街歩きが収入に変わる!? web3×社会貢献で月10万円越えの新時代のお仕事
ブロックチェーンやNFTと聞くと、まだまだ「投機的な暗号資産」や「デジタルアート」のイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、web3技術は今、私たちの生活に密接に関わるインフラ管理の現場で、静かに、しかし確実な革新を起こしつつあります。その最前線を行く取り組みが、『ピクトレ』です。
東京電力パワーグリッド(東電PG)が展開する「ピクトレ」は、私たちの身近にある電柱の撮影を通じて、インフラ点検の効率化と個人の収入創出を同時に実現する画期的なプロジェクトです。今回は、このサービスの仕組みと、そこから見えてくる未来の可能性について探ってみましょう。
ただの運動から社会貢献へ:web3がもたらす新たな価値創造の形
2021年末、「歩くだけで稼げる」というキャッチーなコンセプトで登場したSTEPNは、Web3における新しい経済モデル「Move-to-Earn(M2E)」の先駆けとして大きな注目を集めました。最盛期には数十万人のアクティブユーザーを抱え、NFTスニーカーの取引が活況を呈する中、人々の健康増進と収益獲得を両立する革新的なモデルとして期待を集めました。
しかし、トークン価値の急落や持続可能性への懸念から、STEPNは徐々に勢いを失っていきました。この経験は、web3における報酬モデルの設計には、単なる「活動」だけでなく、より本質的な「価値創造」が必要であることを示唆しています。
そんな中、2024年に登場した「ピクトレ」は、新たな概念「Contribute-to-Earn」を提示しています。これは単に活動に対して報酬を得るのではなく、社会に具体的な価値を提供することで収益を得るモデルです。インフラ点検という実務的なニーズと、市民の日常的な活動を組み合わせることで、持続可能な経済圏の創出に成功しています。
この進化は、web3技術が「遊び」という個人的な活動から、「社会貢献」という公共的な価値へと応用範囲を広げていることを示しています。それでは、この革新的なモデル「ピクトレ」の仕組みと可能性について、詳しく見ていきましょう。
web3がもたらすインフラ革新
従来、電力インフラの点検は専門業者に委託され、東電PGだけでも年間20〜30億円ものコストが発生していました。約600万本もの電柱を管理する中で、異常の早期発見や災害時の状況把握は常に課題とされてきました。
ピクトレは、この課題に対してweb3技術を活用した斬新なアプローチを提案します。一般のユーザーがスマートフォンで電柱を撮影するだけで報酬が得られ、その画像データが電力会社のインフラ点検に活用されるのです。
ゲーミフィケーションで実現する持続可能なエコシステム
ピクトレの特徴は、インフラ点検という社会的な課題を、ゲーム形式で楽しく解決できる点にあります。ユーザーは「ボルト」「アンペア」「ワット」の3チームに分かれ、指定されたエリア内の電柱を撮影して陣取り合戦を繰り広げます。
具体的には、街歩きをしながら下記の情報を取得していきます。
撮影対象: 電柱、変圧器、換気口
撮影方法: 1つの電柱につき、以下4枚を撮影
全景(2角度)
下部
電柱番号
1つの電柱撮影で60コインを獲得できます。また、チームへの貢献度に応じて獲得できるコインもあります。
撮影した電柱の数やAmazonギフト券や暗号資産(DEP)と交換可能。
※ 6000コインでAmazonギフト券500円分。
群馬県前橋市での実証実験では、電柱1本あたり約30円相当のコインが付与され、中には数十万円相当の報酬を得たユーザーもいたとのことです。
※注意:一般的な稼ぎの目安として、約1時間で20本の電柱を撮影した場合、1200コイン(100円相当)レベルです。時給100円程度なのでこれだけで生計を立てるのはもちろん不可能です。
実証実験から見える手応え
2024年の実証実験は着実な成果を上げています:
群馬県前橋市(4月〜6月):約2万本の電柱を撮影
