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葬儀会社が生産した農産物をを食べて見えた課題の数々

前回、十全社という葬儀会社が北海道での大規模な生産、独自ブランド「水芭蕉米」の確立、そしてお米のグランプリなどのコンテストでの受賞を通じてブランド力を上げる取り組みを紹介しました。

今回は実際にお米や加工品を購入して見えた課題を紹介します。


1. 葬儀業界の変化と農業との新たなつながり

昔ながらの大々的な葬儀スタイルから、現代では家族葬などの小規模な葬儀が増えてきていることは多くの方も知るところ。この市場の縮小を受けて、十全社は新たな方向性として、農業への参入を決意しました。千葉と北海道という、日本の米作りに欠かせない地域でお米を生産し、そのお米を利用した加工食品の開発にも力を入れています。

2. 十全社のお米の加工品を買った結果

米粉パンは、私自身初めての体験でした。小麦アレルギーの方々にとっては、日常の悩みの一つを解消してくれる商品。中でもクリームパンは、外はさっくり、中はクリームがたっぷりと入っており、大変美味しく感じました。また、米粉麺のうどんも、コシが強く、通常のうどんとは一味も二味も違った食体験ができました。

3. 直販モデルの難点:送料と物流の問題点

直販モデルは、消費者が直接事業者から商品を購入する方法で、中間業者を介さずに商品を取得できるメリットがあります。しかし、最近の経験から、直販モデルにはいくつかの難点や課題が浮き彫りになってきました。
今回、1万円以上の購入で送料無料ということもあり、米粉麺、米粉パン、お米を合計1万円分購入しました。

その背後には数々の問題が隠れていることに気付きました。
送料の負担:消費者が1万円未満の購入をすると、送料として1,000円から2,000円がかかることが多いです。特に5,000円程度の購入の場合、消費者が負担する送料は約20%にものぼります。このような高い負担は、継続的な購入を阻害する要因となります。

・物流の問題:私が購入した商品は、3つの異なる配送ルートから別々に届けられました。通常、1万円分でまとめて購入した商品は一つの箱にまとめて届くことを期待しました。しかし、おそらく異なる倉庫からの出荷により、同じ1万円分の商品でも3回の配送が必要になっていました。
例えば、今回の場合、3つの配送ルートを利用した場合、事業者は約4,500円(1,500円×3)の送料を負担することになります。このような高額な送料は、事業者の利益を大きく圧迫します。

これらの問題を踏まえると、直販モデルが持つ経済的な課題は深刻であり、今後の事業継続のためには商品の単価を上げるなどの対策が必要になるでしょう。しかし、それが結果として消費者の購入負担を増加させるリスクがあるため、バランスを取るのは難しい課題となります。

4. 繰り返しの購入は現実的か?

今回の商品は高品質であることは間違いありません。贈答品や特別な日の料理にはぴったりだと思います。
しかし、その分価格も高め。毎月の購入は難しく感じるかもしれません。

物流課題を解決するためには「やさいバス」のような仕組みが不可欠になります。

まとめ

十全社の新しい試みは、異業種の農業参入の新たな可能性を見せてくれました。葬儀業界が農業という全く異なる分野に挑戦するということ自体は新鮮です。一方で物流課題は、他の業界にも示唆を与えるものと思います。これからの十全社の取り組み、そして他の業界の異業種コラボレーションにも目が離せません。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

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