「生成AIで農業を変えたい」―3農家限定の無料コンサルを始めるワケ
「3農家限定・1か月無料でAIコンサルティングを提供する」 サービスをスタートすることにしました。
しかし、「そもそもなぜ無料？」「3農家限定とは？」など、疑問点があるかと思います。
そこで今回はサービス提供の背景お伝えします。読み終えたあとには、生成AIが農業にもたらす可能性と、なぜ「1か月無料」というプランにこだわったのか、ご理解いただけるはずです。
ぜひ最後までお付き合いください！
「AIって何に課金すればいいの？」という声の増加
ここ数年、OpenAIのChatGPTを皮切りに、Perplexity AIやGoogleのGemini 2.0 Flash Thinkingなど、次々と生成AIツールが登場しています。新しいAIが出るたびにメディアで大きく報道されるので、「AIに何か興味はあるけれど、実際どのサービスが自分に合うの？」と困っている方が増えています。
特に一次産業の現場からは、
「機械の操作すらギリギリなのに、AIを導入するって現実的にどうなんだろう？」
「有料課金が必要みたいだけど、費用対効果は見合うのか？」
「AIサービスが乱立していてどれを使うのが良いかわからない」
「そもそも農業にどうやって使うのかわからない」
といった切実な声が多く寄せられているのが実情です。
株式会社農情人は、かつてのアクセンチュア在籍経験や農業ベンチャーでの現場支援のノウハウを活かし、農業界×AIの可能性を模索してきました。そして、今まさに「本気で一次産業を変えられるテクノロジーが整いつつある」と感じています。
「第7回農業DX構想改訂に向けた有識者検討会」で見えたもの
ありがたいことに、昨年1月に農林水産省が主催する「農業DX構想改訂に向けた有識者検討会」に参加しました。
そこでのテーマは、文字通りDX（デジタルトランスフォーメーション）をいかに農業界に広げるか ということ。
高齢化、担い手不足
気候変動による予測困難な天候や病害虫被害
資材費の高騰
こうした課題が山積みのなかで、「データ分析やAIを使って農業を効率化できないか？」というのは、もはや避けて通れない論点でした。
私が強調したのは、生成AIを活用した業務効率化や価値創造だけでなく、消費者へ向けたブランディングの再構築や商品開発でのAI支援など、「農業そのものの在り方を変える可能性」です。
この構想にご興味をもってくださった方々から何度も聞かれたのが、
「AI導入って、費用対効果どうなんですか？」
「新しい技術ってやっぱり難しそうですよね…」
といった声。正直言って、その疑問はまっとうです。農業界はコストや人手が常に切迫していて、“未知の投資” をする余力がないところが多いのです。
無料コンサル誕生のきっかけ──「まずはやってみてほしい」
この現状を踏まえ、私たちは「AIの導入がもたらすメリット」を目に見えるカタチで、かつ低リスクで体験してもらう仕組みが必要だと感じました。そこで生まれたのが、**「1か月無料コンサルを3農家限定で提供する」**というアイデアです。
なぜ3農家限定？
大規模に無料サービスを展開すると、どうしても1社あたりのサポートが手薄になります。DXコンサル出身者として、短期とはいえ確実な成果の種を感じてもらうには、マンツーマンの濃密な伴走が必要です。
たとえば、
既存の在庫管理をAIで効率化し、毎日数十分かかっていた手作業を自動化する
メルマガやブログ記事をAIで半自動作成し、販路拡大を狙う
新しい商品（作物）のコンセプトづくりをAIのブレストで広げる
など、各農家さんが抱える「痛み」を直接ヒアリングし、最適なAI導入プランを策定・テストするためには、それなりに時間をかけなければなりません。
3枠なら、弊社メンバーと私自身が全力でサポートしながらも、きちんと進捗管理ができる適切なラインだと判断しました。
なぜ1か月限定？
私たちがコンサルのプロセス設計をするとき、「3か月～半年」は成果測定に最低限必要と考えることが多いです。農業の場合、作物の成長サイクルや出荷時期の都合などもあるからです。
しかし今回、あえて1か月という短い期間にしたのは「まずは最先端の生成AIが、実際どのように使えるのか」「一歩踏み込んだら何が起こるのか」を短期集中で目撃してほしいから。
もちろん1か月で農業が根本から変わるわけではありませんが、この期間に**「試作→効果検証→次の一手」**までいければ、導入の価値を肌で感じられるはずなのです。
具体的には何が得られるのか？―活用事例
1か月無料コンサルのイメージを、いくつかの事例でご紹介します。
1. メルマガ・ブログ更新の効率化
ある程度の規模の農家さんでは、直売所やネット通販などで顧客との接点があり、定期的にメルマガやSNSを配信しているケースが多いです。でも、
「毎回ネタに困る…」
「文章を書くのが苦手…」
「そもそもどれくらい開封率があるの？」
