亀は意外と速く泳ぐ 感想
(ネタバレあります)
今まで見た映画で一番期待を裏切らなかった映画、それは、三木聡監督の
亀は意外と速く泳ぐです。
だいたいあれみたいなぁって長い時間経ってから見ると、期待が大きすぎて、がっかりすることが多いけど、この映画は思ってた通りに面白かった。
ひと言でいうと、くだらなさの中に輝きを見出せる映画だと思います。
あらすじは、主人公の平凡な主婦のスズメ(上野樹里ちゃん)が、スパイになると言う話。
DVDで見たんですけど、オーディオコメンタリーというやつで、
監督のコメント聞きながら見られるんですよね。本編より好きなくらいおもしろい。
いっちばん好きなのは、岩松了さんがファミレスで水をこぼし、それをふいたハンカチを、泣いてる主人公のスズメ(上野樹里ちゃん)に渡すところ。
ああいう、その辺にいそうでいないおじさん。好きです。
あとでレシートを渡すシーンもよかった。
(唯一スパイっぽい?)
トイレで知らないおばさんにぶつかられ、(さらにオナラまでくらって)
(私って見えてない?)
という樹里ちゃんのセリフに私は大いに共感しました。
存在感というのとはまた別で、なんか物体として気配が薄いんですよね。
あの時いたっけ?とかじゃなくて、わっ!いたの?みたいな感じ・・
要潤さんの頭を拭くくだり(ここはネタバレしません。)
は本当に最高だった。あと、自分スロー笑。
床屋(温水さん)のダンスシーンは見物でした。なんか絶妙だった。
岡本信人さん(お父さん役)とのシーンもちょっと違うトーン(監督の意図によるもの)でほのぼのしてて良かった。樹里ちゃんは食べれる野草教えてもらったりしたんだろうか。
松重豊さんのファンになったのはこの映画を観てから。ラーメン屋の店主。ふつうにかっこいいんだけど、いい味だしてるおじさん。あの"そこそこのラーメン"食べてみたい。
クジャク(蒼井優ちゃん)が、気になっていたピアノの音色が流れてくるお家をのぞいたら、ノコギリさんだったっていうのがくだらないけど、謎すぎる。
ずっとくだらないの連続なんだけど、クライマックスには切なくなってくる。くだらないからこそ、切なさが胸にくるように私は感じました。
スズメが、みんなのために自転車を飛ばして、電線を切りに行くところは心に迫るものがあった。
音楽も良かったし、エンディングのレミオロメンも良かった。
とにかく全部が良かった。
映画も最高に笑えたんだけど、コメントの中で、監督が映画が公開された時、舞台挨拶に行った映画館の前で職質されたっていうのが一番笑えました。
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