腹圧を高めるためのアプローチ
皆さんおはようございます☀
本日も臨床BATONにお越しいただきありがとうございます!
276日目を担当するのは、脳神経外科病院で働く理学療法士のシミーです>
いよいよ12月となりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
シミーは思い残すことがないように、そして来年もいいスタートが切れるように今年もあと1ヵ月を全力で駆け抜けたいと思います。
先月は『なぜ、腹圧が重要なのか?』という記事でした。
臨床において腹圧がなぜ重要であるかということを知っていただけたかと思います。
まだ見ていないという方は下記のリンクよりどうぞ!
知識としては腹圧の重要性を理解しても実際の臨床でどうやって腹圧を高めるアプローチをしていけばいいの?と感じたかと思います。
今回は、実際に私が臨床の中で実践している腹圧を高めるアプローチの考え方とその方法をまとめていきます。
どうぞ最後までお付き合いください!
〇なぜ、腹圧が重要か?
まずは簡単に前回のおさらいです。
そもそも腹圧とは、「腹腔内の圧力」のことです。
腹腔内圧はInternal Abdominal Pressure(IAP)といいます。
腹腔とは、「横隔膜より下部の腹壁で囲まれた体内空間」のことです。
私たちはこの中の圧力のことを「腹圧」と言っています。
なぜ、腹圧が臨床において重要かと言いますと、
腹圧は腰椎の安定性に関与し、体の中心を安定させます。体の中心を安定させることで四肢の運動を円滑に行うことができます。さらに、アライメントが整うことで姿勢保持能力を発揮しやすくなり、静的・動的バランスを安定して保持できます。
体の安定性という部分に大きく作用しているため、臨床において腹圧は重要視されるのです!
もう少し細かくいうと、腹圧が高い状態とは、抗重力伸展活動が効いているときです。
人間に限らず、地球上の生物や物体は重力という力に対して抗しているのです。重力に対抗している力が強くなるほど、地面に対して垂直方向の動きが出ます。
これが人間では、脊椎のS字カーブが上方へ引き上げられるような動きになり、抗重力伸展活動といいます。
〇腹圧を高めるための考え方
①腹圧を高めるために必要な要素を改善(働きやすい状態にすること)すること
②腹圧が高まることを阻害する要素を取り除いていくこと
上記のように二つの考え方になります。
①は皆さんが実施しているアプローチの考え方です。
足りていない要素を改善するか、補うかなど、「足していく」考え方になります。
例えば、筋力が低下していることが原因なら、筋力低下を改善し、「筋力」という要素を足していきます。
②は逆に「引いていく」考え方になります。
腹圧が高まるために邪魔になる要素や状態、習慣など必ずあるはずです。
それを取り除いていくという考え方です。
例えば、関節可動域制限が原因なら、「動かない」という状態を取り除いていくことです。
このように原因をわけて整理していくことで、何に対してアプローチしているのか?を明確にできます。
加えて、整理するためには「評価」が必ず必要になります。なぜならば、どんな状態なのか把握しないといけないからです。
整理していくことを徹底してくると、必然的に評価も徹底していくことになります。
私自身、新人時代は何に対してアプローチしているのかわからないことが多々ありました。
腹圧を高めるというアプローチも選択したことはありますが、当然ながらいい結果を得られませんでした。
効果がないことも思考過程がしっかりしていれば十分な“結果”として次のアプローチに活かすことができるのですが、当時はそのように思考を広げていくことができていませんでした。
今回は「腹圧を高める」ということを目的として考え方をお伝えしましたが、腹圧だけではなくその他のアプローチに使えます。
では、実際に①と②の要素に対してのアプローチをお伝えしていきます。
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