新規キャンバス

【正しい模写のコツ】#2 観る力の鍛え方 【基本編】

こんにちは

イラストレーターの能登です


前回の記事で

絵の才能=観る力

で、観る力を鍛えれば絵は誰でも上達する

ということを紹介させていただきました



今回はその観る力について

具体的にどうやって鍛えればいいのかを

ご紹介していきたいと思います!



1.あなたの模写レベルのチェック


まずは自分の観る力がいったいどれくらいなのか

と、いうことをテストしてみたいと思います


無題


まず、紙とペンを用意してください

そうしたらなんでもいいので〇や△、□などできるだけ

簡単な記号を模写してみましょう


手元にあるものの方がいいので、スマホなどでも大丈夫です!


その際にできるだけ、まったく同じ形になるように模写してみてください


対象をじっと見つめ

線の長さ大きさ角度形を形成するすべての要素に集中し

ゆっくりゆっくりと丁寧に線を引きます


できたら紙を透かせてピッタリ同じになるかどうか

確認してみてください


いかがでしょうか?


最初はどうしてもズレができてしまうかと思います


特に、同じものが描けたと思っても重ねてみると

サイズが実際より大きくなってしまう場合が多いです


このズレが現時点での観る力だと思ってください



2、どうしてズレが起きるのか


ではどうしてズレが生じてしまうのかというと

これは前回の記事でも説明しましたが

先入観(思い込み)」が原因です


模写という作業は単純に考えると

1、見て(入力)

2、記憶して

3、描く(出力)


この3つのプロセスしかありませんが

2の記憶の時点でズレが生じてしまっているのです


なぜ記憶でズレが生まれるのかというと

簡単に言えば、脳はすべての物事を正確に記憶していたら

あまりにも疲れてしまうのでできるだけ曖昧に覚えるという

先入観(思い込み)」というフィルターがあるからなのです


※サヴァン症候群の方が記憶だけで完璧な模写ができるのは

この脳の機能がなくなっているからです



つまり、模写でのズレをなくすには

脳が先入観の影響を受けずに記憶することができる

観る力」を鍛える必要があります



3、観る力の鍛え方


では具体的にどうすれば観る力が鍛えられるのでしょうか?

それは「見慣れないものを見る」ということにあります


どういうことかというと

これは右脳と左脳が関係しています


例えば見慣れたものを見ると、今までの経験から

記憶や形などを司る左脳が働いてしまい先入観(思い込み)の

影響を強く受けてしまいます


しかし、見慣れないものを見る行為は

経験からくる思い込みがないので

色や形を司る右脳が強く働き、先入観の影響を受けることがなく

模写ができるようになるのです

※右脳、左脳については諸説あります


そんなこといっても

「見慣れないものなど日常でなかなか見つけれないよ」

と思うかもしれませんがこれは簡単で

例えば手元にある本開きを裏っ返してみてください


いかがでしょうか?


かなり文字は読みにくくなり脳が混乱する感覚があるかと思います


これがまさしく右脳モードに切り替わっている感覚であり

見慣れないものをみるということであります


観る力はこの逆さにした文章を模写することによっても

大いに鍛えることが可能で

コツは自分が今なにを描いているのかを考えず

無心になってただただ線を追うということです


見慣れないものの模写はとても辛いですが、この辛さは先入観を排除して見る力のレベルが上がっている証拠でもあります



4、いろいろな観る力の鍛え方

みかんと木材-2-1024x724


今ご紹介した模写の方法は「逆さ模写」といいますが

観る力を鍛える方法は他にもたくさんあります


例えば、最初に紹介した

全く同じになるように模写する

(私は完全模写と呼んでいますが他に呼び名があったら申し訳ございません)

というのも有効ですし


一切手元を見ずにモチーフだけをみて模写する(純粋輪郭描法)

というのも大いに効果があります

これは1、見る 2、記憶する 3、描くの3つのプロセスの

2の記憶をなくしてしまい左脳の影響を受けなくするためです


また、「クロッキー」や「30秒ドローイング」などの素早く描く

という練習法も、一瞬で大量の情報量を流し込み脳を混乱させ

右脳モードにするという効果があります


みなさんご存知の「デッサン」は観る力を鍛える本質であり

鉛筆の濃淡で形、明度、影、質感を捉えるということで

かなり高いレベルの観る力を必要とするものでもあります



5、自分のレベルにあった練習法を選ぶ


このように練習法とはたくさんあるのですが

大切なのは今の自分のレベルに合った練習方法をする

ということです


好きな作家さんのイラストを模写するのも良いですが

上手くいかないなと思った場合は、一度立ち返る必要があります


例えるならば、いきなり複雑な模写をするのは

重たくて持ち上がらないダンベルで筋トレをするようなもので

最初はもう少し単純な形から始めるのがいいかと思います


私が辿ってきた順番としては

1、〇や△、□などの簡単な記号を完璧に模写できるようにする

2、もう少し複雑な記号を完璧に模写できるようにする

3、完璧に模写できないような図形に当たったら

 小説やイラストなどの逆さ模写や

 手元を一切見ない純粋輪郭描法などをする

4、クロッキーや30秒ドローイングに挑戦する

5、好きな作家のイラストを完璧に模写できるようにする

 (できなかったら2や3に戻る)

6、デッサンに挑戦する


といったふうに徐々に階段を上がってきました


練習法については自分の合う合わないや

好き嫌いがありますので色々挑戦してみて

「自分が無理なく続けられる」

「成長や達成感が感じられるもの」を

選べるといいと思います!





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