「自由と成長の経済学」を友だちに紹介するなら
今回は、「自由と成長の経済学」を読みました。2021年8月24日第一版第一刷で、著者は柿埜真吾さん。新しめの本です。
ツイッターで音喜多駿さんが紹介していたので読んでみようかなと手にとりました。恥ずかしながら私が政治に興味を持ち始めたのは音喜多さんのツイッターとブログでした。情報を可能な限りオープンにする姿勢に共感してずっと応援しています。
さて、内容ですがざっくり言うと「成長をやめて社会主義にした方がみんな豊かで幸せになる、という意見が指示されつつあるが、みんな目を覚まそう!資本主義の素晴らしさを確認しよう!」というものです。
具体的には、斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』(脱成長コミュニズムを唱えているベストセラー)に対する反論となっております。
とは言っても、資本主義の素晴らしさというより社会主義のヤバさが説明されているといった方がいいかもしれないです。私が資本主義と社会主義の概念を認識したのは、学校の社会の授業だったと思います。さら~っと説明があり、ふ~ん、くらいの感想だったかと。先生は、社会主義の世界ではどれだけ頑張っても賃金が変わらないから、労働者はだんだん怠けるようになっていくと説明されていたことは覚えていますがその程度です。
ですが、こちらの本を読んで、旧東ドイツでは何十年も全く同じ車を製造販売していたとか、その事実に対して誰も声をあげられず国も放置だし、資本主義社会では勤めている会社が嫌なら転職できるけど社会主義社会だと雇用主は国しかないんだから転職すらできない等、ちゃんと考えればそうだよね!と思われることが丁寧に書かれていました。
一番膝を打ったのは、日本では金儲けが卑しい行為と思われがちですが、それはかつての封建社会等での「誰かの利益は誰かの損」といういわゆるゼロサム思想によるものだという部分でした。確かに、利益をあげることが誰かに損害をもたらすとしたら、あまり褒められてことではありませんよね。
なんだけど、資本主義社会ではそうとは限らないし、あなたが貧しいのは私が豊かであることに直結するわけではないわけです。豊かになる方法を自由に考え工夫することが出来るのだから、やれば良いのです。そりゃそうだ。
自由に競争できる社会って素晴らしい!(というか、自由に競争できない社会が恐ろしすぎるので絶対お断り)てことが、とっても分かりやすく書いてあります。
資本主義や社会主義について学校でしか学んだことがない人にオススメです。
ぜひ読んでみてね。