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ダイスで決める麻雀リーグFC観戦記 第三節

 同日に行われた対局ではとくとくらげ氏がノーホーラトップを決めて話題となったが、私の振ったダイスは違う卓を記事にしろと導いた。でも記事が見たいのは事実なのでぜひ作ってほしいな(はあと)
東家 銀貨先生(Luna de esperanza)
南家 咲楽めいVtuber(あさひなライジングサン)
西家 武則輝海プロ(ANC PURPLE BATS)
北家 Yukiちゃんねる(GENESIS)
(敬称略)

オリるだけじゃ終わらない

 この半荘は咲楽めいとYukiちゃんねるの先制からスタートしたが、それを一蹴するようなアガリが飛び出した。

 ドラ3のある銀貨先生さんはチャンス手かに見えたが、武則プロの先制リーチ。そこに対して安パイは0。まっすぐ行くなら9sだが、8sが宣言牌だ。ここの選択は?

 打9pとした。ターツ落としこそ入ってないもののやはり8切りのリーチに対して9sを押すには形が弱いか。2枚落とせる牌であり、放銃のリスクを抑えた打牌だ。この時点では攻撃のことはあまり考えていなかっただろう。

 事実、6mを使いきれる8mをツモ切り、次巡9sを切らずに3sを抜いた。3sワンチャンスの2sを選ばなかったのだ。このような点だけでも守備力の高さが光る。しかし、ここで終わらなかったのが銀貨先生だった。

 押すときに切るべき9sが2枚になったのだ。2巡凌げるのは2sもあっただろうが、そこは攻撃との兼ね合いも考えて9sとした。

 切りたくない6mにくっつく値千金のr5m。打点が跳満に、押すべき牌が3枚から2枚に減り、対面のリーチへの放銃打点の低下も進む。押しを意識したのは、この段階でようやくだったのではないだろうか。

 そしてピンズをどちらでも使える5pツモ。自分の手は鳴ける跳満だ、巡目はないもののここで4sを…

 離さなかった!ここはノーチャンスになった3p切り。恐らく,4sは選択肢にもなく、3pと7pの比較で放銃率は2pが先に切られている分3pの方が低いだろうと判断したのではないか。あくまで、守備をベースとした押し返しの思考だ。

 そして7mを鳴いてたどり着いた聴牌!これが最初で最後の押しだとばかりの4s叩きつけ!直後に中筋の6pを討ち取ることに成功した!

 この半荘の流れを一気に変える12000を上がり切った。この手順は銀貨先生の好バランスを1局に表していたのではないだろうか。

失敗の道から切り開け!

 東4局のYukiちゃんねるさんの手進行に注目したい。引いてきた3pで2度受けながら両面3つ目。ここから何を切る?

 Yukiちゃんねる氏は打7pとした。しかし,筆者はこの打牌は小さくないエラーだと考えている。いくら両面とはいえ2度受けでフォロー牌の重要度は小さくないし,今回は67799を残したままなら8pを引いてもピンズの形を両面のままにできる。678三色もやや遠いのでカン7s払いを選択したい。

 すぐに裏目を引いてしまう7pツモ。カン7sを一手先に払えていれば…と,後悔の残る打牌になってしまっただろうが,ここで終わらなかった。

 6pと,そして4枚目の7pを引き9pの対子落とし。そこに引いてきた8mは,なんと9mを切りタンヤオ移行ができる牌だった。7p4枚目を残せていたら,8mは既に河に放たれていただろう。

 そして上家が切ったr5pをチーテン。テンパイを取り切った。打牌の最善は尽くせなかったかもしれない。しかし,その後悔に動揺まではせず,堂々と打っていった。

面子手とチートイの狭間で

 南1局,咲楽めいさんの手牌を見ると,5対子でチートイのイーシャンテンだ。ただ,ドラの6pも対子かつ,手牌がすべてタンヤオ牌で構成されており,喰いタンのルートも残したい。147mがそれぞれ2枚も切れているが…?

