20240427 『精霊に捕まって倒れる』(みすず書房)読了
夫を車に乗せて出勤。夫は仕事。
着付の復習、母とラジオ体操をして、夫と帰る。
久しぶりに隣町の鰻屋へ。商店街にある古い鰻屋で、ここの鰻丼がちょうどいいおいしさ。お米もおいしい。甘酒も注文。
街中を散歩して、ファミレスへ。たまっていた文芸誌の連載を読む。
寝る前に『精霊に捕まって倒れる』(みすず書房)を読了。寝る前などに少しずつ読み進めてきたが、ついに読み終えた。何ヶ月かかったのだろう。
もともとは、父の介護をしていた2021年、「ケア」ということばになにかと反応していた時期(世の中的にもコロナ禍でケア労働に注目が集まってた時期だったのだろうか)に大型書店で見かけて、タイトル、帯、裏表紙のことばが気になり、みすず書房なら間違いなかろうと手にした本。買ってから2年以上経ってからようやく読み始めたのだった。
モン族の重度てんかん患者とその家族が、文字も読めず言葉も話せないアメリカで暮らし、現地で医療に触れる(なぜこの人たちがアメリカに渡る必要があったのか、についても私はまったくの無知だったことを思い知るのだが)。その一連の治療やケアに関わったあらゆる人たちの話を綿密に聞いた記録だ。
神や精霊の存在が重要な意味をもつモン族は、「てんかん」を「精霊に捕まって倒れる」というポジティブな意味合いも含んだことばで表現するとあり、なんだか気になって手にしたのだった。当時、認知症の父を介護していた私にとっては、病として一面的にのみとらえない感覚が響いたのだと思う。
分厚い本で、ラオスの内戦の歴史、アメリカとの関係、アメリカの医療とモン族のシャーマニズム的なケアとの衝突、等々、内容が多岐に渡る。そのすべてを理解したとは到底思えないのだが、自分の知らない世界や価値観に触れるという、読書ならではの感覚を存分に味わった。読んでよかった。