自動車講習会
免許の更新に行ってきた
初めてかつ、免許更新の期限が切れていたので
講習は2時間にも及んだ
『期限が切れてしまった理由を下記からお選びください』という項目の1番上に
『海外旅行』とあった
案の定パスポートも期限切れではあるが
ちょうど今、オードリー若林の
カバーニャ要塞の野良犬を読んでいるのもあり、
何も考えず『海外旅行』にチェックし、提出した
『82番の人〜❗️』
自分の番号が呼ばれた
『期限が切れた理由が海外旅行ということなので
パスポート見せてください』
『あ、えっとテキトーにつけちゃいました、
ごめんなさい』
警察官みたいな人にこっぴどく怒られたのは
これが最初で最後でありたい
初対面のおじさんに怒られることは
職場で怒られる時ほど苦痛じゃなかった
職場で怒られる時は
全ての言葉を受け止めてしまうので
自分の存在そのものを否定されたような気持ちになる
そして、自己肯定感が下がる
職場で怒られた時も
このくらい聞き流せたらな
ていうか、そんなに大事な調査なら
『⚠️正直に答えてね❗️』くらいの文言は
付け加えておいてほしい
教習所にある食堂でぼーっとしていたら
いつの間にか講習の時間になった
東京では珍しい癖のある方言を使うおじいちゃんが
講師として教室に入ってきた
この講習会、隣のサラリーマンが
自分の腕の毛を2時間抜き続けるくらいには
つまらないものだった
中田敦彦のYouTube大学くらい
イキイキ話してくれたら
隣のサラリーマンも
第一志望の会社の合同説明会くらい
頷きながら聞くだろうななんて考えていたら講習会は終わった
自動車講習会
それはなんの共通点も面識もない老若男女が
同じ時間、同じ場所に集められ
一言も言葉を交わすことなく解散する奇妙な時間だった
私は一期一会野郎なので
講習会から1週間経った今でも
右腕の毛抜きに2時間費やしていたサラリーマン今何しているのかなとか
開始早々にヘッドホンつけて机にうつ伏せになって寝ていた女子大生元気かなとか
考えてしまっている
なんの共通点も面識もない老若男女といったが
共通点がひとつだけあった
それはみんな有効期限を切らした人たちだということ
人間のだらしなさって中々変われるものじゃない
3年後右腕の毛抜きサラリーマンは
またあの場所ですね毛を抜いてるかもしれない
人はそう簡単には変われないといったが
私は次の更新こそは有効期限を切らすまいと意気込んでいた
このままだと
サラリーマンに会うことを言い訳にまた有効期限が過ぎるかもしれない