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日本現存の48型団地 広島市営平和アパート
2025年の1月14日 昨夜は岡山市内に宿泊、朝から広島に向け出発。
お次の48型団地は広島市営の平和アパート。
こちらの団地も今も住民が生活の場としている団地であり、外見は比較的綺麗なのでした。こちらも3棟が連続して並んでいるのだけれど一番北側の棟が48型でした。
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南側が3号棟で、原爆詩人の峠三吉が1953年の死去まで居住していた場所でもあります。そういった意味で、この平和アパートは残すべき建築遺産の一つとして、保存の要望の声も上がっているようです。真ん中の2号棟の向かいにある集会場のような建物の横に、ひっそりと峠三吉さんの碑が立っていました。
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峠三吉さんの眺めた「河のある風景」のままに、平和アパートの正面にはゆったりと京橋川が流れています。
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一応観光スポットにもなっておりgoogleMAPで検索するとちゃんと出てくるので、ナビの設定で平和アパートを調べるより分かり易かったりする。
(地図クリックで、googlemapが開きます)
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真ん中の2号棟には三角屋根が付いています。
川に沿って立っているので正面が南西面になるだろうと思います。窓にエアコンの室外機が置かれている部屋が見えるけれど、ボイラーの排煙口は見あたりません。
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裏に回ってみると、棟を真っすぐに通る排水管と並行していくつも垂直なパイプが見えます。さらに1階の手前に集中してガスのメーター機器が見えて、その横にボイラーの排煙口らしいものが見えることから、たぶんこの平和アパートの49型団地では入口の奥台所の横に風呂も作られているのではないかと思いました。
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比べて平和アパートの1号棟は、南西側の正面部分を増築して風呂スペースが作られているようですね。棟の手前にお風呂の風呂釜排煙口が出ているのが分かるでしょうか。間取りが分かる写真でもないかなあと検索するとこんなサイトが
中には長崎の旧魚の町団地と同じ間取りの図が、同じ48型なのだから本当に同じなんだなあと
広島、長崎という被爆都市にこの48型が建てられた経緯も、まったく焼け野原となったこの地に、燃えないコンクリート住宅が建てられた同じ経緯があったわけで、それは、関東大震災で同じく大火災で焼け野原となった東京に同潤会アパートが建設されたのと同様の設計思想と住民の希望が感じられます。
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「ビブリア古書堂の事件手帖」の作者三上延さんによる同潤会代官山アパートメントという小説の中でも、主人公の旦那が、主人公の女性がこんなコンクリートの住宅に住みたくないという想いに、無口な旦那さんがその気持ちに自分も同意しながらも、燃えない住宅に妻を住ませたかったというくだりがあり
当時のコンクリート住宅への憧れにこんな思いが詰まっていたんだなあと、あらためてふと思い出しました。
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48型の特徴である。玄関の階段を上ると正面に入口というレイアウトはこちらも同じでした。
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原爆投下からわずか2年目で建設が始まったこちらの48型団地も、安易に解体を選ぶのでなく有効に活用できることを願ってやみません。
ということで、お次は下関だ!目的は団地巡りではなくて、下関の大丸百貨店で行われる催事に私のNPOのジャムやソフトクリームなどの商品を届けるために車を走らせているのだけどね。(続く)