上場外食7月度月次推移(5カテゴリー17社)

・　出典は全て各社月次売上速報公表値を筆者が作表
・　対比は既存店の売上・客数・客単価のみ
※　コロナ禍の影響で月次数値が大きく振れており、グラフの縦軸100.0(%)の位置が必ずしも上下の中央には無いグラフがあります
※　各社とも大体7営業日メドの開示となっており、かつ”速報値”として開示している為に、前月の数値が修正(変更)されていることがある点をご容赦願いたい
・　ここで既存店のみ比較するのは、カテゴリー毎に比較する上で、各社/業態の商品政策(商品≒客単価、パブリシティ等≒客数)と、それの顧客の受容度(客単価を上げて、客数減など)、そしてそれらの結果としての売上高を見るため
・　前年の対前年推移も同色破線で表示＝前年の推移と対比することで異常値の理由が読み取れる

１；ファストフード(ＭｃＤ、ＫＦＣ、モス)

ファストフード：売上高 *KFC未開示

ファストフード：客数 *KFC未開示

ファストフード：客単価 *KFC未開示

ファストフード：コメント

・通常営業に戻り始めながらも、店内喫食が戻りきらない分、テイクアウト/デリバリー/ドライブスルーで補って、売上は前年キープ、という構図と思われる
・客数が90%前後までしか戻らない中、客単価が116%前後であることを見ると、そういう構図が見て取れる
・KFCについては未開示なるも、おそらく違う推移を見せるものと思われる

２；牛丼(吉野家・すき家・松屋)

牛丼：売上高

牛丼：客数

牛丼：客単価

牛丼：コメント

・３社とも回復基調にあるが、注目したいのは客単価推移である
・松屋(青)とすき家(朱)に比べて、吉野家(黄)の推移が”暴れている”のが見て取れる
・コロナ禍対応として値引き等の販促をかけた結果として、客数の押上げ効果はあったものの、ウィズ/ポスト・コロナ期への移行が進む中では、改めてチェーン店としての顧客側の持つ「値ごろ感」がブレた、とすれば、今後の客数維持では、松屋、すき家に対しては苦戦することになる
・要は”販促(麻薬)漬け”になってないか？が懸念される、ということ

３；ラーメン・中華(王将ＦＳ、幸楽苑、日高屋、力の源)

ラーメン・中華：売上高

ラーメン・中華：客数

ラーメン・中華：客単価

ラーメン・中華：コメント

・力の源(一風堂)以外は”食堂”的な業態であることから、今の環境では有意にい回復の差が出ている
・一風堂は打ち手が限られており、一方で王将は昨年からデリバリーに戦略的に取り組んできたり、遅ればせながらも日高屋や幸楽苑もデリバリー施策で売り上げを取り始めている
・ただ、ここまで一気にデリバリー(UberEatsや出前館など)が拡がると、逆に差別化要因になりづらくなり、かつ他社(デリバリープラットフォーマー)のサイトに自社の売上の選択肢をゆだねることになることを良しとするか？という議論も、中長期的には必要と思われる(このカテゴリーに限らずだが)

４；丼カレー(かつや、てんや、ＣｏＣｏ壱番屋)

丼カレー：売上高

丼カレー：客数

丼カレー：客単価

丼カレー：コメント

・7月に入って、かつやの好調が目立つが、客単価と客数の推移が逆相似となっている
・一方、残る２社は客単価はほぼ横ばいで推移している
・これをどう評価するかは難しいが、商品的にはコロナ禍には強い業態であるので、あとは顧客に継続して利用いただけるか？という”基礎的な力”が問われていく
・かつやについては、派手な販促は行ってきていない(基本は次回来店の値引きのみ)が、オードブルが売れていたようなので客単価が上がっていたが、おそらくその需要が落ちて、いわば通常稼働に戻ったのではないか？というのが私見である

５；回転寿司(スシロー、くら、かっぱ、元気)

回転寿司：売上高

回転寿司：客数

回転寿司：客単価

回転寿司：コメント

・売上高は各社ともほぼ同じ推移
・ただし、客単価は元気寿司が緩い右肩上がりなのに対して、残る３社とも４～５月に客単価を引き上げる策を打っている
・にもかかわらず、売り上げ面では元気寿司も３社と変わらない推移をしている
・ということは、平たく言えば、元気寿司は”販促費の無駄遣いをしなかった”ということになる

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