気管切開での嚥下訓練Part2〜声門下圧を高めて経口摂取獲得〜
皆さんこんにちは😆🎵🎵
臨床BATON 197日目を担当します、急性期でスーパーSTを目指すyuccoです。
S Tの仕事と育児、脳外臨床研究会での活動に奮闘中です♪
脳外臨床研究会の活動の一つ、脳外臨床研究会山本秀一朗のセミナー動画(20分)とセミナーレポートをまとめたnoteはこちらからどうぞ💕
新人教育や日々の臨床の悩みのヒントが見つかるかも❣️
また、今までのyuccoが書いた臨床BATONの記事はこちらからどうぞ↓
#臨床BATONスーパーST
《はじめに》
以前に、気管切開での嚥下評価 Part1〜生きることと生かされること〜というブログをお届けしました。気管切開での初回嚥下評価の方法と最後まで食べることを諦めずにトライできた症例さんのことをお伝えしています。
ご本人やご家族が人生を生きるということに寄り添うことを学ばせていただきました。
記事はこちらからどうぞ!
今回は、気管切開での嚥下評価の後、直接訓練をトライできる患者さんで経口摂取を獲得し気管カニューレを抜去するために重要なことをお伝えします。
結論から言うと声門下圧をどれだけ高められるかがキーポイントです!!
この内容はセミナーとしてもお伝えしていますので、こちらからどうぞ
脳外臨床研究会摂食嚥下オンラインセミナー
【呼吸器リハと気管切開での嚥下評価〜基礎から学ぶ呼吸と嚥下〜】
《気管切開とは?》
まずは、気管切開の復習からしていきましょう。
気管切開とは、頸部で気管を切開し、気道を確保する処置です。上気道狭窄ないし閉塞による呼吸困難除去のほか、長期にわたる気管分泌物や呼吸の管理をする場合に行われます(広辞苑,2008)。
《どうして気管切開が必要?》
気管切開が必要な理由は上記3つの原因が考えられます。
セミナーの中でお伝えしている症例は、コロナによる重症肺炎にて人工呼吸器管理となり、喀痰喀出が困難で常時吸引が必要な状況でした(②と③の要因です)。
《気管切開の場所はどこ?》
気管切開の場所は第2-4気管軟骨にすることが多いです。ここは直接舌骨下筋群を切開するわけではありませんが、気管カニューレがあることで喉頭挙上を阻害する因子になります。
《気管カニューレはどのようなものを使用するか》
様々種類がありますが、嚥下訓練や発声訓練をするために使いやすいなと思っているのは、下記コーケンネオブレススピーチタイプです。当該症例さんも使用しています。
なぜならば誤嚥しても吸引ができることと、発声練習ができるからです。カフ付きカニューレであり、カフ上に誤嚥した分泌物や食べものが貯留するため、吸引ラインからの回収が可能です。また、内筒を取って発声バルブを装着することで発声練習ができます。声帯の機能を高めることは最後の誤嚥防止機構であり、咳嗽力を高めることに繋がり重要です。
《気管切開の嚥下への影響》
大きくは嚥下の5期モデルにおいて『先行期』と『咽頭期』が問題になってきます。
気管切開をすると、呼吸は上気道を通らずに気管カニューレを通して呼気と吸気のやりとりをします。つまり鼻を呼気と吸気が通らないことで匂いや味がわかりにくく、食欲がわかない、美味しいと思えないという問題があります。
また、咽頭期では気管切開により下記4つの影響を受けます。
特に①と②の影響は、誤嚥に繋がる大きな要因だと考えています。
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