、プラットフォームに依存しない点です。トークンエコノミーを活用することで、企業間の連携を促進し、いままでにない、企業間コラボを通じて、ブランド価値を高めていくことも期待できます。
ファンコミュニティとの共創
カルビーは既に「ポテトチップス のりしお ファンミーティング」といったイベントを開催しており、全国から熱心なファンが集まってコミュニティを形成しています。
イベントでは商品の歴史解説やクイズ大会、新商品の試食会などが行われ、ファンとの直接的なコミュニケーションを通じて、新商品開発にも役立てられています。
まとめ
カルビーの「折りパケ運動」は、トークンエコノミーの可能性を示唆する先進的な取り組みだと言えます。ルビーポイントとNFTの連携、ファンコミュニティとの共創、他ブランドとのコラボレーションなど、様々な側面からトークンエコノミーを活用することで、新たなマーケティング手法が生まれるかもしれません。今後のカルビーの取り組みに注目しつつ、トークンエコノミーがマーケティングにどのように活用されていくのか、見守っていきたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。