 咲楽めいさんの選択は3m切り。この打牌は面子手を本線に置いて,チートイはテンパイすればいく,くらいの感覚に映った。3mは非常にチートイの重なり待ちとして良さそうで,ソーズの場況が高くそこの縦はあまり期待できそうにない。それでも,面子手の時に47m5枚切れを重く見て,マンズのブロックを減らしにかかったのだ。2mや6mにしなかった,もっと言えば上家の7mをスルーしたのも,チートイは自主的に消すことはないようにの選択か。

 この選択が功を奏した。4sを縦に引き,テンパイを入れられた。筆者であればソーズの高さを嫌いつつ仕掛けを意識し4sを切ってしまいそうだった。この両天秤の選択で,いち早いテンパイを魅せてくれた。

2枚切れだろうとも

 続いて南1局の武則プロの手牌。ホンイツに向かう手に見えるがダブ南は2枚切れになってしまった後。七対子にするために2m対子は残すか?それでもホンイツに向かうか?

 武則プロの選択は2m対子落としだ!ホンイツの形としてあまり良い形ではないように思えるが,他者の切り出しが標準的で白と中を重ねやすく,そして鳴きやすく見ての選択か。

 目論見通りに中を重ね,道中で南を対子落とししていく。

 巡目が進んでも冷静に,ポンしやすい端受けを残していく。ホンイツ苦手民としてとても参考にしたい(素)

 しっかり9sをポンすることができ,5200の加点。このアガリで2着を固いものとした。

最高を目指して

 そしてその局の裏で,点棒を回復できていない咲楽めいさんの葛藤があった。

 最後の親番でこの手牌,かなり両面以上の待ちの立直が打てそうだ。しかし,咲楽めいさんはここから9mを切った。場を見渡してみるとマンズの上は非常に良く見え,7m受けを嫌うのは筆者は損だと考えている。咲楽めいさんは,違う最終形を描いていたのだと思われる。先のYukiちゃんねるさんのタンヤオ変化と同様,筆者の全く予想のしない方向へと,手牌が変化していく。

 その次巡,この4sツモから切り出した牌に,その最終形を垣間見る。

 打5sだ!下家がソーズのホンイツだからソーズ受けを嫌った?それならソーズの4s8sシャボなんかに固定せず,4sを下家に先打ちがいいだろう。ここから見据えた形は…!

 タンヤオトイトイ,そして8の三色同刻だ!!!

…ここまで盛り上げるように申し上げたが,忖度なしに言わせていただくと,この狙いは明確に損に見えます。三色同刻だ!!!と太文字にしましたが,このまま58m8pでは三色同刻にならず,67mツモのもう1手変化が必要で,しかもそうなっても跳満にしかならない。もともとの手は既に立直ドラ1タンヤオor平和の満貫級と言って差し支えない手である上に,満貫でもツモってしまえば2着目まで上がる。跳満が絶対に必要というような状況でもないのだ。以上の理由から,9mを切ったところから,方針が間違っていたのではないかと愚考いたします。

 ですが,このように別のルートを開拓しようとする打ち筋は,他の人に非常に大きな影響を与えるのではないでしょうか。自分で当たり前のように打っていた箇所で,チームメイトは違う打牌をする。違いを探すように自分の打牌を練り上げていく。これこそがチーム戦の醍醐味ではないでしょうか。
 ユニークな打牌が少なくなるのは一見盛り上がらなくなるかもしれませんが,私は,これからの咲楽めいさんの成長に,リーグ後半の打牌に,期待しております。

がんばれGENESISリーダー

注)ここからの文はだいーぶ個人的主観マシマシにしてしまいましたが,この主張は曲げられないなと思ったので載せました。雷電批判成分も含んでいます。それらが嫌という人はいいねしたあとブラウザバックだ。

 そんな咲楽めいさんから対照的に感じたのがGENESISのリーダー,Yukiちゃんねるさんだ。前に示した7p切りも損でないかと評したが,それ以外にも違和感のある打牌があった。

 南3局のこの手牌。86sはツモ切ってチートイのやる気満々だ。マンズ下はよく見え,23mはかなり縦引けそうだが,白は1切れ,発は生牌。どれかを見切らなければいけない。ここで切ったのは2mだった。

