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農業メタバースで広がる新たな体験:収穫&ショート動画コンテストが切り拓く未来
近年、AIやブロックチェーン、ロボットなどの先端技術を活用した“スマート農業”の普及が進む一方、若い世代にとって農業はまだまだハードルが高い分野というイメージがあります。
そこで、メタバースを活用しながら農業に気軽に触れてもらおうと取り組んでいるのが、Metagri研究所の取り組みです。
Metagri研究所では、「Roblox」という世界的に人気のあるメタバースプラットフォーム上に、「未来の農業シミュレーター」 という農業体験ゲームを構築し、昨年10月にリリース。すでに累計プレイ数は10万回に迫る勢いで、多くのユーザーがバーチャル空間で“未来型の農業”を楽しんでいます。
そんな「未来の農業シミュレーター」で、この2月からスタートしているのが、2つのコンテスト企画。
1つ目は作物の収穫数を競う「収穫コンテスト」、2つ目はゲーム内の様子をショート動画として編集・投稿する「ショート動画コンテスト」です。本記事では、これら2つの企画の背景と目的、そして高校生インターンが主導する取り組みの魅力に迫ります。
1.農業メタバースという新しい入り口
1-1.若い世代に“農業の楽しさ”を伝える
農業分野は労働力不足や高齢化など、多くの課題を抱えています。そこにドローンやセンサーなどのテクノロジーが導入され、飛躍的に効率化が進む一方、「そもそも農業に興味を持つ若者が少ない」という現実も無視できません。
Metagri研究所が「未来の農業シミュレーター」をリリースした背景には、「まずはメタバース上で農業に触れてもらい、興味を広げるきっかけを作りたい」という狙いがあります。スマホやPCさえあれば誰でも参加でき、遠く離れた人とも同時に遊ぶことができる点は、メタバースならではの強みです。
1-2.さらなる活用を目指すためのコンテスト企画
リリースから数か月が経ち、ユーザー同士でプレイ方法を共有したり、新たな要素の追加を望む声が寄せられたりと盛り上がりを見せている「未来の農業シミュレーター」。そこで、新しいファンの拡大や既存ユーザーのモチベーション向上を目的に、コンテストを定期開催する取り組みが始まりました。
今回は2月からスタートしたばかりの2企画、「収穫コンテスト」と「ショート動画コンテスト」が、早くも話題を呼んでいます。
2.取り組み①:収穫コンテスト
2-1.ナスやトマト、お米の“総収穫数”を競う
最初の企画は、その名のとおり「収穫コンテスト」 。
ゲーム内で育てられるナス、トマト、お米などの作物をできる限り多く収穫し、その合計数をDiscordコミュニティに投稿して競います。コンテスト期間は2月中と限定されていますが、すでに参加者の中には数千もの収穫数を叩き出す猛者もいるのだとか。
2-2.静岡県産の旬のみかんをプレゼント
上位2名には、静岡県三ケ日町の“トヤマミカン”が手がける旬のみかんをプレゼント。1位が5kg、2位が2kgという豪華な賞品が用意されており、「バーチャル体験+リアル農産物」というユニークな組み合わせが大きな魅力になっています。
2-3.オンラインからリアル農業への一歩
「農業メタバース」と聞くと、あくまで仮想空間だけの話と思われがちですが、実際にはリアルと結びつくきっかけを増やすことが重要です。
今回のように“実際の農産物”を賞品とすることで、メタバースで農業に触れたあとに「本物の作物が届く」という体験が生まれます。これを機に、さらに農業への興味を高めてもらう狙いがあるのです。
3.取り組み②:ショート動画コンテスト
3-1.高校生インターンが中心となって企画
2つ目の企画は、ゲーム内のプレイを撮影して1分以内のショート動画を作り、面白さや可能性を発信するコンテストです。
この運営を主導しているのが、Metagri研究所でインターンを務める高校2年生の「Mayu」さん。
もともと農業やテクノロジーに強い関心を持ち、地域の伝統野菜の普及活動や遠隔農業システムの開発にも取り組んできた彼女が、今回は「ショート動画」という切り口でメタバース農業の魅力を届けようと奮闘しています。
3-2.動画編集ツールで気軽に参加
「動画編集は難しそう」というイメージもありますが、Mayuさんが活用している“CapCut”のような無料ツールを使えば、短いプレイシーンを切り抜いてBGMやテロップを追加するだけで、手軽にショート動画を制作可能です。
Discordコミュニティでは、すでに「木に引っかかって川にドボン!?」というハプニング動画がサンプルとして投稿され、多くのユーザーが「短い尺でもこれだけ面白いものが作れるのか」と驚いています。
3-3.Z世代に響くショート動画の魅力
TikTokやYouTubeショーツ、Instagramリールなど、Z世代を中心にショート動画の需要は急速に拡大中です。短い時間で気軽に見られるため、拡散力も高いのが特徴。
Metagri研究所としては、この“ショート動画”というフォーマットを生かして、多くの若者に農業×テクノロジーの面白さを知ってもらうことを狙っています。同時に、コンテスト参加者同士が交流し、クリエイティブな作品を通じてコミュニティが盛り上がる効果も大きいといえるでしょう。
4.今後の展望
Metagri研究所は、これまで「収穫コンテスト」や「ショート動画コンテスト」を通じて農業メタバースの可能性を広げてきましたが、今後はさらに多彩な企画を展開していく予定です。
「未来の農業シミュレーター」をきっかけに、リアル農家とのコラボや、NFTを活用した会員証プログラム、ひいては独自トークンによる経済圏“FarmFi構想”など、さまざまなビジョンが見え始めています。
収穫コンテストとショート動画コンテスト──一見シンプルな2つの企画ですが、そこには「若い世代の力で農業を盛り上げたい」 という熱い思いが詰まっています。メタバースという新たなプラットフォームを通じて、多くの人が遊びながら農業に触れ、興味を持つきっかけを作る。さらに、高校生インターンが主体的に運営をリードすることで、“世代を超えた共創”が生まれるのです。
もし、「農業とテクノロジーの融合に惹かれる」「自分のアイデアでメタバースイベントを盛り上げたい」と思うなら、ぜひMetagri研究所のコミュニティをのぞいてみてください。
メタバースを活用した新しい農業の形が、ここからさらに広がっていくはずです。そんな未来を共に創り上げる仲間として、次のインターン生があなたになるかもしれません。