などの悩みを抱えている人が少なくありません。
生成AIを活用すれば、配信テーマやキーワードの抽出、さらにはニュースの要約や読者属性に合った文章の提案が瞬時に行えます。これだけでも工数は大幅に減り、販促タイミングを逃さない強みになるでしょう。
2. 新商品開発のアイデア創出
「この野菜を次どんな加工品にしようか」「旬の時期以外でも売れる仕掛けはないか」。農家さんが商品やサービスを考えるとき、生成AIをブレーンストーミングやリサーチに使うだけで、視野が大きく広がります。
たとえば、最新のGoogle Geminiが「海外の市場トレンド」「関連する特許情報」などを一括でスキャンし、多面的なアイデアを提案することも可能になる日が近いと考えています。
1か月無料コンサルの中でも、アイデアをどう具体化し、試作やテストマーケティングに繋げるかのお手伝いを行います。
3. 若手採用のマーケティング支援
従来の農業現場は「人が来ない」「若手がすぐ辞める」という悩みが尽きません。SNSや動画コンテンツを駆使し、農業の魅力を発信するアプローチは増えてきたものの、「何をどんなペースで投稿すればいいの？」 という課題にぶつかるケースも多いです。
生成AIを組み込めば、投稿テーマ案出し、ハッシュタグ生成、キャッチコピー提案まで一通り手伝ってくれるので、運用負荷を大幅に軽減可能。結果として、多様な求職者にリーチするチャンスが広がります。
4. ルーティン業務の自動化
農作業は人手が必要な現場作業だけでなく、在庫管理・出荷記録・売上集計など、地味な事務作業も大量に発生します。
ExcelマクロやBotなどと組み合わせ、生成AIのスクリプト提案機能を活用すれば、「手作業で1時間かけてまとめていたデータ」を数分で処理、なんてことも夢ではありません。
これらの地道な積み重ねが、農家さんの時間を節約し、より価値の高い業務――例えば新品種の開発や消費者とのコミュニケーション――に集中できる未来を近づけるのです。
「成果保証はしません」という誠実さ
今回の無料コンサルは、あくまで**「体験・試作」**の場として位置づけています。だからこそ、プレスリリースにも明記しているとおり「成果を保証するものではありません」。
農業はいろいろな要因が絡み合っているので、1か月で劇的に売上が何倍にもなる――などという都合のいい話はありません。逆に、短期間でめざましい成果を得た例もごく稀にありますが、そこには事前の準備や運の要素も絡みます。
「この1か月で、AIを“使いこなす感覚”をゲットしていただきたい」というのが最大の目的です。効果が実感できたら、そのまま本格導入を検討いただいても良いですし、課題点を洗い出すだけでも大きな収穫になります。
なぜ今、この無料プランが必要なのか
「農業界における生成AI活用は、数年先でもいいんじゃないの？」と思う方もいるかもしれません。ですが、新しいテクノロジーは往々にして早く手を動かした人ほど恩恵を得やすいもの。特に生成AIは1年もたたない間に、次々と進化を遂げています。
もしこの波を早い段階で体験できたら、
「農業で使ってみたいけど、怖いし難しそう…」というブレーキが外れる
競合との差別化ポイントを一足先に確立できる
ミスや無駄を省く小さな成功体験を重ね、スタッフ全体のITリテラシーが向上する
これらは長い目で見ると、農家さんにとって大きな財産になっていきます。1か月という短い期間だからこそ「まずは一度試してみよう」という軽いフットワークで参加していただけたら嬉しいです。
今後の展望――無料体験から、本格導入へ
もし無料コンサルを受けて、「AIってこんなに使いやすいんだ」という実感を得られたら、その後は本格的なAI導入や追加のコンサル契約なども検討いただけます。
たとえば、
作付け計画と気象データの連携による“病害虫予測AI”のカスタマイズ
大規模ハウス栽培でのセンサー情報解析
プロモーション活動と連動したAIチャットボットの構築
など、さらに踏み込んだAI活用が広がるはずです。
もちろん導入には一定のコストや新たな学習が必要ですが、無料期間のうちに得た気づきを生かして「自分たちに本当に必要なのは何か」を見極めることができます。これは費用対効果の面でも大いにメリットがあるでしょう。
最後に：一緒に農業の可能性を広げていきましょう
長々と語ってしまいましたが、私たちの思いはいたってシンプルです。
「AIは農業を面白くしてくれるツール。だから、一度体験してほしい」
という一言に尽きます。
農業DX構想の会合で出会ったさまざまな当事者の声――「やりたいけどハードルが高い」「何を選べばいいかわからない」という現実――が、今回の無料コンサル企画の原動力となりました。無料といっても「手抜き」ではありません。私の知識と熱意をぎゅっと1か月に濃縮して、とことん伴走いたします。
ぜひ、応募いただけると幸いです。
〆2025/2/28