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吉祥寺でやってる「ネコトモ2025」に行くといいよ

いしかわじゅんプロデュースの「ネコトモ 2025」at リベストギャラリー創、行ってきた! 毎年の恒例で一回目から行ってるけど、毎回新しい発見と欲しいものが必ず出ている、凄い展示会なのだった。今年は、レギュラーメンバーに入れ替わりがあって、さらに新鮮。猫好き、アート好き、マンガ好きなら確実に楽しめるのに、展示作品の一つ一つは中々にクレイジーで、それがまた楽しい。視線を動かすごとに、猫の目のようにクルクルと変わる展示は正にLive、足を運ばないと、この面白さは分からない。

森川幸人さんの水墨画たち
前田純さんのスニーカー少年と猫たち
井筒啓之さんのぽっぽや少女と猫「清廉で明るい場所」

ネコトモのためだけに水墨画を始めたという森川幸人さんの作品は、8年目にしてもはや名人芸の領域。線に全く迷いや韜晦がなくて、そこにとぼけたネコやタコがいて、説教くささを抜いた禅画みたいで、そろそろ美術業界に目を付けられそう。これが安く買えてしまうのがネコトモ展の怖さ。前田純さんは、スニーカーと少年を組み合わせてキャラにするという発明で、作品もいいけどグッズ展開が面白い。特に絵皿は画風とよく合ってた。井筒啓之さんは今回、自らのセルフイメージに挑戦しているような、「鉄道員(ぽっぽや)」の装画をモチーフに今の絵を描く試みがカッコいい。ドローイングもすさまじくチャーミング。

ナカハジメさんのコラージュ作品
安東桂さんの緑青を付けた銅のネコたち

いしかわさんに話を聞きながら、さらに進むと、今回初参加のナカハジメさんのコラージュ作品と、安東桂さんの緑青を付けた銅の造形作品に出会って、ビックリした。どっちも強烈に「欲しい」と思った。沖縄でバーをやりつつイラストレーターをやっているというナカさんのコラージュは、時代性を映しやすいコラージュという手法なのにタイムレス感があって、でもしっかり尖っていて、ふざけてるのにカッコいい。安東さんの造形物は、まずそのフォルムがかわいい。そして謎の生き物みたいなのに手に取って見るとしっかりネコなのだ。で、宇宙船のようでもあるけど、生きている。ご本人がいらっしゃったので、いしかわさんに紹介してもらって、色々と緑青について話を訊いてしまった。錆はやっぱり面白い。そしてSFやネコとの相性の良さよ。個展には是非駆けつけたい。

川上由香さんのバッグたち
ヤマダナイトさんのドローイング「ブチネコ」(だと思う)

川上由香さんのバッグも、ある種のコラージュなんだけど、ファブリックの質感と、狂気とかわいさが表裏一体になった造形に、見事すぎる色彩センスも加わって、そりゃみんな買うよねと思った。 やまだないとさんの絵は相変わらずカッコいいし、近くマンガも出るらしいので楽しみ。三星玲子さんの世界観の見事さと構成力、ミャゴレグノさんの額装作品の面白さなどなど、展示作品全部良くて、全部バラバラに個性的で、どこか変で、これをまとめて展示会として成立させるいしかわさんのキュレーション&プロデュース力に毎回感動する。ほんと、図録作った方がいいですよ。記録する価値のある展示だと思うのだ。

いしかわじゅんさんのドローイング作品たち
いしかわさんの「ネコトモTシャツ2025」

で、そのいしかわさんは新聞連載もやってる中で、いつも以上に絵もグッズも大量展示。Tシャツになってるキービジュアルの手描き作品が凄い。車と猫のサイズバランスの絶妙さ。だから当然、Tシャツもいい。アクキーもあるし、クッションキーホルダーなんて謎グッズもある。今、部屋に掛けるならこのサイズ、この仕様しかない「ミミ正とルリ子 ネコトモカレンダー」(4月始まり)は、大傑作なのに1500円とお買い得。あ、サインもらうの忘れた!時間あれば会期後半にもう一回行きたいなあ。24日までだから、みんな行くのだ。

私が買ったのは、安東桂さんの銅のネコと、いしかわじゅんさんの「ミミ正ルリ子 ネコトモカレンダー(四月始まり)」


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