2巡後に3m縦でテンパイだ!恐らく,6mを切っていたことで筋引っ掛けの立直を意識したのだろうか。ともかく,ここで七対子のテンパイ,1切れの白単騎か生牌の発単騎。どちらにせよ元気よく立直に…

 いかなかった。この手をダマに構えたYukiちゃんねるさん。親の手が早そうであることを評価したか?しかしそれでも親の現物白単騎立直にすれば他家から切られる確率もいくらか上がり,現状チートイのみとはいえ曲げて裏裏という現実的な可能性で高打点になり,それがツモであれば一気にトップ目でオーラスを迎えることができる。この選択は,消極的すぎるのではないかと提言したい。

 極めつけはこの場面。絶好のカン2pを引いてのイーシャンテン。2ヘッドを維持しつつ,2度受けを嫌う8mを切る場面だ。

 しかし,ここで7mを切ってしまう。8m切りではテンパイになる牌は20枚あったのに直接テンパイの受けが12枚しかない。

 そして7sを引きテンパイを逃してしまう。この後に36mを引くことなくこの局の運命を変えることはできなかったのだが,これらの,とても平たく言ってしまえば凡ミスに,筆者は眉を顰めた。

 Yukiちゃんねるさんは前身のFリーグからリーダーとして参加しており,その中で他の方と麻雀について交流する機会はかなり多かったはずだ。それに関わらず,このような粗が残ってしまっていることが,率直に心配だ。
 先ほど,チーム戦をチームメイトの打牌の違いを擦り合わせられると評したが,それ以上に,自分のマイナスポイントがチーム全員にのしかかることが大きいと思っている。麻雀の上達の道は非常に地道な上に,日常として役に立つことはないだろう。だから,よっぽどの麻雀ジャンキーくらいしか,必死に上達しようとはしない(言ってて悲しくなってきた)。しかし,自分の苦しさが他人にも共有されるならどうだろうか。チームメイトの為に,負担をかけてたまるかとばかりに,上達を目指せるのではないだろうか。麻雀は個人競技だ。しかし,チーム戦であることは,チームを引っ張ろうとする連帯感が生まれるというところに,しっかり意義があるものと考えている。 

 だから,麻雀の実力度外視にドラフトで選出することに筆者は嫉妬しない。いや本当はほんのちょっと,ちょーっとだけ嫉妬してるけど,広報を担うチームメイトも必要だと納得している。だが,そのチームに選出されて,上手くなろうとしていないのであれば,それは盛大に批判したい。チームにそんなに肩入れしていないんじゃないのかと,筆者はそう思ってしまう。聞いてるか雷電 
 もちろん,Yukiちゃんねるさんは麻雀配信を多く行っているし,活動が精力的でないなどとは口が裂けても言えない。だから,Yukiちゃんねるさんには「チームメイトをもっと頼っていけ」という言葉を送ります。チームメイトの為にマイナスを減らす為の連帯感が,更に自分を強くしてくれると思います。GENESISリーダーとして他にやることもあると思いますが,それを担ってるんですから,チームメイトから教わっちゃってください。むしろそんな実力を吸収できる美味しい位置に居て,後半に同じようなミスを見受けたら私が許しません!その成長を,以前の配信から見てた身として応援してますからね!!!

…という形で,今回の観戦記を締めくくりたいと思います。あまり観戦記っぽくない,私の思想ゴリゴリのNoteになってしまいましたが,私が自分で出しているものであるというのもあり,自分の好きなように書かせて頂きました。ですが物書きとしては卵もいいところなので,不快になるような表現があれば吟味の上訂正したいと思います。その他感想など,お待ちしております。

 そして最後に,今回のサムネに使わせて頂いた絵はボムチュウさんから頂きました!ありがとうございます!こんな素晴らしい絵を頂いたからには,これからの執筆活動に気合いを入れて取り組んでいきたいと思います!

 最後までお読みいただき,ありがとうございました!

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