東京在住サラリーマンが徳島県でキャンプ場を経営することになったわけ-キャンプ場の土地選びに迷われる方へ-
私がキャンプ場経営をしていてよく聞かれる質問で、「何で徳島県美波町でやろうと思ったんですか?」です。
私が経営するほたる村CAMP FIELDは、人口6000人、四国の右下の徳島県美波町というところにあります。
HP上などで、私たち夫婦がほたる村を継業したストーリーについて掲載しており、その話自体は事実です。しかし、これ以外にも、徳島県美波町でキャンプ場をやることを決めた理由があります。
この観点はキャンプ場の土地選びに迷われている方の参考になればと思います。
1.一人あたりキャンプ場の数は?
徳島県には、70万人強の人口がいて、約40のキャンプ場があります。
キャンプ場の数を人口で割り返した1人あたりキャンプ場数について、2020年ほたる村買収当初の徳島県は全国でその数値が、45位とかなり低位でした。つまり、徳島県は、人口に対してキャンプ場の数が足りていないということが分かります。
キャンプ場の数は、なっぷで県別に調べると大体の数が出てきます。数値は精緻でなくてもいいので、ざっくりとした数値を把握することで、エリアにおけるキャンプ場の希少性が見えてきます。
2.都市から車で3時間以内で来られるか?
キャンプ場の商圏は、車で来られる距離が前提となります。その商圏範囲は、車で3時間程度、遠くても4時間程度です。商圏の中に、人口が固まって住んでいる都市部があるかどうか、あればどれくらいの人口がいるかを考えておく必要があります。
ほたる村の商圏には、主に、徳島市(1.5h)、高知市(3h)、高松市(2.5h)、神戸市(2.5h)、大阪市(3h)があり、その商圏のキャンパーがターゲット顧客となります。
このようなエリアが多ければ多いほど、顧客を呼べる確率が上がってきます。
ただ、3h近くかかる顧客が頻繁に遊びにきてくれる可能性は低いので、ほたる村で考えると、もっとも近い都市部に住む徳島市内の顧客の面を広く捉え、かつ同一顧客に複数回きてもらえるような徳島県内に住むターゲットに対して、リピート戦略を立てることが望ましいと考えています。
3.海山川や観光資源があるか?
キャンプ場の周辺の観光資源をピックアップしましょう。その数が多いほど、顧客を呼べる確率が上がってきます。
例えば、ほたる村の周辺には、山だけでなく、海、川が揃っています。夏になると、ほたる村に泊まりながら帰りに海水浴に行ったり、川遊びをされるお客さんが多くいます。
その他にも、四国八十八ヶ所、二十三番札所の薬王寺があったり、道の駅も近くにあるので、帰りに観光して帰られう方もいらっしゃいます。観光資源が近くにあると、キャンプ場をベースにして遊びにいくこともできるので、ただキャンプ場で泊まるだけでなく、そこをベース基地として遊んでもらうことで、長期滞在をしてもらえる可能性も上がります。
4.年中キャンプができるか?
最近はキャンプ道具の機能が向上し、冬キャンプ需要が伸長しています。これはキャンプ場経営にとってメリットがあり、キャンプ市場が伸長している要因となります。
この需要を享受するためにも、冬キャンプができるかどうかは大切な要素です。高原は夏は快適で夏場の人気は高いですが、冬場凍結してキャンプ場に車が入れないなど、制限が出てくるので、夏は涼しく、冬は雪が積もらず凍結しないような場所が一つの理想的な場所だと思います。
私のほたる村は低地にある里山なので、夏場は日が落ちると涼しく、冬場は雪が積もらないので、通年営業できることも、メリットと考えています。
5.買い物できる場所は近くにあるか?
顧客単価を上げるために、キャンプ場に売店機能を備えたり、有料シャワーを検討される方も多いかと思います。高規格キャンプ場では、中で飲料やお菓子やアイスが売っていたり、温泉施設があったりします。
個人経営の小規模キャンプ場ではそのような機能は必要ないと考えています。
飲料などは近くにスーパーや自販機があればそちらの品揃えには勝てないですし、賞味期限もある食品の在庫リスクを抱えながらの経営になってしまいます。
個人経営で販売した方がいいものは、需要が高くて、管理コスト(賞味期限などがない、長い等)になると思います。例えば、薪や炭、CB缶がそれに当たるかと思います。他には、競合に差別化されたものです。例えば、オリジナルビールや、キャンプ場オリジナルグッズなどでしょうか。
また、シャワー室も近くに温泉があれば必要ないと考えます。
夏場はお風呂に入るキャンパーの方は多いですが、それ以外の期間は日中汗をかかないので1泊程度であれば、お風呂に入らない方がとても多いです。
また、シャワー室があっても近くに温泉があればそちらを利用する方も多いです。シャワー室を備えると、掃除をする管理箇所が増えたり、不純物が多い川の水を使うとシャワーの交渉確率が高くなります。そのため、需要があまり高くないのに、導入コストも高く、管理コストが高いシャワー室を備える必要はないと思います。
顧客満足度を上げるシャワー施設となると、スーパー銭湯や、温泉などかなりコストがかかる設備が必要となるので、個人で投資するにはコストメリットがないと思います。
そこで、キャンプ場近くにあるスーパーやホームセンター、温泉は、キャンプ場が備える必要がある機能や設備の代替をしてくれて、顧客満足度を上げてくれます。
温泉設備も人によっては、近くにないと不満を抱かれる方もいるので、近くにそのような施設があることが望ましいです。
在庫は何でも揃うスーパーやホームセンターに任せ、薪や炭など購入確率の高いアイテムに絞って販売することをお勧めします。
ほたる村の近くには、スーパー、コンビニ、道の駅、温泉、観光施設があったことも決め手になり、事業承継することを決めました。
キャンプ経営に関わるコンサルティングを「ココナラ」で請け負っておりますので、更に詳しく知りたい方は「hotarumura」と検索してみてください。
記事が気に入っていただけたら、スキやフォローしていただけると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?