いま話題の「zkEVM」とは何か?~農業への応用を考察~
いま話題のブロックチェーン技術「ZkEVM」について深掘りしていきます。ZkEVMは、ゼロ知識証明(Zero Knowledge Proof=ZKP)とイーサリアムバーチャルマシン(EVM)の合成語です。
今回は、そんなZKPとEVMの掛け合わせ技術「ZkEVM」の可能性や農業への応用を考察していきます。
ゼロ知識証明(ZKP)とは何か?
ZKPは、情報の正当性を証明する技術で、その内容を明かさずに行います。
例として、TOEICのスコアをブロックチェーンに記録し、特定のスコアをクリアしているかどうかを証明できますが、具体的な点数は秘密のままです。
オープンデータが基本となるブロックチェーンにおいて、プライバシー保護の役割を発揮します。
詳しくはこちらをご参照ください。
イーサリアムバーチャルマシン(EVM)とは何か?
一方、EVMは、イーサリアムネットワーク上でアプリケーションを動かすための基本ルールです。
EVMのルールに則ることで、イーサリアム上で動作するスマートコントラクトを効率的かつ安全に実行できます。プログラミング言語としては、SolidityやVyperなど複数あり、ブロックチェーンエンジニアははより広範囲のツールと機能を活用して分散型アプリケーション(DApps)をイーサリアム上に構築できます。
農業分野では、スマートコントラクトを使って、例えば収穫量に基づく自動支払いシステムなどを実現できます。これにより、効率的かつ透明性の高い取引が可能になります。
zkEVMの可能性
これら二つの技術を組み合わせた「zkEVM」の最大のメリットは、「プライバシー保護」と「トランザクションのコスト削減」です。
アスターネットワークとポリゴンネットワークのzkEVM実装
現在、アスターネットワークとポリゴンネットワークは、それぞれzkEVMを実装する動きを進めています。これらのネットワークは、イーサリアムのルールに則ったブロックチェーン環境を提供し、より多くのアプリケーションやサービスを支援します。
特に、アスターネットワークでは、デロイトトーマツと共同で新しいサービスを開発中です。具体的には、スポーツ庁が推進するブロックチェーンベースのNFTゲームアプリ「ベスログ」がその一例です。このアプリは、野球のゲームをNFTで表現し、打撃練習の成績に応じてNFTのエンブレムを獲得できる設計になっています。
農業におけるzkEVMの応用とその可能性
農業分野では、zkEVMの応用により、イーサリアムネットワークでの農産物の信用証明やトレーサビリティの実現が容易になります。
zkEVMの特徴である「プライバシー保護」について、農業分野においてはデータ管理やトランザクションの効率化とプライバシー保護を同時に実現します。たとえば、農産物の品質や出荷量などの情報をブロックチェーン上で安全に管理し、関連するパートナー間で共有できます。このプロセスは、情報の透明性を保ちつつ、不必要な詳細を隠蔽することで、効率的かつセキュアに行われます。
また、「トランザクションのコスト削減」について、イーサリアムネットワーク上でアプリケーションを動かすガス代が大幅に削減されます。これにより、農業分野でのNFT発行やデータ共有などの新しい可能性が開かれます。
特に、農家が作った農産物の信用証明をNFTで発行し、消費者が購入履歴を安全に保持することが可能になります。
zkEVMによって、農業の未来はより効率的かつ持続可能なものになるでしょう。プライバシーを保護しつつ、データの共有と処理を効率化することで、農業産業は新たな発展を遂げる可能性があります。
まとめ
zkEVMの実装と普及により、イーサリアムネットワークの使いやすさとアクセシビリティが向上し、ブロックチェーンの活用がさらに広がることが期待されます。特に日本では、アスターネットワークがさまざまな企業とのコラボレーションを進めており、国内でもブロックチェーン技術の活用が加速するでしょう。今後も目が離せない重要な技術です。
私も頃合いを見て、農業分野での活用も進めていきます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。