東京都心部(9月〜):千代田区、港区、中央区で展開
秋田県(12月〜):約3,500本の電柱を対象に実験開始
この成果が評価され、2024年度のグッドデザイン賞も受賞。社会課題の解決とエンターテインメントを両立した革新的なデザインが高く評価されました。
ピクトレの課題と可能性
現在、ピクトレの累計参加者は約700名、アプリのダウンロード数は5,000近くに達しています。ただし、日々のアクティブユーザーは100〜200人程度にとどまっており、ユーザー基盤の拡大が今後の課題となっています。しかし、このモデルが成功すれば、その応用範囲は電力インフラに限りません。道路、橋梁、マンホールなど、様々な社会インフラの点検・管理にも展開できる可能性を秘めています。
web3がもたらす「貢献と報酬の新しい形」
ピクトレの事例は、web3技術がもたらす「貢献と報酬の新しい形」を示唆しています。従来は専門業者に委託していた業務を、一般市民の参加型プラットフォームに転換することで、以下のような価値が生まれています:
インフラ管理の効率化:リアルタイムでの状況把握が可能に
コスト削減:点検費用の一部を市民参加型のシステムで補完
新たな収入機会:社会貢献活動が個人の収入につながる
コミュニティ形成:チーム制による競争が活動の持続可能性を高める
このように、web3技術は単なるデジタル資産の取引だけでなく、現実世界の社会課題解決にも大きな可能性を秘めています。ピクトレの今後の展開は、web3の実用化における重要なマイルストーンとなるかもしれません。
web3が切り開く"社会貢献型収益モデル"の横展開
ピクトレの成功は、単なる一つのサービスの成功にとどまりません。これは、web3技術を活用した新しい社会貢献型の収益モデルの可能性を示唆しています。このモデルが他分野に展開されることで、私たちの働き方や社会貢献の形が大きく変わる可能性があります。
農業分野での展開可能性
例えば、農業分野では「アグリピク」のような展開が考えられます。散歩や通勤途中に農地の様子を撮影することで、農家の方々の目となり、異常を早期発見するサービスです。害虫の発生や生育状況の確認といった、農家の方々の大きな負担となっている日常的な観察業務を、市民の力で支援することができます。報酬は、農産物の直売所で使えるクーポンや、収穫体験への優先参加権など、農業との関連性の高い形で還元することで、継続的な参加意欲を醸成することができます。
建設・土木分野での可能性
道路や橋梁、公園などの公共インフラの点検にも、同様のモデルが適用できます。「インフラピク」として、市民が日常的に利用する施設の異常を報告することで、行政コストの削減と市民サービスの向上を同時に実現することが可能です。報酬は地域通貨との連携や、公共施設の利用ポイントとして還元することで、地域経済の活性化にも寄与できます。
まとめ:web3が切り開く、新しい働き方としての可能性
このような社会貢献型の収益モデルは、従来の「仕事」の概念を大きく変える可能性を秘めています:
時間の有効活用:通勤時間や散歩時間が収入機会に変わる
場所の自由度:特定の場所に縛られない柔軟な働き方が可能
社会への貢献:収入を得ながら社会課題の解決に参加できる
専門知識不要:誰でも気軽に始められる
ピクトレは、Web3技術を活用して「社会貢献」と「収益創出」を両立する革新的なモデルを示しました。電柱の撮影という身近な行動を通じて、インフラ点検の効率化と個人の収入機会を同時に実現しています。このモデルは、農業や建設、環境保全など、様々な分野への横展開が期待されます。日常の行動が社会への貢献となり、それが適切な報酬として還元される―─このような新しい働き方のモデルは、Web3技術の実用化における重要なマイルストーンとなるでしょう。テクノロジーの進化が、私たちの暮らしと社会をより良い方向に変えていく可能性を、ピクトレは示唆しています。
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